2021年6月30日水曜日

「私、チキンなんです」

外来の西友Nsに例の頸がんワクチンがその後どうなったか尋ねてみた。するとー。

「先生、実はまだ打たせてないんです」「え、なぜ?」「私が・・チキンなんです。相談した小児科のスタッフにあんな風に言われて」と6月17日の「こてる日記」に書いたように、未だ無理解の医療機関もあるため、彼女のように迷って逡巡している親もいるのだ。私は「何を迷う必要がある。自分の娘の身体を守る気があれば今のうちに打たすべきだろう。副反応、副作用なんて気にする必要はない!」と半ば叱りつけるように言った。そして、その無理解小児科クリニックはどうも頸がんワクチン接種をしたことがないようで、「そんなところよりちゃんとやってくれるところがあるはずだ。あちこち電話してみなさい」と。

そんなこんなで後で聞いたところ、同じ市内の別の小児科クリニックでは「(頸がんワクチン)接種はやっていますよ。いろいろ言われてますけどアメリカなどでは接種も多く特に副反応の問題はないですよ」ときちんと答えてくれたそうだ。それで来週予約を済ませたという。西友Nsに「背中を押してくれてありがとうございます」と言われたよ。頸がんワクチンは3回接種する必要があり接種するワクチンにも違いがあるが1回1万5千円以上し合計5万近くかかる。しかし現在小学6年から高校1年までなら国からの公費負担があり、タダで接種できる。こんなん受けないでどうする。

いやはや、あれだけきちんと説明してあげても冷静に判断できない、迷わせてしまうこのワクチン問題は根が深い。若くして毎年2800人もの女性が亡くならないようにもっと積極的に接種を進めていくべきだろう。


2021年6月29日火曜日

「高度な内視鏡テク」を使いました

近くに精神科の愛乱病院があるおかげで内視鏡の異物除去はこれまでにだいぶ経験することができた。

なぜか彼の病院の患者さんらは変なものを飲み込んでしまう。何か非常に困ったことが起きた時、自分自身に嫌気が差した時、彼らは自分を痛めつけたいという思考に陥るようだ。その時に飲んではいけないものを飲み込む。ある人は乾電池、ある人は歯ブラシ、スポンジなんてのもあった。東洋Drからは「千本もの釘を飲み込んだ」ケースの摘出に難渋したと聞いた。

ソーシャルワーカーから「愛乱病院の先生から内視鏡で異物除去の依頼が来ています」との連絡が入った。まだ若い女性患者が水道のネジを飲み込んだという。よく聞けば昨夜もネジを飲み込み、鹿児島のプーさん病院まで搬送され、内視鏡で取り出してもらったばっかりだという。なのにまた飲み込んだ・・。今朝はうちでも対応出来るので「どうぞ」だ。

病院に来てすぐにレントゲンを指示した。昨夜の場合は十二指腸の奥まで落ちていたそうだから確認はしておかないと。するとレントゲンから「胃のあたりには(ネジは)ない」と連絡が来た。なに?そんなはずは・・。飲み込んで1時間程度しか経っていないと聞いているぞ。それで胸部レントゲンも指示したところ↓、なんとまだ喉の奥、食道の第1狭窄部に引っかかっていた。
ただ病院側も昨日の今日でまたもネジなんかを近くに置いていたのかと疑問に思ったが、実はここから↓取り外して飲み込んだと教えられた。スマホで撮った画像をさらに私がデジカメで撮ったものである。うーん、こんなのを外されたら防ぎようがないわな。
結局、内視鏡入れたところ、確かに食道の狭窄部に引っかかっていたが内視鏡の嘔吐反射でプワっと吐きだしてしまった。取り出す際の鉗子はどれにしようかとか咽頭を傷つけないようにしないととか考えていたのが全くのムダに終わった。これなら指を突っ込んでも取れただろう。東洋Drが後から来て「え、もう終わったんですか。どのようにして(取りました)?」と尋ねて来たので「ふふ、高度な内視鏡テクで上手く取れましたよ」と煙に巻いておいた。ハハー。
取り出した水道ネジは透明袋に入れて病院にお返しした。水道で水がでなくちゃ困りますもんね。

2021年6月28日月曜日

ストライク8回出したのに3回に負ける?!

朝から急に下血したという中高年女性が外来に来て、出血のパターンから大腸憩室出血とふんだ。点滴をして大腸の洗浄前処置を指示し昼過ぎに大腸内視鏡に臨んだ。下血が続いているというから出血源発見の期待がかかる。凝血がいっぱい付着している管腔を押し進めると上行結腸にまで血が付いていることからこの部位が出血腸管とわかった。さらに憩室を確認していくと・・べっとりと血が付着した憩室が見つかり、「お、たぶんここ(出血源)」この瞬間はうれしい。敵陣発見!これがないといつまでも憩室出血に悩まされるんだ。
出血源憩室に血糊がべっとり付着している
クリップを掛け、それで止まってくれればいいがうまく止められないことも多い。その次には得意のゴムバンド結紮法だ。今回もこれでうまくいった。この患者さんはすぐにうちの病院に来てくれたのが良かった。何日か逡巡していると血が止まって凝血もなくなり出血源が分かりづらくなることが多いんだ。下血を見たらすぐに病院に行くべし!ぜひこれを覚えておいてほしい。
クリップごとゴムバンドで結紮する。これで完璧に止血できる。

夜は1ヶ月ぶりにボウリング練習に行った。むろん一人で。6階に通され、4ゲーム練習したが、この階は客は最後まで私一人だけだった。私の他はバイトのスタッフが3人も背後にいてこんなんでバイト代が出るんかいって他人事ながら心配になった。

今回から両手投げではなく昔ながらのオーソドックスなスタイルに戻した2ヶ月投げてみて両手投げでこれまで以上の成果を出すにはまだ相当時間がかかると分かったからでもある。もう30年間身についた動きは変えるのは難しい代わりにそうそう衰えることもなく170、181、182とスコアを伸ばし、最終ゲームはぜひ200アップをと狙ったが190に終わった。でも前半はあった10ピンミスなどなくなりノーミスゲームにすることが出来た。ストレスたくさん出すがミスも多いスコアよりずっと難しい。↓のスコアシートを見てほしい。
2ゲーム目はストライクを8回も出しているのにスプリットミスなどで180に終わったの(黄印)に対し、4ゲーム目は3回しかストライクはないが後は全部スペアで190と半分以下のストライクで結果(ピンク印)は上回っている。ボウリングではいかにスペアが重要かがよく分かるだろう。

いやー、それにしても暑くなった。汗が出てマスクが非常に邪魔だった。早くマスクなしで投げたいわ〜。

2021年6月27日日曜日

そうだ「左膳」にしよう

今日は昼食を「外で食べようか」と私から誘い、カールが「いいわね」と当然のように来て、さらに「『左膳』にしないか」と私の方から店を決めた。これはとても珍しい。私はずっと昔から店選びが苦手でなかなか自ら「あそこにしよう」とは思いつかないタイプなのだ。

実は以前青雲会病院に勤務していた丸純君が自身のFacebookで写真付きで「今日の昼飯は『天ぷら左膳』の天せいろ。いつも、蕎麦はセブンイレブンのざる蕎麦ばかりなので、めっちゃウマいです」とその店を紹介していたからだ。「おう、そばも美味しそう」と思った。↓がそれに出ていた写真。思わずパクつきたくなるじゃないか。
雨の中、午前11時過ぎには「左膳」の駐車場に着いた。ここは11時半を過ぎるとすぐに一杯になってしまうのでこのくらいに着かないと。で、店の方に歩いていくと一番店近いところになんとサブアラドDrの車が鎮座していた。あははー。もしかしてとは思ったがやはり来ていたか。だが、彼らは食事するのは同じ系列の店同士だが黒豚の「いち、に、さん」の方だ。
ソバを注文し待っている間にサブアラドDrにLINEを送った。すぐに電話が掛かってきた。「え、今『左膳』にいるの?」「そう」「ふーん、昨日麻雀で勝ったからだな。オレのおごりかー」「はは、そういうことでして。ごちになります」「くー」てな会話を交わした後、私は「天せいろ」に「かしわめし」を美味しくいただいた。
エビ天は目の前での揚げ立てでアッツアツ。美味い!
ちょうど食べ終わった頃、やって来ましたヨ、サブアラド夫妻。「良かったナ〜、またいつでもおごりますよー」と。何かとこのところ日曜のお昼に出くわしますナ。「土曜の麻雀で勝てば日曜のお昼も美味しいわ〜、またねー」とそれぞれ帰って行ったのだった。

