2018年3月31日土曜日

花見に月見に

今夜あたりが最後だろうと、カール、チッチと甲突河畔に夜桜見物に出かけた。今年は開花が早く去年は極端に遅かった。たしか4月半ばに花見をしたはずだ。2週間も違う。今夜は若干散りかけるもまだ十分に見られた。私たちは食事も済んでいてただ散歩だけだったがいわゆる普通の花見客も結構いた。空を見れば遠くは桜島の噴煙がうっすらとたなびきしかも満月で、まさにおぼろ月夜、花見て一杯、月見て一杯でご機嫌な夜だわー。

河畔には島津家中興の祖で島津義弘の祖父でもある島津忠良公の「日新公いろは歌」の歌碑が立ってあり、その中に「少しきを足れりとも知れ 満ちぬれば 月もほどなく 十六夜の空 」というのを見つけた。いわゆる「足(た)るを知る」の例えでまさに今夜にふさわしい内容ではないか。で、その歌碑だけ写真に収めた。
(↓クリック拡大すると解説が読める)
たった30分の花見、月見であったが、なかなかにいい夜だったことよ。

2018年3月30日金曜日

アニサキスは痛くない&シオシゲさん

外来ネタ。

今月来月は職員健診があり、某Drが人生初めての胃カメラを受けたところ、ピロリ菌陽性だったのはまあいいとして、何とアニサキスも1匹胃壁に食い込んでいた。普通胃アニサキス症は人間ドックや健診ではまず見つからない。激しい腹痛で来院して胃カメラ受けるパターンが多いから。ところが某Drは「全然痛くはなかった」とのこと。そうか、実はアニサキスが体内に入っても、96〜97%もの人は症状が軽いか出ないものなのだ。どういうメカニズムかというと、体内に入った生きたアニサキスが胃の粘膜を破って侵入し、分泌液を放出し、一部の人はアニサキスやその分泌液によって局所的なアレルギー反応を起こしてしまう。その強い炎症によって胃の筋肉が収縮し、強烈な痛みを感じるからだ。

日本人はこれだけ刺身やほか生魚を食べる習慣があるからアニーが入れば必ず胃痛がするならもっと多くの人が痛くて転げ回っているはず。今回は「アニー必ずしも痛くはならず」を証明できた一件だった。

外来にシオシゲさんがやって来た。今日は奥さんを連れてだ。もう80才を前にしているというのに体重は100kgをゆうに超えている。肥満が病気の原因なのは明らかだ。そこで薬云々ではなく食生活をいかに変えるかを話した。余分な物を買い家で食べながらTVを見たりするのが習慣で奥さんもそこを直させようとしているのだがなかなかねえ。「こいつはちゃんとしてくれているんですよ」と奥さんを持ち上げる発言をするくらいなら意識改革してくれないものかな。そして最後は例によって高校野球談義を少し・・。20分ほどもかかって、結局「いやー、今日はいい診察だった」と帰っていった。うん?えらい満足していたな。なんかこの時間を楽しみに来てたんかい!

2018年3月29日木曜日

Windows、Surface Laptopを買う

チッチがWindowsノートパソコンが必要になり夕方アミュの電器屋で待ち合わせた。チーは高校同級生のセッちゃんといっしょでさっきまで高校へお世話になった先生たちに挨拶に行っていた。パソコンはWindowsは買ったこともなくMacだったら自信をもってこれがいいといえるが指定なので仕方ない。

でもって事前に調べ、本家のマイクロソフト社が出しているSurface Laptopにすることにおおよそ決めていた。メモリは8G、保存に使うのはハードディスクではなくてSSDの256Gにした。有線LANも準備しなくてはならず無線しか設定のないSurfaceにアダプターも購入しなくてはならなかった。実際はほとんど無線でしか使用しないのにねぇ。

自宅に帰って、食事して落ち着いてからセッティングに入った。Windowsはどうなるかと思ったが顔認証やPINという認証設定は初めてでも他はMacによく似ていてそれほど戸惑わなかった。ていうか、このSurface Laptopというノートパソコン、MacのMacBook(ProやAir)に見た目も中身もよく似ているのよ。OSが違うだけでなんていうかMacBookを研究してパロったやろって言いたくなった。
 左と下がSurface Laptop、右が私のMacBookPro(光るリンゴがカッコいい)
ま、似ている分きっと使いやすいだろうとは思われ、パソコンが初めてのチッチもすぐになじむだろう。

ちなみに現在私の使っているMacBookProのスペックはメモリもプロセッサーがこのSurface Laptopとほぼ同じと気づいた。購入したのは4年以上前だ。だから未だにへたることなく使っていられるのか。当時はやや上等なスペックと思っていたがようやく世間並になった。でもまだしばらくはこのスペックでもネットやワープロ、プレゼンソフト、写真管理などが中心だから十分だ。

でもいつも思うがパソコン買ったその日は疲れる。Officeをインストールし終わる頃にはチッチは居眠りし私もぼうっとして来た。うむ、今夜はこれくらいにしておこう・・。

2018年3月28日水曜日

チェ・ジウが結婚

また外来ネタ。診察したのは食物アレルギー発作で来院した中年女性だったが、カルテ記載に「自分でうんていをして来た」と書いた。これを見て付きの看護師は「雲梯をして来た?」と笑った。その様子が脳裏に浮かび思わず笑ってしまった。「運転して来た」が正しいのは言うまでもない。

夕方、杖摩MRが来て韓国のK-POPが好きだと聞き、私も昔韓ドラに大いにハマっていたと話が弾んだ。彼女によると訪問先の男性Drで韓ドラが好きという人に会ったことがないという。へー、うーん、そうかもな。私も韓ドラで盛り上がる男性Drはあんまし記憶にない。たいていは中年女性の看護師か患者さんで医師でもヒラメグDrのような女性医師だけだ。今夜も近くにいた眼科の尾雪小松女医も「母と妹が韓ドラハマってます。私はたまーに見るくらいで」と少しだけ話題に乗ってくれた。

私がハマったきっかけのドラマはご多分に漏れず冬ソナで、ちょうど今日その女性主人公のチェ・ジウが一般男性と入籍したというニュースが流れてきた。へー、そうか、やっとだな。もう彼女も42才、かなりの年増だ。女優として活躍したいと思えば結婚はどうしても遠慮がちになる。男尊女卑の風習が強い韓国ではなおさらだ。そもそも結婚でしとやかな妻を務めるのは女優とは相容れないことだ。結婚し一時仮引退のようにして出産など一区切りしてから復活する女優もいるにはいる。しかしその時自分に女優の需要があるか誰も保証できない。ゆえに結婚に二の足を踏み超晩婚になる。結婚に踏み切ったとは、冷たく言えば、女優としてチェ・ジウは薹(とう)が立ったといえるのかも。ドラマでは散々結婚や婚約をしてきても実生活ではとんと縁がない、女優とは因果な職業やな。

2018年3月27日火曜日

アレンドロン

4階病棟の看護師ハムジン君から連絡があった。「先生、XXさんに処方漏れがあります、アレンドロンですがどうされますか」と。「アレンドロン」とは先発商品名「フォサマック」の一般名で骨を壊す細胞に作用して、骨の吸収をおさえることにより、骨量を増やす働きのある骨粗鬆症の薬だ。他病院から処方されていたが寝たきりでもあり私はもう飲むメリットもないので中止してよいと思った。

