2018年3月19日月曜日

医師と未婚率

医師国家試験の合格発表が報道されていた。私の出身の鹿児島大は130名受けて117名合格の合格率90.0%で、まずまずだなと思ったが全体の合格率が90.1%(国立大91.2%、公立大93.3%)でごく平均的な結果だと分かった。私の卒業時は鹿大は国公立で一番合格率が悪く(確か80%を切った)南日本新聞でも相当叩かれていた。そこから大学当局も学生に対し指導強化があってまずまずの成績になっているようだ。驚いたのは私立大学の合格率が90.2%もありほとんど差がなくなっていること。私立は合格率が受験生や世間の評価につながることから受験生を絞り、留年や卒業延期などの処置をよくやるのだがそれでも30年前より遥かに上昇している。医学部人気のおかげで偏差値50台でも入れた大学が全くなくなり相当難化した影響と思われる。

国公立、私立のそれより全体合格率が少し下がっているのは認定及び予備試験などを経由して受験する学生の合格率が40%台と低いせいである。私の知人Drの娘がハンガリーだか東欧の医学部に入っていていずれ日本の国家試験を受ける予定という。海外の医学部はすべて英語で授業で学年ごとの進級も難しいらしいが可愛い娘をわざわざそこまでして送るとはそれだけ国内の医学部が難しいということだろう。

そんな中、福岡にある大学を卒業したばかりの知人Drの娘が合格したとの連絡も今夜あった。それはめでたい。今回は合格者の女子の割合は34.0%とかなり高い。私らの頃は20%あったかどうか。今世紀に入って女子は30%を切ったことがないそうだ。一方で女性医師のキャリアアップの問題(育児に伴う研修、研究の困難さ)は依然として残されている。結婚をあきらめる率も高く生涯未婚率は約35%と国家試験の合格率とほぼ同等だ(一般女性は約10%)。ま、キャリアアップと子育ての両立困難だけでなく、日本の女性の場合、経済的自立率が高いと逆に結婚率が下がるという皮肉な傾向があるのでなおさら結婚出来なくなる。女医は結婚に関しては3倍以上難しくなる。蛇足だが、一般男性の生涯未婚率が20.1%なのに男性医師の場合2.8%とぐっと結婚しやすくなる。こと、結婚については女医は敬遠され男医は狙われる。これは医師を目指す学生は知っておいた方がいいかも。

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