2021年6月26日土曜日

身にしみたこととは

オマルさんとの囲碁は、昨日定先8戦目を戦った。オマルさんの序盤の強引なキリからまた接近戦になり途中は私が明らかにツブれていた。しかし自重したか、自分の方が不利とみたか、転戦の手が2回ほどありそこから私が優勢になった。それでも常に逆転の手を狙ってくるオマルさんなんで慎重に打っていたら「ない」と言って予想より早く投了してきた。え、と思うもまあやや優勢なのでそこで終わりになった。これで私の定先5勝3敗。来週月曜には退院が決まっていて、ということは昨日が最終戦だった。すでに90歳前で今後も打つ機会があるかどうか。4年以上、入院のたびに打っていて、いったい何局打っただろう。最初の数局は5子局からで、主に4子局を長く打ち、徐々に置き石は減りついにはなくなった。もしこのまま定先で大きく勝ち越せば互い先(たがいせん)になる。もしくは6目半の先番コミだしだ。私の師匠兼好敵手のオマルさんにはもっと長生きしてもらわなくてはね。

さてさてもう一つの趣味である麻雀、今日の午後は久々にリアル麻雀を見せたまえ雀荘で打った。腹出しDrが入った5月上旬の麻雀では私が一人負けをくらっていた。しかし今日はずっと好調、半荘8回終わった時点で1回もラスなしで対する腹出しはかなりの不調で1回もプラスになった半荘がなかった。あと半荘2回をこの調子なら5月の一人負けを取り戻せる・・だが9回目半荘に罠が掛けられていた。腹出しが初めてのトップ目でそれを追う私が2着目。手が七対子模様になり首尾良くドラの5索待ちを聴牌したが危険牌の発を切れず1萬の対子落としをした。するとドラ5索をツモりまた聴牌し直し発単騎待ちに。よく考えられば発を思い切って切っていれば満貫の上がりになっていた。

と、そこへ。腹出しがリーチ。お?点差は8千点ほどで私が今この手を上がれば逆転できる。とここで、慎重に打っていたのにイケイケの気分になり発待ちで追っかけリーチを掛けた。
発は親のサブアラドも持っていそうにないし、もし持っていたら二人リーチに対しオリ打ちも狙えるなーんてと思ってリーチ後の第1ツモを見たらギョッとした。なんと赤5索!い、いかん、これは腹出しかサブアラドに当たりそう。そっと卓上に置くと「ロン!」「ロン!」げげーなんとダブロン。槓ウラも乗って腹出しは子のハネマン1万2千点、サブアラドは親の5800点。ドラのダブロンだけに一気にラスになった。冷静に考えれば一度上がりを逃したならば次は相手のあがり番なのは麻雀の理だ。少なくとも追いかけリーチはダメだった。うむ。
最後の半荘もラスになり、トータルで勝つには勝ったが、まさに油断大敵、大勝ちを狙うとそれだけ隙が多くなり大きな損失を被ることがある。身にしみましたわ。

2021年6月25日金曜日

「しかしちょっと待って欲しい」

カールが「県のコロナワクチン18から64歳大規模接種の報道に踊らされて申し込んだけど全然だったわ」と少々おかんむりだ。先日ウェブサイトへの申し込みを朝9時きっかりにやったけど全然つながらない。時間を費やしたあげくシステムダウンだった。翌日もどうにか申し込みは可能だったが予約できたかの確認がはっきり出来ないそうだ。

これらを見るに付け、世間一般の人たちはやはりワクチン接種を受けたいと思う人が多いんだなとワクチン接種推進を主張している私など合点がいく思いだが、今朝の南日本新聞には「ワクチン副反応 不安解消課題」との記事があって「SNS根拠ない報道拡散」と題し、誤解や根拠のない情報で不安を煽ったり動きがあると警鐘を鳴らしている。ふむふむ、私がこれまで主張してきたことをちゃんと記事にしてくれているゾ。↓に3分割しそのまま載せておこう。

病院に着いて、医局の読売新聞を手に取りパラパラめくっていると、読者投稿欄の「気流」におやと思う投稿があった。茨城の56歳会社員男性投稿のもので「ワクチン接種 過信禁物」とのタイトルだった。↓にそのまま載せるからぜひ読んでみてほしい。
ごく簡単な内容でワクチンを打てた高齢者に「過信しちゃーいけないよ。接種してもこれまでどおり節度ある行動をしないさいな」と高説を垂れている。私は思わず「お前は朝日新聞か?」と思った。その特徴がよく表れているのがピンク線のところ。「だが、よく考えてみてほしい」だ。これなんか朝日新聞論説パロディの「しかしちょっと待って欲しい」と全く同類の言い方だ。「天声人語風メーカー」といういかにも天声人語のような文章を作れるというサイトがあり、例えば安倍元首相と靖国参拝問題を論評したければ関連語句を入力するだけでそれらしいのが出来るというもの。15、6年ほど前にネットで話題になっていまだに残っていたわ。→http://taisa.tm.land.to/tensei.htmlで、出来た文章が→http://taisa.tm.land.to/tensei.phpだ。

ひょっとしてこの茨城男性は朝日新聞の記者とちゃうやろか。私など「ワクチン接種が進んで、2回接種終えた高齢者が『これで安心して孫や友人に会える』」という状況を見たら、「そうだよ、ワクチン打って良かったねぇ。元の普通の生活に戻れるようになりたいからみんなもバンバン打とうよ。みんなが打てばほとんどコロナは終息するんだから」と言いたくなる。ワクチン接種してコロナに感染する確率はファイザーかモデルナ製なら1割未満だ。そして社会全体がワクチンを打てば限りなく0に近づく、コロナは心配ないと過信してもいいくらいになる。またそうなって欲しいと願う。

青雲会病院も17、8年くらい前までかな、それまでは朝日新聞を取っていた。しかしある朝、可愛いんだ理事長がえらい剣幕で「明日から『朝日』は取らない!」と言ってそれから読売新聞になった(南日本新聞はずっと取っている)。かなり立腹するような記事を見たらしい。

朝日の記者はこの事実を聞いてどう思うだろう。「・・しかしちょっと待って欲しい。大きな病院のトップたるものが気にくわない記事があったからといって購読を止めるというのはいかがなものか。反対意見もしっかり聞いて病院経営に活かすというのがトップたる資質ではないのか」とでも言いそうだ。ねえ、朝日新聞さん(笑)。

2021年6月24日木曜日

ギザ10から知る

コスモスで買い物をして支払いの際、財布にいわゆる「ギザ10(じゅう)」を見つけた。「ほう、懐かしい」。ギザ10とはずっと昔に作られていた10円玉で、調べると昭和26年から昭和33年まで造られ、硬貨の側面がギザギザに加工されているのが特徴だ。ちょうど私が生まれる直前まで造られていたことになる。以前は格段珍しいものではなくちょくちょく見かけていたが久しぶりだった。若干薄くて触っただけで側面を見なくてもギザ10と分かる。昭和29年製のものだった。

この硬貨、あっち行ってこっち行ってあの人に渡されこの人に使われ、65年以上も世間の荒波に揉まれてきたのか。なんだか愛おしくなり、使わずに持って帰った。

昔「一円玉の旅がらす(歌:晴山さおり)」って歌が流行ったがそれを思い出した。その歌は消費税が初めて導入された平成元年の翌年に発表され、3%分の支払いが増え、1円玉が必要になった時期と重なる。10円玉でいえば昭和29年は今よりもずっと価値があったろうな。そうだ、このギザ10、今じゃちょっと珍しいから少しばかり値がするのかな?ネットで調べてみると、昭和29年発行の10円玉は5億2,090万枚も出ていてさすがに値はほとんど付かないようだ。せいぜい11円くらい。ただし未使用品だと1万8千円もするそうだ。だがピカピカの未使用品なんてそれは特殊なもので普通に生活していたらまず手に入ることはない。

帰って、カールに「ほらギザ10だよ」と見せたが、見てもきょとんとして「なに?ギザ10って」と聞き返された。「古い10円玉だよ、昔よく見ただろ」と言うと「いいや、見たことない、初めて」と。そんな馬鹿なーと思ったが、「私、沖縄だから」と言われて、ハッとした。昭和47年に本土復帰するまで沖縄ではドルやセント硬貨が使われていたんだ。

硬貨一つで戦後の日本社会の変遷に気がつく1日だった。

2021年6月23日水曜日

レベル300はなぜ来ない

水曜の午後は救急ピッチ当番だ。何にもない日もあれば忙しくなる日もある。今日はどうか?