「ああ、もう飲ませなくてもいいんじゃない。お腹いっぱい、太陽がいっぱいだ」
「は?お腹がいっぱい・・あはは」
「あほ、太陽のほうだ」
「???」
「なにせ『アレンドロン』だからな」
「あーあ、聞いたことがあります」

と言うので、まだ30才そこそこなのにお前知っているかあのフランスの有名俳優をと思ったらこう答えた。

「『太陽にほえろ』ですか」

「ばっきゃろう!『太陽がいっぱい』だっ、主演がアロン・ドロンのなっ」

ここまで言って「アラン・ドロン?あー、そういえば何か聞いたことがあります」だってさ。

我々世代でアラン・ドロンと言えば知らない人はいない。その名も30年も経てば遠くなりにけりだった。

2018年3月26日月曜日

引き返して憩室

憩室出血が疑われ絶食点滴中だった高齢女性患者村正さんに再度大腸内視鏡を実施した。今度こそは出血源憩室を見つけてやると意気込み、1時間近く全大腸の憩室をあら探しした。具体的には先端フードで憩室を吸引反転刺激し出血を来たさせるか、露出血管を見つけるかだ。出血は本来ない方がいいのだが出血がないと出血源憩室を特定するのは難しい。だが結局、犯人は見つからなかった。S状結腸に憩室がたくさんありその辺りにあるのでは?と何度か見直したのだがなあ。

本人、家族に説明しとりあえず食事開始OKとし数日は経過観察する方針を伝えた。もし、また再下血あればその時はすぐに内視鏡を突っ込むとも。

夜、高速で帰宅途中、病院からスマホに連絡があった。「先生、村正さん下血しています!」だって。おお、出たか。「もう自宅近くなんで一旦帰宅し夕食大急ぎで摂ってからすぐに引き返す」と返事した。普通の人なら「なんで夜に、しかも帰る途中に呼び戻されるんじゃ」とぼやくところかもしれない。しかし憩室出血治療界ではこれは大いなるチャンスなのだ。

帰院後、前処置なしでさっそく大腸内視鏡挿入した。案の定腸管内は血液だらけだ。しかし横行結腸、奥の上行結腸は血液付着が少なくどうも下行結腸以下に出血源はありそう。よーく見れば下行結腸の脾弯曲近くに新鮮な血餅があり犯人の居場所は近いぞ。すると新鮮血の流れがあった!フードと注水で確認するとかなり小さな憩室から出血しているのが見つかった。やった、これで勝った。見つかればこっちのものなんだ。しっかし、出血なければ極小の憩室でとても露出血管がそこにあるとは分からない。クリップで目印し内視鏡室を入れ替え結紮ゴムで縛り上げ止血した。(下が出血している様子)

ところがうまくいったかと思いきや、実は最初の目印クリップを一つ隣の憩室に掛けてしまいわずかに出血源からずれていた。うわわ、この手技を始めたころの数年前にこの手のミスをしたことがあったが今回はちと喜びすぎたか。スコープを抜いて改めて掛け直しどうにかうまくいき事なきを得た。ふう。こんな小さな出血でも動脈出血だから体の血液が半分くらいになるほど危ない病態なのだ。この患者さん、1月2月今月と何度も下血を繰り返し輸血までしたので今回の止血術成功は本当にほっとした。憩室出血治療は1回や2回であきらめたらあかん、今回も粘り勝ちやったなあ。

2018年3月25日日曜日

滅多にないシーン

朝、ちょろっとセンバツ高校野球を見つつ外出した。高知の明徳と千葉の中央学院の試合で前半リードしていた明徳が8回にエース市川の突然の四死球4個で同点に追いつかれさらに2点入れられ逆転された場面まで見ていた。明徳は四国大会を制し神宮大会で優勝もしていて今大会も優勝候補なんだが・・。さすがに2点差はきついかと思って帰宅すると、なんと9回裏に逆転3ランホームランで7ー5で勝っていた。うひゃー!

この試合、ビデオ録画をしていたのは我ながらえらかった。9回裏は2アウトランナーなしからヒット、死球でそれまでヒットが全く出ていなかった4番打者に回ったのがよかった。やや甘い直球を振り抜くと打球はバックスクリーンに。サヨナラホームランも珍しいのに逆転が付くのは滅多にない、事前に購入している公式ガイドブックによるとセンバツの歴史でもこれが4回目になる。

記憶に新しいのは2004年に初出場初優勝をした愛媛の済美が準々決勝で東北相手に9回裏に2ー6で負けていたところ、2点返し4ー6でランナーなしからヒットが続き3番高橋が逆転3ランを打ち7ー6で勝った試合だ。なぜかこの試合東北はダルビッシュではなく眼鏡の真壁が投げていてホームランの打球を外野から見送るダルの姿が印象的だった。

今回はNHKが大会直前にテレ朝の「高校野球芸人」を真似たような「センバツ高校野球 春の熱球スペシャル」ってのをやっていて、冒頭にその試合がミラクル名勝負として紹介されていた。まるで今日の明徳対中央学院戦を予習したかのようだ。おっとその番組も途中で寝てしまって最後まで見ていなかった。それもビデオ録画してあるから大会期間中には見ておこう。高校野球ファンとしては楽しい時期がやって来たわい。

2018年3月24日土曜日

じじいにたじたじ

外来に真っ赤なパーカーを着た高齢男性セブンスさんが来た。一目で広島カープファンだと分かる出で立ちで診察もそこそこに「広島ファンなんですね」と上から下まで眺めた。診察が終わって「ちょっと見せて下さい」とシャツの中まで見ると、これがめくってもめくっても赤色のカープシャツ。びっくり。奥さんが「全部なんですよ」と苦笑いしていた。キャップも当然カープだ(マークが外れてしまっているのはご愛嬌)。


いやはや今流行のカープ女子ならぬカープ爺さんか。でも「20代のころから」と聞けば50年もの筋金入りのファンでそこらへんのにわかファンとは違う。カープも初優勝までの長い道のりに1980年代の黄金期はいいとして20年以上の低迷期とファンを続けるにはきつい時代もあった。それが今はカープ色に染まった服を着ても堂々としていられる。私なんかホークスファンとなって20数年、さしたるグッズも持っていないしとてもとても。筋金入りには敵いません!

今日は午後から久しぶりの土曜当直で夜はオマルさんと2子局を打った。これがうまく打たれた。本来のオマルさんの強さというか私の打つ手がいなされ比較的大きな石が取られそうになった。ただオマルさんもかなり無理な手を打っているので、唯一私に咎めるチャンスの場面があった。しかしそこを私は間違った。痛恨。直後に気付いて私は負けを覚悟した。結局2連敗。体調戻ったオマルさんはやはり強敵だった。

ううむ、爺さんらにたじたじの今日であった。

2018年3月23日金曜日

AMR、いきまぁーす!

