2018年3月27日火曜日

アレンドロン

4階病棟の看護師ハムジン君から連絡があった。「先生、XXさんに処方漏れがあります、アレンドロンですがどうされますか」と。「アレンドロン」とは先発商品名「フォサマック」の一般名で骨を壊す細胞に作用して、骨の吸収をおさえることにより、骨量を増やす働きのある骨粗鬆症の薬だ。他病院から処方されていたが寝たきりでもあり私はもう飲むメリットもないので中止してよいと思った。

「ああ、もう飲ませなくてもいいんじゃない。お腹いっぱい、太陽がいっぱいだ」
「は?お腹がいっぱい・・あはは」
「あほ、太陽のほうだ」
「???」
「なにせ『アレンドロン』だからな」
「あーあ、聞いたことがあります」

と言うので、まだ30才そこそこなのにお前知っているかあのフランスの有名俳優をと思ったらこう答えた。

「『太陽にほえろ』ですか」

「ばっきゃろう!『太陽がいっぱい』だっ、主演がアロン・ドロンのなっ」

ここまで言って「アラン・ドロン?あー、そういえば何か聞いたことがあります」だってさ。

我々世代でアラン・ドロンと言えば知らない人はいない。その名も30年も経てば遠くなりにけりだった。

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