「先生、救急隊から意識レベル300の高齢男性を搬送希望です」
「先生、救急隊から呼吸困難の女性を搬送希望です」

あん?2台ほぼ同時に救急要請ってか。どっちかは断りたい気もするがまずは詳細を聞いてみた。レベル300は「今は意識を取り戻しています。数分間意識がなかったそうです。数分で運べます」呼吸困難は「SpO2(酸素飽和度)は100%です」だと。

うん?これは意外と大したことないかもしれないゾ。というわけで2台とも受け入れた。先に高齢男性が来るのかと思いきや、一向に来ず、そのうち呼吸困難さんが運ばれて来た。診察した時点でほぼ過換気症候群だろうなと思ったが念のためレントゲン検査を指示した。それにしてもレベル300はなんでやって来ないんだ。ようやく運ばれて来たが、ぐったり感はあるものの意識はしっかりとしている高齢男性だった。バイタルも問題ない。この人もCTや採血、それに点滴を指示した。

詳細を尋ねるに、便意を催しそれがなかなか出ずにそのうち目の前が真っ暗になって意識を失った。ものの2分ほどで回復したのをそばにいた人が見ている。その時に救急要請された。で、大便をトイレで漏らしてしまってその後始末に時間がかかって搬送が大きく遅れたということのようだった。これは血管迷走神経反射と呼ばれる一過性の自律神経の不具合で失神を来すものだ。過労、脱水、長時間の立位、起立、空腹、排便、痛み、採血、恐怖など強いストレス下で起きやすい。特に高齢者は排便時に起きやすい。

結局、二人とも特に治療することもなく帰宅出来た。いやはや、小1時間バタバタとしたが、その後夕方までは平和だった。

17時半以降はオマルさんと碁を打って、今度は大模様からまた突入して来た相手の石を召し捕り、それでもねばるオマルさんに隙を与えず完勝した。2時間半もかかった。ところでだが、そのオマルさんに認知症テストの長谷川式をこの前やったら30点中なんと7点というロースコアが出たそうだ。かなりの重症認知症。だが、この結果には相当疑問が残る。だって碁を打っていて私にハンディを与えて勝ったり負けたりしているんだよ。相手の打つ手にどう対応するか、地はどっちが多いかなどの計算など複雑なことを考えつづけないと碁は勝てない。認知症の人には2時間以上も碁は打てないよ。オマルさんはやや耳が遠く、囲碁以外には余り興味がない人だ。「今日の日付は?」とか「100から7引いたらいくつになりますか?」などは答えてもいなかった。面倒くさかったんだろうね。ともかくもオマルさんに関しては長谷川式の結果はまるで信用できない、これだけは確かだわ。

2021年6月22日火曜日

NHKニュースの子宮頸がん特集

NHK総合の朝7時のニュース特集で子宮頸がんワクチンが取り上げられていた。世界の多くの先進国が80%以上の接種率なのに8年前から日本は1%程度と極端にその比率が低い問題とそれに伴い子宮頸がんで毎年2800人が亡くなっている事実、そして21歳のある女性の例として「無料でワクチン接種が出来ると知っていたなら現在のついらい自分の状況(頸がんの原因であるパピローマウイルスに感染してしまっている)にはなっていなかったのにー」という後悔の様子が紹介されていた。私がこのブログで紹介、主張しているそのもの内容だ。いいぞNHK。


とは思ったものの、さすが中立的態度のNHKはこの後にワクチン接種で体が不自由になっている20歳くらいの女性の映像とインタビューを紹介していた。これを見た対象女性やその親たちはどう思うか?映像のインパクトは強い。何もしなければあんなふうにはならないのか。だったら私は打たないわと思う人がかなりいそうだ。実際はちがう。命まで失い、あの時打っておけばと悔やんでいる人が圧倒的に多く(約1000倍)、もたらされた結果も日常生活が不具合なケースと死を覚悟せざるを得ないケースとの大きな違いがある。どっちになりたい?どっちもなりたくないと言いたいだろう。でも二者択一ならワクチンを打つべきとはっきり断言出来る。

将来のことを予想して考えられない人が世の中には多い。うちの病院の職員にもパピローマウイルス感染が分かって年に数回スメア検査を受けている女性も一人や二人ではない。頸がんワクチンを打っていればそんなつらさもなかったのに。また、コロナ禍の中、コロナワクチンですら打たない方がいいと考える若者が20、30%はいるとの報道もあった。副反応が怖いだって?コロナワクチンの副反応ってたかが風邪を1日引いたくらいのきつさでしかない。一方のコロナ感染は・・というとこの1年半、どんなかはみんなも知っているだろう。コロナで亡くなった人は日本では1万人以上、そしてコロナワクチンが原因で亡くなった人はいない。マスゴミがたまに報道するワクチン接種後に急死なんてのは脳卒中か心血管系の急変であって打たなくても起きていたものなのだ。

こうしてみると、マスコミの報道の仕方にも問題があると思わざるを得ない。国民の安全を考えるならばコロナも頸がんも「ワクチンは打つべし」とはっきりしているではないか!

2021年6月21日月曜日

多いのに知らない、少ないのに知っている

昨日の当直で中高年女性がやって来て腹痛と下血があるとのことだった。午後から便秘で夕方トイレで排便を頑張っても出ない上に腹痛がひどくなりそのうちに冷や汗も出てきた。そしてやっと排便出来たと思ったらその後に下血だと。

前にも書いたがこれは「虚血性大腸炎」の典型的なパターンだ。痛みさえちょと我慢すれば治りは案外にいいので必ずしも昨日の夜に緊急内視鏡をする必要はない。痛み止めを出して今日大腸内視鏡を受けるよう指示をした。

結果はまさしく虚血性大腸炎。「ほうらね」と私。大腸内視鏡を専門にする先生ならみんなよく経験するシーンだ。消化器専門Drの間ではありふれているのに一般には一向にこの「虚血性大腸炎」は口に上らない。青雲会病院では月に最低2人以上は診る疾患だというのに。これはきっと症状の割りに治りがいい質(たち)のいい病気だからというのが私の見立てだ。癌などと違って死ぬ病気じゃないし1週間もしないうちにケロッと治ってしまうから話題になりにくいのかも。

逆に滅多に見ない病気なのに世の中の誰もが知っていてよく使われる病気の代表が耳鼻科領域の「メニエール病」だろう。実は私は医師になって30年以上だがまだ一度も自分でメニエール病と診断出来た患者さんには出会っていない。メニエールと似たようなめまい、嘔吐の患者ならたくさん見てきた。頭位によってめまいが誘発される「良性発作性頭位めまい症」はよくあるるし、「前庭神経炎」は私自身が罹ってめまいで苦しんだこともある。そういったありがちなめまいの病気を世間の人はひっくるめで「メニエール病」と言っているようなのだ。医者の私が一度も診たことがないのに。

「メニエール病」には回転性めまいの他に耳鳴り(片側)や難聴を伴うという特徴がある。この耳の症状がないのに「私はメニエールで・・」と語る患者さんがいかに多いことか。メニエールはフランス人の医師の名前から来ているが、「めまいでひっくりかえーる」症状と言葉が似ていて日本人にはなじみやすいからだろうと思う。もうやたらと皆さん使うんだ。だから実際は良性発作性頭位めまい症ぐらいだろなと思って対応するようにしている。いちいち「(本当の)メニエール病とは違う」とは指摘しなくなった。

実際は多いのに知られていない、実際は少ないのにみんな知っている。病気の名付けにもなぜかしら運不運があるようだ。

2021年6月20日日曜日

「ゾンダーコマンド」って何?