家族の薬を取りに青雲会病院近くの「ささやか」薬局に出向くと受付に田穂賀奈々さんという初めて見る女性がいてそこそこに綺麗な人だった。どうもここの薬局は顔採用じゃないかと思える。美形率が高い。以前、ザワワ社長にそうじゃないのと尋ねたことがあったが「いえいえ」と否定していた。ううーん、おかしい・・。

オマルさんがまた再入院してこのところ体調が戻ったようなので囲碁対局をしてみた。私が2子のハンディをもらってであったがやられてしまった。前回入院時は私が大きく勝ち越していたのに、攻めがきつく、またねばりもあった。あれれ、かつての強さが戻ってきているみたい。まあ4子、3子とハンディが減っていっても2子ではそうそう勝てるはずがないんだ。やっぱり前回は体調不良のせいだったんだな。

厚労省からの「抗生物質・抗菌薬への薬剤耐性(AMR)対策」チラシを目にした。病原菌などが変化して抗生剤が効かなくなることをAMRというのだそうだ。それはいいが、左側に漫画が描かれていてこれが機動戦士ガンダム。そう、主人公の有名な台詞「アムロ、行きまーす」をパロって「AMR、いきまぁーす!」としたものだ。
確か朝ドラの「あまちゃん」でも主人公の天野アキが好きな種市先輩に向かって「あまの、行きまーす」とたき火している先輩に向かうパロディシーンもあった。AMRがアムロって読める連想から誰かがアイデアしたものだろう。まったくツマラナイ・・って言うのは簡単、でもその効果が出ている。だって私がこうして話題にするくらいだから。

2018年3月22日木曜日

いつの間にか子どもらは

今日は午後早帰り予定で午前の仕事を急いでいたのだが、こんな時に限って下血患者がやって来る。緊急大腸内視鏡をし憩室出血だろうとは分かるも出血部位は分からない。しかも血液と糞便がまだ残り、ここは絶食点滴でいったんあきらめるに限る。この患者さんはついこの間も下血で入院し結局出血源不明で一旦退院となった。今度こそは突き止めてやるぜい。

午後はカールとあちこち出向き忙しく立ち回った。夕食はすき焼きでテルは「得意技」といってコップを口にがばっと入れ込むことをやっていた。なんじゃそりゃ。

テルは私に似てアルコールが弱くこのコップもお茶が入っていた。確かセージも弱かったが、チッチは少しは強いようでスーパードライを飲んでも少し赤くなる程度。

でも気がつけば子どもらみんなお酒を飲める歳になった。親子で酒を飲み交わすのが夢なんて世間の父親はよく言うが、私の場合は「ほう」と眺めるだけやったネ。

2018年3月21日水曜日

ゲンちゃんの敵とは

先週、帰郷しすでに戻ったセージに続いて今日はテルが帰ってきた。チッチは先月からいるのでこの春は子どもらが帰郷し親としてはうれしい限りだ。みんな帰ってくるとまずはゲンちゃんを抱っこしたっりほおずりしたりが定番だ。
ただ、テルのそれはゲンちゃんにとってイマイチらしくなかなかに迷惑そう。テルは最初に見つけて拾ったのは自分という自負がある。正式名「源之丞」と名付けたのもテルだ。今のゲンちゃんがあるのは自分のおかげってね。でも私たちのみたところ家族で一番嫌われているのがテルだ。ちょっと激しいんだよな。しかも嫌がっているのに追いかけるんだもん。いつもの隠れ場所のビデオ置き場裏側に引きこもっても強引に引きずり出す。
まったくネコ迷惑なこときわまりない。結局、隙をみて冷蔵庫の上に登り一息ついた。ただ、それでも「おーい、ニャンタロスぅ〜」と関わろうとするテルに思い切りネコパンチで応戦するゲンちゃんだった。

2018年3月20日火曜日

安物買いの銭失い

「安物買いの銭失い」ってことわざあるよね。最近私が経験した銭失いは「歯間ブラシ」だ。今まで小林製薬のブラシをたまに買って歯間のちょっとした食べかすをこれで取ってすっきりしていた。40本まとめて姶良のコスモスで400円台だったと思う。
しかし某メーカー(歯磨き系の名の知れた会社)の同じ細さの40本入りが100円も安かったので買ったのさ。でもー・・。見た目も似ていているのにこっちは使うとすぐに中折れしてしまうんだ。おいおいこの役立たずって言いたくなるよ。

たまにはポキッと折れて残った基礎部分でゴシゴシすることもあるくらい。それをすると歯間にハマってこれまた大変。結局また小林製薬のを買い直す羽目になっちまった。まさに今日のタイトルそのものってわけ。でもメーカーブランドといい、デザインといい遜色ないからまずは信用するってばー。反省。

2018年3月19日月曜日

医師と未婚率

医師国家試験の合格発表が報道されていた。私の出身の鹿児島大は130名受けて117名合格の合格率90.0%で、まずまずだなと思ったが全体の合格率が90.1%(国立大91.2%、公立大93.3%)でごく平均的な結果だと分かった。私の卒業時は鹿大は国公立で一番合格率が悪く(確か80%を切った)南日本新聞でも相当叩かれていた。そこから大学当局も学生に対し指導強化があってまずまずの成績になっているようだ。驚いたのは私立大学の合格率が90.2%もありほとんど差がなくなっていること。私立は合格率が受験生や世間の評価につながることから受験生を絞り、留年や卒業延期などの処置をよくやるのだがそれでも30年前より遥かに上昇している。医学部人気のおかげで偏差値50台でも入れた大学が全くなくなり相当難化した影響と思われる。

国公立、私立のそれより全体合格率が少し下がっているのは認定及び予備試験などを経由して受験する学生の合格率が40%台と低いせいである。私の知人Drの娘がハンガリーだか東欧の医学部に入っていていずれ日本の国家試験を受ける予定という。海外の医学部はすべて英語で授業で学年ごとの進級も難しいらしいが可愛い娘をわざわざそこまでして送るとはそれだけ国内の医学部が難しいということだろう。

そんな中、福岡にある大学を卒業したばかりの知人Drの娘が合格したとの連絡も今夜あった。それはめでたい。今回は合格者の女子の割合は34.0%とかなり高い。私らの頃は20%あったかどうか。今世紀に入って女子は30%を切ったことがないそうだ。一方で女性医師のキャリアアップの問題(育児に伴う研修、研究の困難さ)は依然として残されている。結婚をあきらめる率も高く生涯未婚率は約35%と国家試験の合格率とほぼ同等だ(一般女性は約10%)。ま、キャリアアップと子育ての両立困難だけでなく、日本の女性の場合、経済的自立率が高いと逆に結婚率が下がるという皮肉な傾向があるのでなおさら結婚出来なくなる。女医は結婚に関しては3倍以上難しくなる。蛇足だが、一般男性の生涯未婚率が20.1%なのに男性医師の場合2.8%とぐっと結婚しやすくなる。こと、結婚については女医は敬遠され男医は狙われる。これは医師を目指す学生は知っておいた方がいいかも。

2018年3月18日日曜日

鮎川哲也「憎悪の化石」

鮎川哲也「憎悪の化石(昭和34年:創元推理文庫)」を読んだ。
私が生まれた年に上梓された作品なので古くさくて取っつきにくいかと思っていたら、予想外に読みやすくサクサク朝に読み始めて夜には読み終えてしまった。巻末の山口雅也氏の解説が素晴らしく17才の時に鮎川作品を知りハマっていった体験とその後の冷静な評価が読者をその気にさせる。一言でいえばアリバイリックの作品でしかもそのトリックが2つもある。最初ので終わりかと思っていたのでこの展開は意外だった。時刻表そのものが出てきてこんなのは横溝正史には絶対出てこない。そう、昭和34年と言えば前年に松本清張の「点と線」「ゼロの焦点」が出て清張ブーム、社会派推理小説ブームが起きていた。それとともに正史は作品を書けなくなってしまう。鮎川は本格推理派を基本に社会派の味付けもあり寡作ながら良質の作品を提供していくのだ。

