2025年7月12日土曜日

山下大輔のうんちく、最高!

ドジャースとサンフランシスコ・ジャイアンツの3連戦ががジャイアンツのホーム・オラクルパークで今日から始まった。メジャーリーグにはユニークな球場が数あるがその中でも2000年に開場したこの球場はライト側がサンフランシスコ湾の入江のマッコビー湾という海に面していて、そこに飛び込むホームランボールを取ろうとカヌーやボートに乗って待ち構えているファン(ていうか転売屋)がいるので有名だ。

そのマッコビー湾に飛び込むホームランを「スプラッシュ・ヒット」と呼ぶ。厳密にはジャイアンツの選手が打った場合のみそう言うらしいが、一般には他チームの選手が打ってもいわゆるスプラッシュ・ヒットと呼ばれることが多い。去年、大谷がこの球場で特大のホームランを打ち、大谷自身も「スプラッシュ・ヒット行ったかー?」てな表情だったが、打った方向が右中間で実はこの変形球場はその場所が右翼ぎりぎり(94m)より20m以上も遠く(128m)て場外ホームランではあったが湾には飛び込まなかった。日本人選手でこのスプラッシュ・ヒットを打った選手はこれまでおらず、今日の大谷に私は大いに期待していた。なお、実質的にはメジャー時代の福留孝介が湾に飛び込むホームランを打ったのだが飛び込む直前、スタンドの旗に当たってしまい認定はされなかった。どこにも当たらずにスプラッシュしないとダメなんだそうで、これはに福留にとってはちょっと可哀想ではあった。

それで今年こそは大谷のスプラッシュ・ヒットを私も見たいとTV画面を注視していた。そして第2打席、ものの見事にきれいなスイングで打ってくれたよ、スプラッシュ・ヒットを。

湾で待ち構えていたファンはいっせいに奪い取ろうと手を伸ばした。結局一番近くにいた中年男性(郵便局員だったらしい)が海に飛び込みゲットし高々と腕を上に上げていた。↓上がスプラッシュした瞬間、下が高々とボールを掲げる郵便局員さん。

NHKBSでは元横浜の山下大輔さん(現在73歳)が解説をしていた。彼は20年以上も前からメジャー中継の解説をしたり、メジャーチームのコーチもしたことがあるなどかなりのメジャー通である。そんな彼が今回は非常に面白い話題を提供してくれた。

そもそもサンフランシスコ・ジャイアンツの以前の球場はキャンドルスティック・パークでその球場での最長ホームランはあの有名なウィリー・メイズと同年代の選手ウィリー・マッコビーが打った約152mだったという。マッコビーは新人王やリーグMVPなど獲得しホームランも521号を打ち、野球殿堂入りもし、その背番号44はジャイアンツの永久欠番にもなっている名選手であった。その彼を記念して新球場の奥にある湾をマッコビー湾と命名したのだという。なるほど〜。私も初めて知ったことばかりでためになった。
しかしここからが山下大輔の真骨頂だった。そんな話題を2002年のNHKBS中継で今回同様語った際に、名前は忘れたがNHKアナウンサーに彼はこう言ったそうだ。「横浜スタジアムがありますねー、僕も横浜スタジアムの上の方に僕の名前ついた所あるんですよ〜」すると当然のようにアナウンサーが「え、本当ですか。どこにあるんですか?球場のすぐ近くですか」と尋ねてきた。「いや、もっとはるか先です」「え、どこ・・」「山下公園」

いや〜笑ったねぇ。で、さらに話の続きが・・。その放送は朝早い時間帯にあったのだが、山下氏は同日夕方からは東京ドームで巨人の試合の取材に行っていたところ、当時巨人の松井秀喜は「メジャーに行くのか行かないのか」で話題になっていたそうで、松井のバッティングを見ていたら、日頃は話しかけにも来ない松井がやって来て「山下さん、今朝の話、最高でした」と言ってくれたという。それを聞いて山下氏は「あんな朝早くからメジャー中継を見ているなんてやっぱりメジャーに行きたいんだな」と思ったそうで、実際、翌年に松井はヤンキースに入団するのだった。

この他、プレイ中に鳩がバッターの近くに来てプレイ中断した時は「ハッとしたんですね」、ドジャースの中継ぎピッチャーにいつもの「バンダ」が出てきたら「日本にはパンダがいなくなったけれど、バンダは毎日見られる」とぶっ込んできたりした。ダジャレとメジャー通の話題で結構楽しめる解説だった。そして松井秀喜が感心したように「山下公園」ネタは最高だったぜっ!

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