日曜日の夕方からの当直は何年ぶりだろうか。ポンシンDrが毎回当直していたが、5月以降月2回は出来なくなり代わりに誰かが当直するようになった。

その通勤途中、NHK総合TVで「アウシュビッツ 死者たちの告白」というスペシャル番組をしていた。去年の再放送らしい。「ゾンダーコマンド」と呼ばれるユダヤ人でありながら殺されたユダヤ人の遺体処理などを行わされる人たちの記録だった。彼らは苦悩、憤怒し、ナチスの非人道的な恐ろしい行為を証拠として残して置かねばとアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所内の様子を記録し、それらは収容所内の火葬場近くなどの地面に埋められていた。そして戦後の1980年になってから掘り起こされた。ただこの原稿は劣化が激しく、2010年代の最新技術でようやく判読出来るようになった。

ナチスの外部への情報漏えいを防ぐため、ゾンダーコマンドの囚人はほとんどが3か月から長くて1年以内にガス室に送られて殺され、新しく連れてこられたユダヤ人が代わりとなっていったそうである。数千人はいたというゾンダーコマンドの多くは殺され、生き残ったものは20名ほどだったと言われている。番組ではその非常に稀に生き残った数人のその後が紹介されていた。親や姉を殺され「復讐する」と言う気持ちで記録を埋め運良く生き残った男性は、しかし戦後一言もアウシュビッツでの出来事を家族にもしゃべることはなかったという。
番組にも出てきた遺体を焼く作業をするゾンダーコマンドたち

アウシュビッツについてはこれまでも感じてきたことだが、こんなに非道で悲惨な出来事があっていいものだろうかと戦慄を覚える。100万人から150万人が殺されたそうだから日本への原爆二つと比べてもずっと多い犠牲者の数だ。「ドイツ人(ナチス)を許せない」というユダヤ人の気持ちは真っ当だな。組織的、計画的に実施され、戦争状態の真っ最中に起きた殺戮などではない、この負の遺産は人類への教訓としてずっと残していかねばならない。そして慰安婦問題をアウシュビッツと同じだとかという主張する韓国の偏向者もいるそうだが日本人にもユダヤ人にも失礼な態度だと思ったわ。

2021年6月19日土曜日

土曜発熱外来の後に・・

土曜午前は休みだったが、発熱外来(コロナ外来)担当が決まっておらず、ならばヒマな私がしましょうと買って出た。5月半ばの前回は、雨が降っていた上に隣の霧島市からのクラスター関連のPCR検査受検者が多く結構忙しかった。今日は保健所からの依頼も4名しかおらず全部で10名ほどだった。で、全て陰性でまずはめでたし。11時過ぎには終えることが出来た。

医局に戻ると、ちょうど昨年10月に青雲を辞めた朝カラさんが来ていた。まだ自分の持ち物が院内に残っていたらしい。今は鹿児島市内の医療専門学校で医療事務の先生をしている。結構忙しいらしい。そこの先生の中では一番若く、どちらかといえば生徒に年齢は近い。「それで彼氏とかも出来た?」と尋ねると「いいえー」「生徒もなんかかわいいって感じですよ」だとか。ふむ、さらに垢抜けた感じですぐにでもいい人は見つかりそうだが・・。友人のカルテ管理室のサッコさんの勤務が終わったら昼食をいっしょにするとか。また来てねーと言って、私は病棟に上がっていった。

実はせっかく昼から時間があるのでオマルさんとの囲碁を打とうという魂胆だった。定先(じょうせん)になってただ今1勝2敗と負け越している。特に昨日の碁は白の大石と取った私が圧勝のはずだったが、オマルさんが黒の隅に怪しい手を放ってそれをとがめ損ねたために大逆転負けを喰らった。悔しくてナースステーションでリバーツモロNsに「チクショー」ってからんだりしたんだ。

今日も序盤から石のせめぎ合いが始まり、左上隅でまたもや私の黒石が取られてしまった。しかしその代わりに外回りに黒石が多くそこまで形勢を損じていないとの思いがあり私は慌てなかった。案の定、石を捨てたがらないオマルさんは右上隅にツッコんできた。黒石の多いところで楽には生かさないと強攻策の私。どうにか取れそうとなったが右辺に互いの石がなだれ込んで私の石が逆に取られるかというぎりぎりのところをどうにか攻め合い勝ちに持っていき、これなら勝てるというところまでこぎつけた。ふう・・。
↓ピンク丸の黒石は取られたが黄色丸の白30目近くを取り切った。
ここまで1時間半を経過していた。そしてほぼ決着は付いたと思えるのにオマルさんは打ち続けた。打てば昨日の私みたいに1手間違えばまた大逆転があるかもしれない。しかし今日は私は間違えなかったヨ。2時間半近くかかって1局を終え、これで定先2勝2敗の対に戻した。いやー疲れる。しかし89歳のオマルさん、入院患者なのにそんなそぶりは見せず打ち切った。まさに囲碁命の人だ。私との対戦が何よりの楽しみらしいから時間が許す限り打ってあげよう、いや打たせてもらおう。私もオマルさんがいなければ実践経験を積むことなく下手くそのままだった。私も勉強させてもらってます。今日はぎりぎり勝てて良かったぁ、ホント。

まだ打ちたそうなオマルさんを後に、勝った余韻を味わう私だった。

2021年6月18日金曜日

午前4時半のお邪魔ネコ

この日記はいつも約3日遅れでアップしている。夜から明け方にかけて投稿することが多い。本日6月18日の分をアップしようとしているのだが、お腹が空いたゲンちゃんがMacBookProの前に鎮座して邪魔をする。その6月18日午前4時43分の様子がこれ↓だ。

今現在が6月22日午前4時41分。もう、まったくこの写真と同じところに同じ格好で私の邪魔をしている。一旦下に降ろしたんだけどねえ。それでも可愛いゲンちゃんのために腕を伸ばしてブログ原稿を書いている。この日も何かとネタはあったが、この状態なんでこれでお終い!全く書きづらい。

5時になれば自動給餌器がカラカラって音を立てるはず。で、ゲンちゃんはおや?という顔をして食べに行く。それまでちょっとの我慢だな。YouTubeでも見ておくか〜。

2021年6月17日木曜日

打つべし!

週に1回、私は子宮頸がん検査であるスメア検査を担当している。今日、私に付いたのは人間ドック担当の野次舞Nsだった。

彼女が「こてる日記も時々見てますよ〜」と言ってくれたのは良かったが、子宮頸がんワクチンについては「どうなんだろうと思ってー。娘がいるんですが迷ってます」と言うではないか。「あなた、『こてる日記』をちゃんと見ていないね。見ていれば、頸がんワクチンは絶対に打つべし!と分かるはずよ」と指摘した。最近のコロナワクチン問題もそうだが、世の中にはワクチンを毛嫌いする偏向的な人たちがいて、私に言わせれば明らかに誤った考えを正しいと信じ、しかも反対運動をして本来ワクチンを打つべき、打った方がいい人たちを躊躇遠慮させ、その結果将来病気になって下手すりゃ死んでしまう事態を招いていると説明した。

特に子宮頸がんワクチンについては裁判まで起こして運動を繰り広げ、結果日本のワクチン接種率が1%未満になってしまった。毎年2800人が頸がんで死んでいるというのに、ワクチンを打てばほとんど発生を防げるというのに、それを見過ごしてしまっている。頸がんワクチンでギランバレー症候群のような思い副反応が出るケースは430万接種に1回と極めて低いのに年2800人の女性の死亡は無視されているのだ。

「それにね、今は国の補助でワクチンをタダで受けられるんだよ。もし自費なら何万もする(1万5千円x3=4万5千円)のだから受けない手はない。あなたの娘は今いくつ?」「中1です」「なら一番いい時期だ。絶対に打ちなさい」と言った。そして「だいたいワクチン反対派は自然食品がいいとか体に自然なもの以外を入れない方がいいというある種宗教じみた考えがベースにあるようなんだが、あんたもそう?」と尋ねると「いいえぇ、私、全然そんなことないです。アレルギーのもとだって自然のものが多いでしょ、だからそんなことは全く考えてません」「よし、それならワクチン打つべし!だ。打つべし!打つべし!こりゃ、『あしたのジョー』だな」あしたのジョーにはあまり反応しなかったが、野次舞Nsは大きく息を吸って「娘には打たせます」と納得していた。
1ヶ月ほど前にも西友Nsに質問されて当然打つべしと教えたところ、接種希望した診療所のスタッフが「え、本当にいいんですか」と驚いたそうだ。いかん。この7、8年の誤った日本の常識は変えていかねばならないと思った。そうだ、次の朝礼の私の話すテーマは決まった。あまりに多いワクチンの誤解をせめて自分が関与できる病院職員には正していきたい。「ワクチンは基本打つべし」これだ!