読んでいて時代を感じさせることがいくつかあった。まず冒頭の結婚を控えた女性が劇場で飛び降り自殺をする理由が現代なら何でそれくらいでと思える。またタバコを吸う描写がやたら多い。鮎川はきっと愛煙家だったに違いなく、「こうしたときに一服するタバコの味はとてつもなくうまい」とか、「肺の中に染みわたる味がたまらない。禁煙を叫ぶ人たちには分からないだろう」などとタバコ礼賛というような描写もある。さらに、この作品のキモであるアリバイトリックの解明が実はその時代の事情を知らなければ気がつきにくいことだ。鬼貫警部が気がつき部下にヒントを与える場面は、実は作者が読者に「さあ考えてごらんなさい」と挑戦状を出しているわけで私も答えをじっと考えた。でもどうしても分からない。鬼貫警部に指摘されてみてとハタと理解するも、思わず「今だったら違うだろっ」と口走ってしまったよ。

しかしこの作品と同年の「黒い白鳥」とで昭和35年の第13回日本探偵作家クラブ賞(現日本推理作家協会賞)を受賞するだけの本格的な作品であることは間違いない。ちなみに昭和23年の第1回は横溝正史の「本陣殺人事件」でこれは金田一耕助が初登場する作品でもある。どっちがいいかって?味わいが違うので評価は分かれるとは思うが横溝正史フリークの私はやはり「本陣」に軍配を上げる。動機に時代を感じるがトリックやミスディレクションの秀逸な点は今読んでも素晴らしい。昭和30年代忘れ去られた作家であった横溝が約20年後に一大ブームを起こしたのはちゃんとした理由があったのである。

2018年3月17日土曜日

ゲンちゃんいじり

ソファで気持ちよく寝ていたゲンちゃんをチッチがいじり始めた。災難なゲンちゃんだがそこはかわいがられるために生まれ来たネコちゃんの宿命、多少は我慢しないといけない。
お腹や下あごをなでなでされると気持ちもいいんだねぇ。
でもあんまりいじられすぎるといくらネコでも煩わしくなってしまう。ひとりにさせといて!
そしてまたうたた寝をするゲンちゃんでした。ちょいとブス顔になっちゃているよ〜。

2018年3月16日金曜日

槍ヶ岳髪

うわ〜、またオマルさんが入院になった。確かに先週の退院はまだ早いかなという気はしたが自宅でも体調が戻らなかったようだ。この様子では囲碁の相手はしばらく出来そうにない。まずは治療に専念してもらわねば。

隣の部屋には有優Nsの娘の広池さんがいてのぞきにいくとこちらは体調がよくなっているようで絵描きや編み物の一種をやっていた。一目でオオカミと分かる作りでうまいもんだなと思った。
こういったセンスって生まれつきかな。アメトークでも「絵心ない芸人」とか何とか画伯と揶揄される芸能人などは実物に似せるセンスがまるでない。私もそっちの類いに入る。カルテに患者の顔とか全体図を描くとたいてい看護師たちに笑われる。対して整形外科のケンケンDrはうまいね。日ごろ描く機会も多いということもあるだろう。

新聞のチラシに医学部予備校の大手「メディカルラボ」のがあって、その情報研究所所長山本雄三さんという人の髪型に目が行った。怪しい、とっても怪しい髪型だ。そしてパッと閃いた。「槍ヶ岳」・・そうあの日本百名山、登山愛好家あこがれの山、槍ヶ岳の山頂にそっくりじゃないの。そこでいつも手元においてある「日本百名山地図帳」の表紙写真と並べてみた。うふっ、まさに槍ヶ岳だ。生徒に自分の髪を指し「てっぺんを目指せ」とでも言っているのかな(笑)。

2018年3月15日木曜日

降段

また救急の話だが、高齢女性で「血圧が低くて力が入らない」症状という連絡だった。最初に浮かぶのがトイレに行った後に一過性に低血圧を起こすパターンかなと思ったが、これが採血をしてびっくり、ずっと重症で放置していたら死ぬこともありうる病態だった。点滴その他できちんと指示をしたから大丈夫だとは思うが、いやー危ない危ない。見込み捜査ってやはりダメ、きちんと証拠を挙げ真犯人を挙げなくちゃ。

夜はネット麻雀をした。それが・・ハンドルネーム「こてる」はラスを引き、とうとう五段へ降段した。開けたいゾMRも七段から六段、今は五段に落ちたが人のことを笑ってはおられないわ。サブアラド六段はまだ頑張って平均より上にいて七段を窺っている。打ち筋を見てもきちんと打っているのが分かる。自分はまだ甘い打牌が多くそこを突かれラスを引くことが多い。今月は麻雀に集中することができずしばらくは五段をチマチマやるか。でもじき上がるぜ、ここでくすぶっている雀士「こてる」じゃないからな!

2018年3月14日水曜日

変顔選手権

今夜は当直。33才で東南アジア系女性が救急車で運ばれて来た。事前に聞いた症状は「腹痛」と「過換気」だって?おいおい、昨日のことはまだ忘れてはいないぞ。慎重に慎重に。

でも、あっさり普通の過換気症候群だった。だからおおかたこのパターンが多いんだ。昨日の2件はまさに例外、しかし常にそれを頭の片隅に入れておかないと強烈なしっぺ返しに遭うってことだ。

ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」は50ページほど読み進めた。亀山郁夫訳の2006年出版だから比較的新しい訳で読みにくさはほとんどない。父親のフョードル、長男のミーチャ(ドミートリー)、次男のイワン、三男のアリョーシャ(アレクセイ)について人物紹介の形で書き進められていてまだどこが面白くてどこがすごいのかよく分からない。

そうこうするうち、ネットでたまたま推理作家鮎川哲也の「憎悪の化石(1959作)」が面白いという評判をみてそれをamazonで注文してしまった。どうも「カラマーゾフ」は大作だと知っているのでまだ集中して読み進める気力がないようだ。まあ、10年近くも本棚にほっといた作品だから慌てて読む必要はない。世界的名作ゆえ、気楽に読んでいけば何かスイッチが入って我を忘れるくらい没頭するかもしれない。ぼちぼち。

この前、長年外来、当直、手術室など勤務していたネークチダ君が退職した際、記念写真を撮った。ちょうどニッシNsの息子も来ていて3人で変顔をしたら、「さすがのぼくもこてる先生には負ける」と言っていたとか。みんな似たような上目遣いの変顔で別段私だけが変すぎることはないぜよ。でもみんなの一致した意見が「こてる先生の勝ち」だったらしい。そーーかなぁ。