2021年6月16日水曜日

救急車に乗った

何年ぶりだろうか、救急車に乗った。

その患者はまだ50代男性で「朝、急に胸痛と背部痛があった」と来院していた。かなりきつそうとの情報が看護師から寄せられたので、診察前に心電図と胸部CTを急いだ。心電図を見ると特におかしい波形はない。そうなると胸部CTでは・・。放射線科の空中技師から「大動脈解離らしい」との連絡があった。単純CTでは一見分かりにくいがその目で見れば大血管の1/3ほどが解離しているように見える。すぐに造影CTを指示すると間違いなく胸部大動脈解離だった。しかもスタンフォードA型という上行大動脈から解離があり手術が必要なタイプだった。

血圧を下げるよう降圧剤の注射をしつつ搬送先を探した。幸いすぐに鹿児島市内の天妖怪病院が受け入れをしてくれた。ただこのケースはいつ急変するかの懸念があり看護師を付けるだけではやや心配だ。そこで担当した私も乗ることになった。患者さんには鎮痛剤の注射も打ち、痛みは最初が10とすれば2か3ぐらいにはなっていて少し落ち着きも取り戻していた。しかし奥さんはあまりの急なことに動揺を隠しきれないでいてとても自分の車で鹿児島まで行けそうになくいっしょに救急車に乗ってもらうことにした。同乗した仏顔Nsも「先生がいるだけでとっても心強かったです」と言ってくれた。それだけで乗った甲斐があったかな。以前の救急車に比べ乗り心地はまずまず改善されていた。それでもゴトンゴトンと揺れ、血圧や脈拍をチェックしつつだったので若干の車酔いに近い気分にはなった。
30分弱で天妖怪病院に着くと、「すぐにICUに」ということで7階病棟まで運んでいった。うーん、さすが救急患者に慣れているだけあって看護師さんなどテキパキとしていたねえ。なかでも体格のいい男性医師が「ゆっくりと降ろしてー」とか「心エコーも準備して」などと言い足背の動脈にマジックで印(しるし)を付けるなど中心になってみんなを動かしていた。「後をよろしくお願いします」と言い、ICUを離れ、下に降りるためにエレベーターを待った。

と、そこに職員の顔写真付きのパネルが掛けられていたのを見ると・・「え?!」さっきの医師かと思われた男性は看護師だった。いやはやびっくり。落ち着いて指示を出している様子からてっきり心臓血管外科のDrかと思ったヨ。帰り際、姶良の救急隊員と顔見知りのようで親しげに話している様子がちょっぴりDrらしくないなとは思ったが・・。

帰りはスピードも上げず周囲の車を追い抜くこともなく病院に帰り着いた。でもやっぱり車酔いが少し残ってしばらくは休みを取らざる得なかったのであった。

2021年6月15日火曜日

大迷惑「反ワクチン活動派」

オマルさんとの囲碁2子局は昨日も今日も私が勝った。先週金曜の上村邦夫プロの教えを守り、うまく捨て石などして上手(うわて)の攻めをかわし、逆に石を捨てたがらないオマルさんの弱点を攻めたのが効いた。これで5勝1敗1分となった。オマルさん、次はきっと手合いを2子から定先(じょうせん:下手が黒先で打つ、先手は目数にして6目ほど有利になる)に直してくるだろう。いよいよ置き石がなくなる。4年前は一時5子まで置いていたのにえらい進歩だ。うむ、感慨深いゾ。↓の碁盤、黄色丸の白石は全部取られている。中央の白の大石も眼がなくほぼ取られで白の投了もやむを得ない。

またコロナワクチンの話題だが、ワクチン反対派が12歳以上の子どもへのワクチン接種を進めようとしている自治体に抗議の電話などをして妨害しているという。報道によると「ワクチンのリスクを過度に警戒する人たちがインターネット交流サイト(SNS)で呼び掛け、集団で電話しているとみられ、中には脅迫めいた内容も。対応に追われ業務が滞る役場も多く、担当者は「接種は強制ではないのに」と頭を抱える。」のだそうだ。さらに「京都府内のある町では希望した12歳が接種を受けたところ、町外から抗議電話が殺到。「10代は死亡事例がないのに」「ワクチンの危険性を認識しているのか」といった内容のほか、「人殺し」「殺すぞ」とののしるものもあり、町は警察に相談した。高校生への優先接種方針を示した北海道や愛知県の自治体にも、同様の電話やメールが相次いだ。他にも小中学生に集団接種を行うと表明した岡山県の市など、抗議対象は全国に広がりつつある。SNS上では、ワクチンに懐疑的な人同士がつながり、自治体への抗議を呼び掛けている。フェイスブック上で反対運動を展開するグループには14日時点で800人超が参加。抗議する自治体名や電話番号が共有され、参加者は「子供たちのためなら頑張れる」「県内の人のふりをして、所構わず抗議しましょう」などと投稿していた。

頭にきた!

ワクチン反対派のこいつらは自分たちがいいことをしていると思って実際は社会に有害なことを逆にしている。ベースにあるのは「ワクチンは有害」という誤った認識だ。このブログで何度も書いているようにワクチンはほとんど全て副反応の危険より有効性の方がはるかに優っている。mRNAを使ったファイザーやモデルナのコロナワクチンなどはその中でも相当に優秀な方だ。現在のコロナ禍の社会や人類を救うと言っても過言ではないものなのだ。この1年半、世界も日本もどんなにコロナのせいで悪影響を受けてきたことか。様々な人流、物流の制限、消毒の徹底、三密の回避など頑張っても終息には向かっていない。それがワクチンのおかげでやっと光が見えてきたところなのに。

なにが「10代は死亡事例がないのに」だ!子どもはコロナにやや罹りにくいということはあっても罹れば様々な症状が出る。さらに学校教育の現場はクラスターが発生しやすい。私の勤務する姶良市地区でも学校の先生やクラブ活動などで罹った人がいて、そうなると大勢の生徒らが青雲会病院にPCR検査を受けにこざるを得なくなった。だからこそ姶良市長は集団接種をしようとしている。それを聞いて私など素晴らしい決断だと思った。やるじゃないか湯元市長って。コロナ対策は基本的には国より各自治体の権限がメインなのだ。国は大まかな方針を立てるだけだ。集団接種といっても強制ではないのに、この反対派の連中によってやりにくくなりそうだ。まったく迷惑な連中だ。

記事では「早稲田大の田中幹人教授(科学技術社会論)は、副作用を警戒する人たちがSNS上で同じ意見の人の投稿ばかりを目にするうち、極端な反ワクチンの考えに陥っていくケースがあると指摘。「コロナ禍による社会不安やストレスもこうした考えが広まる背景にある。一方的に否定しても逆効果なので、不安を丁寧に聞き取りながら、正確な情報の発信を積み重ねていくしかない」と語った。」とまとめていた。かなり良識的なまとめだ。書き方は丁寧だが、ワクチン反対派は間違っている、極論に陥って誤った行動を起こしているということだ。そしてなぜそのような間違った考え方になるのかまで解説してくれている。

確かに「正確な情報の発信を積み重ねていくしかない」というのは分かるが、もっと国や自治体は積極的に反対派の意見が間違っていることを主張しないと「子宮頸がんワクチン」のようにとんでもない事態になるかもしれない。何度も指摘しているように日本は世界の中で子宮頸がんワクチン接種を行っていない実質唯一の国なのだ。そのために毎年2800人ほどの女性が亡くなっている。ワクチン反対派にビビった行政やマスゴミのせいでもある。

私はワクチン反対派のネット上での意見も確認したが事実誤認や思い込みが多い。しかしさも科学的に正しいような事実も書いたりしている。それは一般の人だけでなく医師などにもそういった人がいるのだ。自然でないものを体に入れるのは良くないと思っていることが多く、ベースに国などへの不信感を持っている人たちが多い気がする。あの髙橋洋一教授が自身のYouTubeでその辺を分かりやすく的確に指摘していた。その中で「ワクチン反対派は子宮頸がんワクチン問題で味を占めた」と言っている。今度の子どもへのコロナワクチン接種妨害もその流れとみることができる。私のブログよりずっと分かりやすいかも。ぜひご覧になって欲しい→。https://www.youtube.com/watch?v=FEGa8e6JIq4

教授はワクチン反対派を「反ワクチン活動派」と呼び、非社会的な活動をしていると断じている。要するにテロを行う過激派やオウム真理教と同じなのだ。教授はデータを示しているので実に納得できる。さらに「反科学」「似非科学」を信じる人たちが反対派になりやすいし、理屈ではなく感情で判断する傾向があるとも言っている。あはー、それらも私はブログで批判してきた。最後に本日の主張を言っておこう。

「反ワクチン活動派」、こいつらを信じてはいけない。

2021年6月14日月曜日

ミヤマキリシマが素晴らしい山と言えば

朝礼のスピーチは4階病棟のモロ消え師長だった。師長として心がけている3つのポイントを分かりやすく真面目に話してくれたが、それより一番印象に残ったのは最後の趣味を語るコーナーだった。

青雲会病院には山登りが趣味の山ガールが何人かいて彼女もその一人だ。鹿児島の山や九州県内の山を中心にあちこち登っているという。その中で一番人気は何と言っても大分は九重(くじゅう)連山とのこと。山ガールの中心人物のソーシャルワーカー床杉さんによると「やっぱり九重です」ととても魅力的で何度でも行きたい山なんだそうだ。春はミヤマキリシマ、秋は紅葉と眺めも素晴らしいらしい。「こてる先生もぜひ」なんて誘われている。ただ、「紅葉は何度かチャレンジするんですけどなかなか(見頃に)当たらないんです」という。年によって時期がずれるしその時期に休みが取れるとも限らないからのようだ。

しかし春のミヤマキリシマはたいてい見頃に行けて今日のスライドはそれが素晴らしかった。
↑の山の頂を見て欲しい。なんとミヤマキリシマでピンクに染まっているではないか。こんなの見たことない。↓山頂からの眺めも絶景だ。下の平坦地は歌にもある坊ガツル湿原だろう。
昼休みにモロ消え師長に「スライド良かったねえ。あのピンクの山はなんて言うの」と尋ねると「平治岳(ひいじだけ)です」ということだ。ほう。ミヤマキリシマが映える山としては日本一だろうということだ。うーん、百聞は一見にしかず。これを見ただけで「九重は素晴らしい」という彼女らの言い分がよーく理解できた。私もいつか行ってみたい、登ってみたいと思わせるに十分な光景だった。

2021年6月13日日曜日

「これならへっちゃらよ」

カールとあるステーキ店に入った。品は比較的安く、200gのサーロインにしようかと思ったが店員が「メニューには載っていないが今二人分サイコロステーキ250gが同じ値段で出せる」というので、私はそれに乗った。カールはヒレのせいぜい200gくらいかなと思ったら「私もそれ」と言うではないか。うーん、食べきれずに「テル君食べて」と余りを私によこすパターンだな、これは。
肉の等級は安い、普通、上級とあり私らは普通のにした。安さ追求なら250gで1100円ってばり安かぁ。私らのでも1500円程度とかなり安い。私は例によってパクパクと食べ終わった。結構お腹いっぱいになってしまいカールの分まではどうかな・・と見てみたらー。
げっ!肉、全部平らげてるじゃん(*_*)。250gだよ、大丈夫かい?「大丈夫、私、この手の赤身が多い肉が昔から好みなの、こういったの大好き」と満足げだった。へーー。

そっかー、それならまた来てもいいね。いつも少食のカールの珍しい一面を見たお昼食事タイムであった。

2021年6月12日土曜日

ボウリング関西オープン、転落したの誰だ

最近のYouTubeではボウリングのプロの試合も生中継してくれる。今日は男子プロの関西オープンの決勝があった。

その前の準決勝最終試合では残ったプロ8人が総当たりをして(ラウンドロビン)決勝に残る順位を決める。7試合を終わって我らが日置秀一(へきしゅういち)プロは2位にまで上がって来ていた。総当たりは7試合で終わっているのだが、最後にポジションマッチといってその時点の1位と2位の対戦、3位と4位の対戦という具合にラストマッチを行う。ここで例えば2位が1位に勝つと点差プラス30点が加わり1位残りになることもあり、優位に決勝ステップラダーを戦えるかもしれない。しかし、2位が1位に負け、3位が4位に勝つとプラス30点のボーナスがものをいい一気に3位4位へ落ちることもある。なかなか気が抜けない戦いなのだ。

7試合終わったところで中継を見ると日置プロは1位残りが確定的な山本勲プロ相手に微笑んでいた。「1位と2位、お互い頑張ろう」ってな具合か。しかしや山本勲は1177Pと一人だけダントツで最終ゲーム0点でも1位残りが確定していた。日置プロは745P、後に続く有力選手はトッププロの川添翔太737P、この大会前半をずっとトップだった和田秀和が733P、渡邊雄也も723Pと3位以下とほとんど差がない状況だった。

中継では3位4位、5位6位戦をやっていた。ラウンドロビン最終戦とあってみんな気合いが入っていて220から230台のスコアを出している。ところが、だ。逐一報告が入ってくる山本と日置の1位2位戦は日置が27番レーンで全くストライクが出ず、ダブルが出ていないとのこと。その代わりサウスポーの山本はストライク連発、たまーに3番7番の難しいスプリットが出てもそれをクリアするなど絶好調のようだった。日置は負けるにせよ少なくとも200アップしておかないと決勝ステップラダーに残る4人の枠に入れなくなる恐れがある。私には中継されないそっちの方が気になって仕方なかった。

ボウリングのスコアはレーンコンディション次第で相当に結果が変わる。準決勝に残ったうちサウスポーの山本はみんなが投げない左側のラインを上手に使いなんと8勝0敗という結果で堂々の1位残りを果たした。残る上位はほとんど右利きでレーンが荒れ気味。1試合ごとに順位が変わるという具合で結果、渡邊雄也が238プラス30Pで791Pの2位、和田秀和が225プラス30Pで288Pの3位、川添翔太が和田に負けたが760Pの4位で決勝ステップラダーに残った。日置はというと195はマイナス5Pで740Pになりなんと6位にまで落ちてしまっていた。ぎゃぁ。
日置秀一プロ
日置プロは最後、2位残りで山本と当たってしまったのが運が悪かった。3位4位あたりで右利き同士の試合ならおそらく決勝に残れただろう。笑っている場合じゃなかったのだ。はあ。でも実力者で優勝を狙えるってことはしっかり示せた。そう思うしかない。

決勝ステップラダーはまず4位と3位が対戦し勝った方が2位と対戦する。そこで勝った方が1位残りの山本勲と対戦し勝った方が優勝だ。ボウリングを知っている人からみたら唯一のサウスポーの山本の優勝はまず間違いないって思えた。練習ボールでも他のプロがストライクを出すのにやや苦労していたのに彼はほぼ全部ストライクだったしー。
山本勲プロ
しかし勝ち上がった渡邊雄也が急にストライクを出し始めたのに対し、山本はたった1回失投しスプリットを出してしまう。今度はカバー出来ない。勢いに乗った渡邊がストライクを連発し257対215で優勝してしまった。
優勝した渡邊優也プロ。
いやー、司会者も言っていたが「ワンゲームマッチは怖い」、そのとおりだと思った。ま、それだからこそTV決勝の生中継は面白いのだが。それとYouTubeをCMなし契約していてよかった。熱戦の合間にCMじゃ全く興が削がれてしまう。ともかくもこのネット社会の充実はボウリングファンにとってもいい時代になったと思うよ。

2021年6月11日金曜日

上村邦夫プロ、あなたのおかげで勝てました

囲碁を知らない人には今日のネタは全く興味持てないかもしれない。言いたいことは上のタイトルにあるとおりである。オマルさんとの2子局、石と石の競り合いの場面で、ふと昔読んだ棋書の手筋が浮かんでそのとおりに打ってみたら一気に形勢が私に傾き勝つことが出来た。普通は本に出てきて読んでいても実際の対局には活かされないことがほとんどだ。しかも今回のは碁を打って初めて使った手筋と言ってもいいかもしれない。

囲碁には様々な手筋があり、基本的なアタリからシチョウ、ゲタに始まり初級、中級、上級と細かなことを言えばきりがない。滅多に現れないが有名な手筋では「石の下」なんてのもある。今回出現した手筋は「両アタリ」だ。は?両アタリなんての石を取る初級の手筋で、囲碁を打つ人なら誰しも経験したことがあるのになんで?と思うかも知れない。将棋で言えば王手飛車取りみたいなものだ。しかし、ちょっと違う。自ら両アタリされに行ったのだ。一見を損をするような状況に持っていき実際は得をするという手筋で、30年前にNHK出版から出された上村邦夫(かみむらくにお)当時八段の「発想を変えよう 中盤戦法」という地味なタイトルの本に出ていた。

私はその本が出てすぐに買っていた。そのころは囲碁に再びハマっていた頃だったのだ。その本の最後の最後に出ていたテーマが「いろいろな捨て石作戦」でその一例として著者の「だいぶ高級になるので、初級の方には、こんな打ち方もあるのかと思っていただければ十分です」と解説があった。その碁は上村プロとアマ屈指の強豪の2子局だった。アマ強豪の打った一見普通の手が良くなかったとの上村プロの指摘とその後の手直しの着手に驚いたのだ。この本で30年後の今も覚えているのはその箇所だけでそれだけインパクトがあった。↓の棋譜で、石の競り合い中に両アタリを防ぐ黒の⑥の手が敗着に近いという指摘だった。アマとはいえ県代表クラスの打つ手だ。そんなに悪い手には見えないが・・。
その後の展開を見ると白⑩と伸びきられ上辺が白の大きな確定地になって確かに形勢を損ねている。↓参照。
ではどう打てば良かったのか?上村プロの推奨したのが、一旦アタリを効かした後、①と白に両アタリを許す打ち方だった。へー!と思った。自分の黒石が取られるがそれ以上に発展性のある上辺をポン抜きで制することが出来る。石を捨てたがらないアマチュアには全く浮かびにくい発想だ。
上村邦夫はイケメンで酒が強く、NHK囲碁番組の司会を長く務めた女流アマ日本一の堤加蓉子さんを嫁にもらうなど囲碁界ではよく知られたプロだった。囲碁の本はわずかしか出していないが、私にとっては上の両アタリを許す打ち方がすごく印象に残っていていつか使う機会があればと密かに思っていた。それが今夜だった。