2018年3月13日火曜日

軽い症状なのに怖い病気

3月に入って健診検査を当院職員にも行っている。

胃カメラは35才以降の職員に実施しているが、今日は生まれ初めて受けるというリハビリスタッフのかしましさん35才、検査台に横たわっている時から緊張感ありありのお顔で、「最初少しだけ鼻の穴が痛むけど大丈夫、すぐに慣れるから・・」といつものトークで経鼻内視鏡を挿入するも硬い表情は解けそうもない。内視鏡は食道の下に来たばかりなのに「痛い、痛い」を連発し、十二指腸に入ってまだ胃も観察しないうちに「もう終わり?」ときて「いや、まだだよ」と言うも「痛っ」とちょっとした動きに反応していた。あんましこのような発声をされると検査しにくいが、そこはベテランの私、「大丈夫だよ」「心配しなくていいよ」との掛け声をしつつきちんと観察をしていった。胃も終わり、残る食道を抜きながら観察時は普通はもう痛がらないのにそれでもまだ「痛い、痛い」と言うのにはさすがに閉口した。こりゃいくら痛がらせないように操作しても無理だったわと思いつつ抜き終わったところ、かしましさん「先生、上手でした!」だって。思わずずっこけそうになったぜ。 こんな胃カメラ初心者の言う「痛い痛い」は本当に鼻腔や胃が痛いのではなく「心が痛い」なんだな。経鼻内視鏡は基本鎮静剤は使わないのでそこを汲んで対応していかなきゃと思った次第。

今日は見かけの症状や検査データにダマされてはいけないケースが2件あった。

一人は20代女性で昨日インフルエンザA型と診断されていたが過換気症候群で救急車搬送されてきた。脳外科のポンシンDrが診察に当たったところ、動脈血ガスが異常な値を示した。私にPHSで連絡があり「pHが7ちょうどくらいのすごい代謝性アシドーシスなんです」で原因はなんだろうとアドバイスを求められた。いろいろ尋ねてみたがすぐに原因病名は浮かばない。ただ「血糖はいくらですか」とは尋ねた。すると、それは調べていないとのこと。1時間後くらいにその後の情報を聞くと、この女性、なんと放置されていた糖尿病だった。血糖が600以上、HbA1cも16という信じられない高値で糖尿病性ケトアシドーシスという怖い病態だったのだ。このまま何もせず数日放置されれば命にも関わる。結局、鹿児島市内の糖尿病専門医のいる病院に依頼し救急転送となったとのこと。単なる過呼吸だとかインフルエンザの影響だろうと思い込んではいけなかった。

もう一人は夕方に来た施設入所の高齢女性。急に嘔吐したので職員が連れてきた。私が診て触診の後に腹部レントゲン撮るも特に問題はない。入院するほどでもなく点滴、鎮吐剤注を行い終了後帰ってもらうつもりだった。18時を過ぎ「今日はボウリング練習もあるな」と思って外来から医局に戻ろうとしたら当直の井雄看護師が「先生、点滴の患者さん、どうもおかしいです。診に来て下さい」と言う。こんな時には看護師の言い分を尊重した方がいい。彼女、彼らもDrにお願いする時はそれなりに考えた上で意を決して頼んでいるのだ。行ってみると帰るために車椅子に座らせるも意識がなく、それに呼吸をしていない。元より会話が出来ない人だったが揺すっても叩いても反応ないんで「すぐに気管挿管!」と挿管チューブを入れ緊急用の人工呼吸器につないだ。おかしい、これが単なる腹痛や嘔吐であるはずがない。私がまず思ったのはくも膜下出血だった。とにかく頭部CTを撮らねば。CTを撮ると当たらずといえども遠からず。小脳出血でそれもかなりの量だった。ポンシンDrを呼んで家族に説明を頼んだが、手の施し用がないほどで、入院させるも数日くらいしか持たないらしかった。

いやー、あのまま嘔吐のみで帰さなくて良かった。見かけの症状だけで即断してはいけない。今日の2症例は最初の思い込みできちんと診察しなければ死に至る点で医者が後で「怖い」と思う病気の典型だった。

2018年3月12日月曜日

裁くとは

週刊現代の「裁判官よ、あなたに人がが裁けるか」シリーズで3月3日号は以前私がネタにした「東住吉火災事件」(2017年12月19日「時間が止まった私 」)が取り上げられていた。これは娘を内縁の夫と殺して保険金を巻き上げたという検察の思うようなウソのストーリーを全く見抜けず有罪にした裁判官を断罪している。供述調書を1通目、2通目と読み込めば検察の背後の事情を読み取れるはずだが思い込みと安易さでクロと決めつけている。中にはひとり反対意見を出した滝井繁男氏もいたが反対意見は陽の目をみなかった。滝井氏はその意見を世に出そうとするも70才の定年が近づき反対する調査官に押しきられたという。冤罪は晴れたけれど結局20年という時間を刑務所で過ごす羽目になった。失われた時間はもう戻せない。

3月10日号では有名な「徳島ラジオ商殺し(昭和28年発生)」が取り上げられている。これは外部からの侵入で殺された今で言う電気店主の犯人を証拠不十分になったヤクザの代わりに検察が「無能な警察の代わりに犯人を挙げる」と大見得を切り、思い込みと焦りで内部犯行説として内縁の妻を犯人に仕立て上げた。住み込み店員2人を長期拘留しでっち上げストーリーに合うような証言を供述させている。その「おかげ」で有罪となった内縁妻は上告するにもお金が続かず懲役13年の刑が確定したのだった。その直後に店員らは「検事に強要されて偽証した」と告白したり、真犯人を名乗る人物が自首するも不起訴処分になるなどおかしな裁判であったことを示すエピソードがいくらも出てくる。内縁の妻は獄中から再審請求を続けた受け入れられず、仮出所後も続けるもついに1979年に腎臓癌で亡くなってしまう。その後姉弟が受け継ぎ再審請求がなされ、1980年再審決定後の1985年についに無罪判決が下された。無念は晴らせたが普通に過ごせたはずの人生は戻らない。

ただ、この件で無罪判決を下した当時新任の裁判官はそれまでの裁判を見ていて、また訴訟資料を読み込み、1978年には「これは冤罪だ」と確信していたという。マスコミもうるさいし迅速に進めようと裁判長とも話していたそうだが、再審決定まで2年半を要している。いやはや、裁判って時間がかかる。五次訴訟だか六次訴訟だかでようやく再審だからもっと早く受けていれば冤罪者も生きて汚名を晴らせたろうに。

今、鹿児島でも1979年の大崎事件が再審で話題になっている。これも真実は知らないが警察や検察の間違いであっても何ら不思議はない。選挙運動がらみの志布志事件(2003年)は明らかに警察の思い込みの誤認、強制逮捕だった。最近では17才少女強姦事件で罪に問われていた男性の控訴審判決で、懲役4年の実刑を下した一審判決を破棄し、福岡高等裁判所が逆転無罪を言い渡した。男性は、捜査段階から一貫して無罪を主張していてその証拠となるべき女性の体内に残された精液に関して警察と検察は「DNAが微量で型の鑑定はできなかった」としていたが、第一人者のある大学教授に鑑定を依頼したところ、簡単にDNAが抽出されただけでなく、男性とは別の人物のDNA型であるという結果がでたのだ。つまり、警察と検察は男を有罪にするために「精液のDNA鑑定ができなかった」と捏造していたのである。しかも、DNA鑑定以外にも、捜査の過程で様々な証拠隠蔽疑惑が浮上しており、さらに、捜査段階の鑑定を担当した県警技術職員が数値等を記したメモを廃棄していたことまで判明し、冤罪であることは明らかだった。