まずは↓の盤面、競り合いで白にハネられたところだ。両アタリがすぐに目が付くので黒石をツグのもあったかもしれない。しかし上村プロの教えを私は思い出した。
えいっと白石のアタマをさらにハネたのだ。↓。両アタリされ黒石のどちらかは必ず取られてしまうのだが・・。
この手を見て、オマルさん「ウホッ」と声を上げた。驚いたのは間違いない。そして何をこしゃくなと思ったのか、両アタリせずに負けじとハネてきた。しかしこれはさすがに無茶で私に先に当たりされ出来た結果が↓だ。
黒白1個ずつ相手の石を取ったが、白は最後にハネた石がムダ石となった上に中央の5子もまだ眼がない。それに対し黒は左辺がすべてつながり完全な黒地になった。しかも先手だ。これは誰が見ても黒の大成功でこの時点でこの碁は絶対に負けられないと思った。オマルさんは悔しかっただろう、最後まで打ち続けたが、結局私の44目勝ちと大勝だった。

上村邦夫はNHKの本を書いた時は八段でその後九段に昇段、無冠ながら強者として活躍していたが、残念ながらその後悪性リンパ腫で50代の若さで亡くなってしまった。1986年の彼のNHK囲碁講座はある囲碁棋士が「今まで見た囲碁番組の中で屈指の名講座」と褒めたほどのものだったらしい。その頃は一番囲碁から遠ざかっていたころで私は見ていない(翌1987年から10年ぶりに再開)。しかしその評判のおかげで数年後出版に至り、私の目に触れたのだ。きっと草葉の陰で喜んでいてくれたに違いない。ありがとう、上村邦夫さん。

2021年6月10日木曜日

1時間に3人も・・

今日は32回目の結婚記念日というのに当直だった。諸先生方とのからみでこうなったのは致し方ない。

当直帯に入り、5階病棟のマチルダ師長から「先生、オマルさんと囲碁を打って下さいな」と連絡が入った。なんでも「こてる先生とは今日は打てないのか」と何度もお願いされたそうだ。私も無論断る理由はない。で、夕食摂ってから2子局を打ち始めた。今日勝てば引き分けを挟んで3連勝だから、ふふ、2子局卒業なんてことになるかな・・。

しかし時間外の外来患者も来て10分ほど抜けたり、病棟から病状報告などあり今回はやや集中力を欠いてしまった。オマルさんの無理手をとがめ損ね、本来生きている石を死なせてしまった。結構粘ったが挽回不可能で投了した。やはり簡単に手合いは変えられないわ。くーっ。

それから40分も経たないころ、救急要請が入った。60代女性が急に意識不明、呼吸停止になったという。運ばれて来た時には心停止もあり、当然心臓マッサージ(胸骨圧迫)をしつつだった。すぐに気管挿管し点滴ラインから強心剤を打ち、マッサージは続けた。一時、心拍は戻った。波形も心筋梗塞の時に見られるような異常Q派やST上昇などはない。しかしすぐに心臓は動かなくなり30分ほど経過した。どこからか私へ連絡が入ったようでピッチ(PHS)が鳴っていた。しかしすぐに受けられず心肺蘇生が一段落したところでピッチに出た。すると5階病棟の腎不全で感染症治療をしていた70代男性が心肺停止だという。急いで上がり気管挿管したがちょっと助けられる状態ではなかった。家族の到着を待って残念な結果を報告しなければならないだろう。

また救急外来に戻ると、スタッフによる心臓マッサージは続けられていたが、何度かの強心剤にも反応しなくなり、息子さんらを呼んで心肺停止から1時間を経過いしておりこれ以上の蘇生は無理であると伝えた。涙をこらえながら息子氏は納得し、それで蘇生を止めさせた。それでなぜこのような事態になったのか、亡くなったばかりでつらいだろうが、死後CT(Autopsy imaging:Ai)をやってみてはどうかと提案した。特に発症の仕方が脳卒中の中のくも膜下出血を疑わせるからと説明した。料金が普通より高くはなるが、息子氏は同意してくれたので、放射線科の当番を呼んで実施することにした。と、今度は4階病棟からピッチが鳴った。

「先生、今日手術を受けた90代女性の心臓が止まっています」

「は?」

なんということ。1時間もの間に3人もの心肺停止を診なくてはならないのか。その患者さんは術後も血圧維持が難しく病気の原因からして相当厳しい状態であるとすでに説明がなされていた。術後なのですでに気管挿管されていて心臓マッサージと強心剤の指示を出した。そして先の外来患者の死後CTの結果が出たとのことで、一旦外来に戻り家族に説明をした。典型的なひどいくも膜下出血だった。これなら急な倒れ方をして呼吸停止が来たのも当然だったろう。そのことを息子氏に説明し、脳ドックとかを受けていない状態で事前にこの病気(くも膜下出血)が起きるのを予想するのは不可能だったし、この発症の仕方では助けることはほぼ無理だったと説明した。泣きながら説明を聞いていたが、原因がはっきりしたことは遺族のためにもよかった。あの時自分が早くその場にいてどうにかしていれば助かったのではなどと自らを責めるケースがままあるからで、亡くなってからの検査も相当に意味があるものなのだ。

4階に行き、術後患者の家族が集まっていたのでこれ以上の蘇生はまず無理でしょうと説明をした。その直前に私は手術記録をカルテで確認していたのだ。これは手術をしてもまず助からないケースだと。すると私の左隣にいた男性が「ですから」と語り始めた。え?!なんと信号Drだった。なんだ主治医がいるじゃないか。私を呼んだ後、すぐに主治医にも連絡したようだ。上を下への騒ぎで私はそのことを聞いていなかった。この後は主治医が説明し心肺蘇生を止めることになったようだ。すでに22時を過ぎていた。

はあ・・。過去にも一晩で3人の看取りはあった気がするが、こんなに短時間にというのは記憶がない。先の2人は死亡診断書を書いた。その後カルテの記録やなにやらで一段落してからは、医局の机にうつ伏せてしまい、翌日未明まで私は寝込んでしまったのであった。

2021年6月9日水曜日

むし暑いですか、ゲンちゃん

そろそろ蒸し暑い日々がやって来た。家ではゲンちゃんも夜というのになんだかぐったりしていた。
背中で今夜の蒸し暑さを語っているねぇ。でも近寄ってもっと写真を撮ろうとすると・・。
えーん?「なにやってるでしゅかぁ」ってかんじで振り返った。うーん、可愛いでしゅよ、ゲンちゃん🐱。

2021年6月8日火曜日

朝6時半に電話が来た

朝6時半に電話が鳴っていた。カールが出たが私は少し寝ぼけていてどんな内容だったのかは分からなかった。起きて尋ねると「ギボヒサコがまた脳梗塞を起こしたみたい」だと。施設の人から若干の麻痺と呂律障害があるという。あー、今年に入って何度目だろう。青雲会病院に脳梗塞で3ヶ月ちょっと入院しているときも小さな脳梗塞(ラクナ梗塞)を再発した。そのたびに抗血小板剤やコレステロールの内服など調整し予防に努めていたのだが・・。

ともかくもまずは病院で検査をと頭部MRIを撮ったら左の被核部に小さな梗塞が見つかった。うーん、これはやはり入院して急性期の治療が必要だ。前回入院時もお世話になったカワゼンDrが担当してくれることになった。麻痺と言っても完全なものではないし立ち上がることも出来る。ギボヒサコはなぜか愛されキャラで病院でも施設も周囲の人に評判がいい。急性期を乗り切りリハビリで頑張ってまた周囲を明るくする存在に戻ろう。

入院していると言えば囲碁のオマルさんもいる。私との対戦を楽しみにしているため、夕方私はボウリングに行く選択肢もあったがお相手することにした。2子局で私がハンディをもらっている。前回は大接戦で私のわずか1目勝ちだった。今回は序盤に団子石(効率の悪い配置の石)を作らされるも中盤は私が大優勢になった。このまますんなり勝てると思ったが左辺の大石が狙われどうにかコウで半分は生きることが出来たが大損をした。で、10目くらいは負けていると思いつつ打ち続けた。しかし整地してみてびっくり。26目対26目。なんと持碁(ジゴ)だったのだ。いやー、オマルさんと碁を打って持碁は初めてだ。
平和に終わって、なんかめでたいね〜。

2021年6月7日月曜日

おかしなMBS

またコロナワクチンの話なのだが、ある関西地方の73歳の女性が接種から数時間後に急死し、遺族となった夫は「(原因は)それ(ワクチン)しかない」と語っているということだ。取材したMBS(毎日放送)の記事をほぼそのまま載せてみる。

5月28日、神戸市に住む73歳の女性は、かかりつけの病院で夫と一緒にファイザー製のワクチンを接種しました。女性は15年前から糖尿病の持病がありましたが、当日の体調に特に問題は無く、午後4時半ごろに接種を受けた後、30分ほど病院で待機して、帰宅したといいます。しかし、その後・・

 (死亡した女性の夫)
 「テレビを見て、午後7時すぎくらいですかね。胸が痛いから先に休むねと。それが最期の言葉でしたね」

 呼吸が一気に荒くなるなど女性の容体は急変して、救急搬送されましたが、病院に着いた時にはすでに心肺停止状態で、午後8時すぎに亡くなりました。ワクチンを受けてわずか3時間半あまり、突然の別れでした。

 (死亡した女性の夫)
 「どこかが調子悪くてという話であればわかりますが、何もない状態でほんとにすぐでしたので。時間が経つにつれて、考えたらもうそれ(ワクチン)しかないじゃないですか、消去法で言ったらそれしかないですよね」

 女性にワクチンを接種したかかりつけ病院の主治医は…

 (女性のかかりつけ医)
 「お元気な状態で帰られたので問題なかったなと。びっくりしました本当に。えっという感じでした。(Qワクチン接種が関係していると思われましたか?)思ったか、思わなかったかでいえば、それは思いましたね。だって日常生活の中で、それまでとその日と唯一違っていたところでいうと、“ワクチンを打ったか打っていなかったか”だけなので」

 実は国内でワクチン接種後に少なくとも196人が死亡しています。副反応を検討する厚生労働省の専門部会は、分析を行った139人について、『ワクチンとの因果関係が評価できない』としていて、これまでに死亡との関連性を認めた例はありません。多くの遺族が解剖を希望せず、詳細な検査ができないことや、たとえ解剖しても因果関係の特定は難しいからです。厚生労働省の資料にも亡くなった女性とみられる記載があり、死亡原因については“評価中”となっています。


(死亡した女性の夫)
 「政府が一生懸命やっているのはよくわかるんですけど。(因果関係を)つまびらかにする必要がある、誰でも打ちなさいということではないというふうに私は思います」

 政府が加速させるワクチン接種。接種との関連が不明のまま亡くなる人がいることも事実です。

みなさんはこの記事を読んでどう思われるだろうか。「やっぱりワクチンって怖い」と思われただろうか。不幸にも亡くなられたケースなので非常に書きづらいが、一読しただけで「このケースをワクチンと結びつけるのは短絡すぎる」と私には思える。ワクチンの副反応で一番怖いのはアナフィラキシーショックだが、このケースのように3時間半後にその症状が出るというのはあり得ない。私は5月7日のこてる日記でこう書いている。ワクチン打ったその日に心筋梗塞を起こす人もきっといるはずだ。」と。上記のケースがまさにそれに当てはまる可能性が高い。15年前からの糖尿病、胸痛、急な呼吸困難など急性心筋梗塞とみて何ら不自然な点はない。しかしーだ。ある種悪意をもった観点から見れば「ワクチン打ったか打たなかったかだけがその日は違っていた」となる。心筋梗塞で亡くなった場合、周囲の人は「さっきまで元気だったのに」と言われることが多い。遺族に至っては「あの日私が何々したから」とか自分を責める人もいる。そんな時、ワクチンに原因を求めたくなる気持ちは分からないでもない。

しかし、日本では1日にどのくらいの人が亡くなっているかみなさんは知っているだろうか。ちゃんとしたデータがあって、がんで968人、心疾患で518人、脳血管障害で338人だ(厚労省による)。心疾患でいえば500人以上のうち大部分を高齢者が占めるはずだ。500人もいればその日にワクチン接種を受けた人も1人や2人はいるだろう。ワクチン打とうが打つまいが亡くなっていた思われるケースを、敢えて結びつけて「政府が加速させるワクチン接種」と書くマスコミに何らかの意図を感じないか?

ワクチン接種についてはどんどん加速して欲しい。それがこのコロナ禍を終息させるもっとも有効な方法なのだ。昨日の週刊現代といい今日のMBSといい、一見まともなことを言っているようでおかしな主張をしているマスゴミも多いんだと実感するわ。

2021年6月6日日曜日

ワクチン反対派がボロを出す

私はコロナワクチン接種をどしどし推し進めるべしという主張をこのブログにも何回も書いてきた。6月に入り高齢者への接種も「1日100万回接種」を政府が目標にしてかなりそれに近い状況になりつつあり、今後への期待が持てるようになってきた。私は菅首相に何の思い入れもないが、ワクチン接種を周囲に怒鳴り散らすくらい進めていると聞き、なかなかやるじゃないかと思った。それくらいしないとコロナ禍は脱しきれないのはここ1年半の世界の状況をみて明白だろう。

もう一つ主張しているのが「東京オリンピック開催すべし」で、このワクチン接種と無関係ではない。7月半ばまで現在の進行具合で接種が進めばコロナ発生患者は絶対に減少しているはずだし、選手や関係者にも接種を進める(当然の処置だ)というし、海外からの普通の観客は入れない方針だから、オリンピックで観戦状況が悪化しても感染状況は悪化するはずがない。オリンピックを開催しない理由はないし出来ないはずもないってことだ。

そのワクチン接種についても週刊現代やら週刊ポストらが副反応の危険性をやたら強調したりして本来打つべき人が「私は打ちたくない」と拒否する例もあるようだ。ワクチンの効果が不明で人類初のmRNAワクチンという不安があった昨年末のころならいざ知らず、今年も半年近く経った現在では打たない方がおかしい。そんなマスゴミに不安を煽られる人は「情弱」の人なんだろうが、マスゴミの煽る方法や基本的な知識間違いにも呆れ怒りを覚えるほどだ。

特に週刊現代はひどかった。昨年10月ごろのコロナ遺伝子ワクチンの危険性をあの手この手で指摘していたのはデータがそろっておらずまだなんとか許せるとしても、1960年代日本のポリオ生ワクチンの記述で「日本では'60年代にポリオの流行を受けたワクチンの緊急接種で、ポリオを発症してしまう人が続出」とあったのには口をあんぐりとした。ワクチンの危険性を強調したいがための紹介のつもりかもしれないが、事実は全くの逆である。1960年には5600人のポリオ患者が出て約300人が亡くなり、それにつづいて、1961年も患者千人を突破し大きな社会問題になり、ソ連からの生ワクチンを接種させて欲しいと赤ちゃんを背負ったお母さんたちが厚生省(当時)の建物に突入する騒ぎにもなった。これに厚生大臣が輸入を決定し翌月には生ワクチン接種が始まった。その結果は驚くべきもので、例えば東京都では翌々月からポリオ発生はゼロになったのだ。ただ今は生ワクチンは接種しない。生ワクチンゆえにほんのごく稀に副反応でポリオを発症するケースがあり不活化ワクチンに代わっている。それでも2000年代初めまでまだ生ワクチンが使われており、私も接種をしに姶良の公民館に出向いたりしていた(2012年から不活化ワクチンになった)。ともかくもワクチン接種でポリオは激減し終息できたというのが正しい事実なのに↑(赤文)はなんだ。本当に怒りを覚えるほどだ。↓の図参照。ワクチンの効果がいかにすごいかがはっきりと分かるだろう。

台湾は昨年4月から12月まで自国内の感染者が1人も発生しなかったほどの “防疫模範国”と呼ばれコロナ封じ込めに成功し鼻高々だったのが逆に災いし慢心気味だったのではないか。うちは感染防御がしっかりしているからワクチンは急がなくても・・って雰囲気だったのかもしれない。それが日本からワクチン援助をという事態にさえなった。ワクチンをいかに早く多くの国民に打つか打たないかが勝負の分かれ目だったのだ。あんなに感染者や死亡者が多かったイギリスアメリカが急速に減っているのがその証拠だし、自ら実験台になってワクチン接種を進めたイスラエルなど1日の発生者が10数人しかいないだって。早くあやかりたいわー。

年が明けたらコロナはほとんど気にならなくなる。それは何のおかげか。ワクチンに決まっている。その時にはワクチン反対を言っていた人たちは頭を垂れて欲しいよ。