おそろしい。捜査権を持っている側がこのような思い込みと強制を行えば犯人でっち上げが簡単に出来てしまう。だ・か・ら、裁判官は公平な姿勢を崩さず、時には警察、検察でさえも疑うくらいの冷静さを持たねばならない。裁くとはそれくらい重みのあることなのだ。週刊誌がうるさくともそれくらいは屁でもない。冤罪で人生を狂わされる罪なき人を生んではいけないのだ。

2018年3月11日日曜日

モス、モス、幾島

地元ゆえにNHK大河ドラマ「西郷どん」鑑賞は欠かせない。今日は見所がいっぱいあったが、一番可笑しかったのが、篤姫の世話役幾島演じる南野陽子の「もす、もす、もすばっかり」だった。斉彬公を前に庭番の西郷と篤姫が語尾に「・・もす」「・・もす」を連発するのを下にらみにし「もす(ですって)?」とつぶやき、先ほどの台詞になる。そして「このままでは(大奥に入るのに)先が思いやられる」とぴしゃりと言う。

これが視聴者には受けたようで、ネットでは「イライラする幾島が最高」「インパクトが強烈すぎる」「もす、もすが面白すぎた」とおもしろがる投稿が相次いだようだ。中には「モスバーガー食べたくなった」なども・・。

「西郷どん」の視聴率は14ー15%くらいで前作の「直虎」よりはいいものの大ヒットした「篤姫」は25%はありそれと比べればかなり低い。「篤姫」は幕末物はたいてい当たらないという定説を破ってBS放送やビデオがない時代の幕末大河より視聴率が良かったというある意味特別な作品だから比べるのが酷な気がするが、個人的には「西郷どん」の方が面白く感じる。「篤姫」でもみられたように史実を多少いじってでも登場人物に動きと絡みを持たせているし、逆に複雑な幕末の動きは分かりやすくしている。

西郷隆盛の人生は篤姫以上にドラマチック(心中、流罪、同盟、攻撃、下野、反乱などなど)だから今後も目が離せない。毎週日曜夜が楽しみだ。

(最近、業績が振るわないというモスバーガー、いっそ薩摩言葉を使ったCMをやったら流行るのではと思いモス!)

2018年3月10日土曜日

ブラタモリが鹿児島に

NHKのブラタモリで鹿児島が特集されていた。「西郷どん」の番宣目的もあるだろうが、このところNHKの鹿児島びいきには頭が下がる。鶴瓶や旅歩きや英雄たちの選択や何でも鹿児島に結びつけてくれている。今年の鹿児島への観光客増加は必至だろう。

番組冒頭、タモリが鹿児島弁で「さっきアンタ 空港に着いた時は 雨が降って桜島も全然ダメだって」と見事なイントネーションで笑わせていた。さすが四ヶ国語麻雀で世に出たことはある。タモリは浪人時代に短波放送で中国や韓国語を長時間聞いて過ごしたとかで意味は不明だがいかにもそれらしく聞こえる言語を話すテクがすごい。

ブラタモリのテーマは地質学が基本ゆえに鹿児島はシラス台地と石の話題が中心だった。鹿児島の中心にあった大きな火山が大爆発し火砕流がシラスとなり、大地が陥没し今の錦江湾湾奥になったのが姶良カルデラで、2万9千年前というから地球の歴史からすればそんなに昔のことではない。ほんのちょっと前だ。桜島はその3千年後の火山活動で出来た新しい山とのこと。

一行は城山に登り展望台から市内を眺めた。かつての薩摩藩の武士の集合場所「曲輪(くるわ)」でそこは私にとっても大変懐かしい場所だった。小学校の時毎日曜朝にここに集合しラジオ体操をするのが決まりで百回以上来ている。ある画面ではかつての自分の家があった場所もぼんやり写っていた。(のあたり)

石灯籠(土地名「いずろ」の語源)のあった場所や高見馬場のわずかな坂、加治屋町など自分が住み、今でもよく行くところが出てきて「あ、ここ、そこも」と何度も声を上げてしまった。今回、甲突川は流れが今にところに江戸時代に変えられ私のかつての家は旧甲突川のあった付近と知った。

地質と地理と歴史を融合したプチ教養番組「ブラタモリ」は面白い。

2018年3月9日金曜日

ストレス夢

サブアラドDrと電話で話をしていて、悪夢というかよく見る夢が話題になった。私は昔、大学受験の夢をよく見た。だいたい高2か高3くらいの頃で受験まであと時間がないのに数Ⅲを全く勉強していない!といった夢が多かった。ハッとして目が覚めてすでに自分は医学部の高学年になっていることに安堵したものだ。医師国家試験の夢は見たことがないからそれだけ大学受験の方がストレスになっていたのだと思う。

するとサブアラドDrは「オレはねえ、ベンツを盗まれる夢をしょっちゅう見ていた」と。医師になってしばらく、父親のお下がりのベンツをもらった時に「ベンツは盗難に遭いやすい」と言われたのがまるでトラウマのようにその後盗難夢を見るようになった。どこかの店から出てくるとそこにあったマイ・ベンツが無くなっている・・。最近でこそ見なくなったけど合計20回以上は見た気がするんだって。私は自分の車が事故に遭いそうな夢は見たことあるが盗まれる夢はついぞ見たことがない。

夢は深層心理を現しているとはよくいわれる。私もサブアラドDrも受験やベンツの夢は最近は見ない。時間とともにそういったストレスを克服出来たのかも。いや、単なる時間という便利な忘却装置のおかげかも・・。

2018年3月8日木曜日

ジーマミーは地豆

昨夜は当直、当直室で寝る時にNHKBSを付けると「菜園ライフ」をやっていた。私は全く野菜作りをしたことないけれど、畑作りから種まき、ビニールシートの掛け方など具体的に動画で見せ、収穫で終わる番組でたまに見ている。1品種6分で10品種紹介されるようだが眠いのでたいてい4、5品種あたり経過したところで寝てしまう。今夜は途中から見てサツマイモ、落花生、大玉スイカ、リーフレタスまで見て寝てしまった。

サツマイモは当然知っている。でも次の落花生はある意味衝撃だった。花が落ちた部分から弦(芽)が伸びて地中に実がなるんだって?!土の中に出来るのかぁ。初めて知ったヨ。何だか空中に実が成るイメージだった。落花生という名付けもよく分かったわ。

最後にナレーションで「落花生のことを沖縄では『ジーマミー』と言いますが、これは『地豆』を方言で言ったものです」と知り、ハッと合点がいった。カールから落花生のことをジーマミーというと聞いて昔から知っていたのだが意味までは知らずよく忘れていた。でも漢字で地豆のことだと分かれば発音も意味もぴったしはまる。もう一つ、ヘチマのことを沖縄では「ナーベラー」と言い鹿児島同様食用になるが、これも私は覚えにくくてよくジーマミーと勘違いしていた。でもこれが「鍋洗い(ヘチマはたわしの代用になる)」から来ていると聞けば一発だ。沖縄の方言も結局は日本語なんだ。

昨日、今日といい方言ネタが続いているな・・ネムネム。

2018年3月7日水曜日

ごろ

水曜は外来担当で紹介患者も何人かいた。その中に90才を越える高齢女性患者がいたが紹介状の生活歴がやけに詳細で面白かった。

・・もとは鹿児島生まれだが父の転勤で各地転居し小学3年から終戦までは岐阜で育った。終戦後まもなく鹿児島は姶良郡某村の男性と結婚することになった。相手は12人兄弟の大家族な上に鹿児島の方言が全く分からず、姑や小姑、村の人から余所者扱いされた。しかも鍬や鎌など扱ったこともなかったため嫁いで間もなく坐骨神経痛になった。すると「ふじっごろ(怠け者)病」と言われるも意味が分からずニコニコしていたところ、「あそこん嫁はホがなか」と住民会議にかけられたという。「ホがなか」は「どうしようもない(アホ)」の意味だがそれもよく分かっておらずかえって助かったという・・

ああ、いかにも昔の鹿児島の農村に紛れ込んできた「余所者(よそもの)」の話だわぁー。「ふじっごろ」という言葉は初めて聞いたが「ふゆしごろ・ふゆっごろ 」のことで「不精者」の意味のようだ。何々ごろというのはその人を良く言わない時に使う代名詞で、西郷どんも島津久光公を「じごろ」=地ごろ=田舎者と呼んで不興を買い、島流しの憂き目に遭うエピソードがある。他に「飲んごろ=酒好き」「ばくっごろ=ばくち好き」「遊んごろ=遊び好き」「いやしごろ=喰いしいん坊」「いばいごろ=威張る人」「きれいごろ=綺麗好きどちらかとえば潔癖症の人」「ぬなしごろ=能なし者」とたいていは良い風には使わない。「つましごろ=倹約者」もどちらかといえばケチの意味に使われる。

ドラマ「西郷どん」でも鹿児島弁(薩摩弁)が跋扈して一般視聴者はかなり聞き取りづらいんじゃないか。でも雰囲気で分かる程度に話しているのでどうにかなるだろう。現実はうちのカールもデンコー父や田舎のおばさんの言う言葉が聞き取れずほとんど分からなかったそうだ。でもこの高齢女性のようにその方がいいこともままある。余所者に徹していれば「まこてどげんしょもなかやっじゃ」とあきらめてくれるでしょうよ。

2018年3月6日火曜日

勝負を決める力

午後は早帰りで銀行、散髪に寄ったあと家でゆっくりした。夜はボウリング練習がありチッチも連れて行った。

エリックMRは今日は不参加のはずだったが、飛行機で離島出張が新燃岳噴火による降灰のせいで搭乗直前に欠航が決まり参加と相成った。で3ゲーム練習のあと、2ゲームダブルス戦をやり、私とチッチのこてるチームとアンドキサ、エリックのMRチームで対戦だ。チーもこの間久々の練習をして200アップも経験したのでそこそこ投げられた。前回は多かったガターも1回だけでダブルス戦は接戦になった。10フレ1投目終了時点で私たちが2ピン差でリード。先投げでチッチが9ピン倒せば勝利確定だ。


うんがぁ、ここに来て失投気味の7ピン。149ピンとなっては相手にチャンスを与えた。ストライクなら逆転で私たちの負け。9ピンで同点。8ピン以下なら勝ちになる。ストライクは相手は出ていないので9ピン同点を覚悟したが・・。責任重大のアンドキサさん、がちがちでなんとヘッドピンを外して投げよった。4ピン残り・・いや後から2ピン倒れ8ピン、ぴったし1ピン負けでこてるチームの勝利となった。

この1投で勝負が決まるという場面では誰しも緊張する。普段なら9本くらいはたいてい倒せるのに7本8本となってしまう。緊張する場面で結果を出すには、基本的な投げ方を常に意識し大事な場面ほどそれを出せるよう練習をしておく。特にアンドキサ君は腕に力が入りリラックスして振り子運動をするという基本を忘れがちだ。基本の反復、やはりこれに尽きるのだ。

2018年3月5日月曜日

ワルイのはその治療器ですよ

この間の日記ネタ「兄貴刺す」のせいでその日のもう一つのネタを書くのを忘れていた。その日、ある高齢女性が意識消失で運ばれて来た。それが座る磁器治療器治療中、あと数分で終わろうとするころ意識を失ったという。下に落ちた物を取ろうとして頭を下にした姿勢が誘因だったようだ。救急隊到着時には意識はほぼ戻っていたがまずは病院へということでうちの救急外来へ来たというわけ。それらの情報だけでおおよそ「神経調節性失神」または「血管迷走神経性失神」だと推測できる。一過性の全般性脳血流の低下により引き起こされる一過性の意識消失で最近では「反射性失神」というらしい。結構多い病態でお年寄りに多いが誰にでも起こりうる。一応頭部CTやら心電図ほか検査をして特に異常なしだった。やはり反射性失神か。これならば入院は必要なく帰宅できる。

でもその磁器治療器って何だと尋ねると別の意味で問題があった。農協の施設にどこかの業者がその治療器を持ち込み、ただで高齢者相手に治療サービスさせているとのことだ。あは、そうやって取り込んで結局は何十万もするような効くか効かないか分からないような器械を「親切にしてもらったから」という温情につけ込み買わせる商売だよ。イヤだねぇー。ある看護師は「そんな器械だけでなく100万もする『高級羽布団』を買わせるのもある」「どうみたって10分の1もしないような値段で他で買えるのに業者の言いなりになってー」と言っていた。だいたい布団に100万もかける価値がある人ってそうはいないでしょ。でも親子や人間関係の薄くなった現代では過剰に親切にしてあげることで高齢者の信頼を勝ちえ商売に結びつける輩がいるんだ。そして首尾良く買わせたらいつの間にかいなくなってしまう。

少なくとも磁器治療器にウン十万も掛けても健康になる保証はない。それよっか病院に月に1、2回でも来た方がどれだけ体のためにいいかしれない。「おばちゃん、もうその変な治療器のところになんか行かないよ」と諭すように言ったら「もう二度と行かない」と答えてくれた。その磁器治療器が意識消失に結びついたかどうかははっきりしないが、この人の良さそうな老婦人が無駄な出費をしないのに役立てばこれくらいは言ってもいいかなと思ったヨ。

2018年3月4日日曜日

しんどかどクリニック、今日はしんどくはなし

川内のしんどかどDrからリハビリ内科クリニックの本日の日曜当番医を頼まれ新幹線で出かけた。非常勤勤務は基本的に親戚のスチョル、バタフジ両Drからしか受けないが、今回はしんどかどDrから直々に電話があり代診Drが見つからない様子で、日ごろから彼にはお世話になっていることもあり快く引き受けた。

電子カルテは青雲会病院のものしか使ったことがなかったので少し心配であったが、初心者よろしく看護師さんに教えてもらえば案外簡単でほっとした。

患者さんはそれほど多くはなかったが、看護師さんによると「いつもはもう少し多いです」とのこと。発熱や咳などの患者さんもいてインフルエンザかなと思って検査をしたけど一人もいなかった。中には聴診でどうも雑音が怪しいなとレントゲン撮ってみるとうっすら影がありさらにCTまで指示したら肺炎だった若い女性もいた。単なる風邪で済まさなくて良かった。このあたり日ごろ青雲で外来やっている経験が生きたかな。

夕方は東京出張から帰ってきたしんどかど先生も顔を見せてくれた。この前のアメリカ視察旅行でニューヨークにボウリングのラウンドワンが出来て盛況だったという話を聞いた。アメリカはボウリングの本場だけれどラウンドワンのようなゲームやスポーツなどレジャーランドを組み合わせた施設はなく意外に受けているんだとか。使われなくなった広大な施設をうまく利用してコストも抑えているとか、飽きられたら撤退するのも速やかにするらしいとか、さすがトップは医業だけではなく経営の視点もしっかり見ているんやね。

それにしても今日は暖かかった。鹿児島マラソンは雨で寒すぎても大変だがこんなお天気だと暑さにやられるかもな。どんどん春が近づいてきている。

2018年3月3日土曜日

「カラマーゾフの兄弟」に手を出す・・

土曜は朝外来、昼日直の終日病院パターンだった。わりに忙しくなくネットしたり仮眠とったりでこんな日もあっていい。

最近気になる本がいまさらだけどドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」だ。この間読んだ週刊誌の「我が人生最高の10冊」に作家の橘玲(たちばな あきら)さんが「罪と罰」を1位に上げていた。高2の時に停学をくらってしまい、家にあったその本を読んでドストエフスキーにハマったんだとか。当然代表作の「カラマーゾフ」も読み他「悪霊」など長編全てを寝ないで読み、ほとんど洗脳状態になったそうな。翻訳でさえこれだけすごいのだから原文で読めばもっとすごいに違いないと思い、露文科がある大学を調べると東大や早稲田など4大学しかなく、私立文系だった彼は早稲田に進むことになる。で、進学するとクラスにはドストエフスキーに洗脳されたクラスメートが半分くらいいたんだとか。わは。

橘氏は私と同学年で、確か1才下のあの齋藤孝先生も著書「語彙力こそが教養である」の中で「私は毎年、学生に『カラマーゾフの兄弟』を読んでもらうようにしていますが、読む前と後とでは語彙の水準がだいぶ変わるのが手に取るようにわかります。・・・人間理解力や読解力、読書体力という点でも大きく成長しますし、なんだか顔つきが変わるような気すらします。世界最高峰の超大作には、それほどの力があるのです」と述べている。昔の人でなく同世代もこんなに影響を受けている。

実は光文社文庫の「カラマーゾフの兄弟」全5巻を9年前に買って文庫棚のど真ん中にずーっと鎮座させていた。いつか読むだろう、もしかしたら子どもかカールが読むだろうでずっと置かれたままになっている。
手に取りやすいところに置いておくのが肝心で、でないと絶対に読む羽目にはならない。「カラマーゾフ」はいよいよ9年目にして初めて読むことになりそう。(お隣の飯島和一の諸作はまだどれも読んでいない)はたして、私の顔つきは変わるのであろうか?

2018年3月2日金曜日

防火ボウリングで金銀銅、いいのかそれで

夕方、国分に入り国分スターレーンへ向かう時、水平線の上に満月がぼうーっと浮かんでいてなかなか雰囲気が良くしばらく見ていたい気分だった。しかし防火ボウリング大会が始まるとあって写真もボケたままで移動せざるを得ず、すぐにボウリング場に入った。

防火ボウリング大会は消防署主催でダブルス2ゲームの大会だ。今回こてる会ボウリング部は5人しかそろわず後一人を誰に頼むか迷って宮砂糖Drに頼んだらOKだった。以前、彼から県のトリオ戦に私が誘われた時に都合悪くて断ったのに逆パターンは快諾してくれ頭が下がる。彼とはこれまで相戦うことはあってもチームを組むのはほとんどなかった。私はたいてい難ガターさんと組む。でも宮砂糖Drに来ていただくなら優勝は当然狙わねばってことで、私と組んでもらい、難ガターさんはサンシさんと組んでもらった。あともう一組はヤマヒロDrとアンドキサMRだ。宮砂糖はヤマヒロDrと同じ鹿大医学部の同窓生で初参加でも気を遣わずにすんだことだろう。

1ゲーム目、私はイージーミスがたたり163と凡庸なスコアで汗顔の至り。しかし宮砂糖Dr、さすがだねえ、2フレからのターキーを活かし215にまとめた。よしよし。これなら我ら青雲Aチームは優勝のチャンス十分だ。ライバルはというと青雲Cチームがサンシさんが好調で216、難ガター157でなんと私たちと5ピン差の接戦だ。ちなみにBチームはアンドキサ172、ヤマヒロ162でまずまず。宮砂糖Drのボールは最近流行りのモーティブ社の「パラノイア」というやつでこれがオイルが切れたらぐいぐい曲がる。あれ?昔は宮砂糖君より私の方が曲がったのにーと目を丸くした。ボールの違いは大きいなぁ。(左パラノイア、右が私のインフェルノブルーフレーム)

2ゲーム目、私も奮起した。いきなりターキー。4フレ目失投でスプリット出し減速するも次からダブルと盛り返した。宮砂糖Drも中盤5連続ストライクを出し、これで優勝はほぼ決まった。彼は個人優勝も間違いないと確信した。呼んで良かったぜぇ。しかしーである。今日のレンコンは微妙なところがあってミスショットするとスプリットが出やすかった。私は10フレでスプリット出し200アップに少し足りず、宮砂糖Drもなんと8、9、10フレとミスってしまったのだ。大失速である。チーム戦はそれでも優勝だったが、こつこつスペアとストライクを重ねたサンシさんが204の好スコアを出し宮砂糖Drの個人優勝は微妙だった。それが2ゲーム合わせて420のぴったし同点。え、同点優勝?

チーム戦表彰で優勝は無論青雲Aチーム、準優勝は青雲Cチーム、そして3位がなんと青雲Bチームと金銀銅独占してしまった。これは・・ちいとやり過ぎたかな。でもって個人戦が同点ではなく優勝宮砂糖Dr、準優勝サンシさんだった。あとで尋ねても主催者は説明できずボウリング場の判断だとのこと。きっとストライク数が宮砂糖Drが多かったからじゃないですかとサンシさんは言うけどはっきりした理由は分からない。ともかくも宮砂糖Drにとってはいい1日だった。ただ、これで青雲チームは4年連続優勝でこの大会も他の参加者のことを考え「いつも青雲が優勝」と陰口言われないようにしないとナ。

2018年3月1日木曜日

兄貴刺す!

可愛いんだ理事長から胃の具合が悪い高齢男性の胃カメラの指示があった。よくあることで、調べても結局は慢性の胃炎くらいのことが多い。経鼻内視鏡でいつものようにすぅーっと入れていくとやはり大した所見はないな・・うん?

「あ、アニサキス」

たまーにいるんだよな、こいつが。忘れた頃に見つかるというか。問診でも4日くらい前に食べたアジの刺身なんか聴かないし本人も忘れているわ。食い込まれて胃の粘膜が「びらん」を起こしている。でも生検鉗子で取ってそれでちょん、お終い。痛みもすぐ取れるでしょう。

これからしばらく経った昼休みの外来、理事長の代行入力を手伝っていた朝カラさんがこの患者さんの一件について「先生、私初めて見ました。気持ち悪いですねぇ、アニキサス・・」「ああ、そうだろう・・え、アニキサス?ちがうだろ、アニサキスだよ」と、周りも聞いていて「あはは」と笑っていた。「兄貴刺す」に聞こえるじゃん。「朝カラさん、お兄さんがいたっけ」「いいえ弟がいます」「まるで兄弟げんかして兄貴が弟を刺したみたいな・・」ともかくも事件じゃなくて良かったわ〜(⌒о⌒)。