ドジャースがヤンキースタジアムでも勝って3連勝、こりゃワールドシリーズ優勝が本当に見えてきたねー。0勝3敗からの逆転優勝はワールドシリーズ100年以上の歴史の中で一度もないからデータ上はほぼ100%優勝出来るってか。ポストシーズンが始まった時にドジャース優勝を予想(最初のパドレス戦に勝てれば)した私としてもちょっぴり鼻が高い。ただ、日本シリーズでは過去3度もここからの逆転優勝があるからまだまだ油断は出来ない。
そんなネット民も多くいたのか、第3戦が終わった直後から「こてる日記」へのアクセスが異常に増えていた。どうやら2年前の記事「3連敗4連勝とは(http://koteru-nikki-2015.blogspot.com/2022/10/34.html)」にアクセスが集中していたようなのだ。164件のアクセス数があった。これは2022年のポストシーズン、ア・リーグ優勝決定戦でのアストロズ対ヤンキース戦でヤンキースが3連敗した時のエピソードを交えて、3連敗4連勝ゲームの考察をしたものだった。そこでも書いているがアメリカでは3連敗してしまうとそこから逆転するチームはほとんどいない。以前からそれが私は気になっていて日本では3回も実現されたのになぜ?と疑問に思っていた。それが2004年のワールドシリーズではなくア・リーグ優勝決定戦でようやく実現した(レッドソックスがヤンキース相手に逆転4連勝)が、なぜ3連敗4連勝が極端に少ないのかはいまだに的確な説明はなされていないようだ。
同じ7番勝負でいうと囲碁界では結構ある。なんと6回もあるのだ。
初めて起きたのは1973年(昭和48年)の旧名人戦(読売新聞主催)でのこと。この年に囲碁を覚えた私はたまたま実家がこの時期だけ読売新聞を1ヶ月だけ購読してこともあり囲碁欄をよく見ていた。当時まだ20代若手の石田芳夫は本因坊を保持し名人とのダブルタイトル目出して出だしから3連勝。まだ初心者の私でも「石田芳夫って強い、名人も絶対取るな」と思っていた。しかし1ヶ月ほど経っても石田の名人本因坊というニュースは飛び込んで来ない。そのころは読売新聞も取っていなかったのでどうなったのかと思っていたら年末の囲碁雑誌で「林海峯(りん・かいほう)、3連敗から逆転4連勝で名人保持」と知ったのだった。いやー驚いた。そんなこともあるのかって。そして、滅多にない奇跡だぐらいに思っていた。しかし、そうではなかった。1983年から1984年にかけて3回もこの3連敗4連勝が囲碁界において起きたのだ。そしてその全てに韓国出身の棋士、趙治勲(ちょう・ちくん)がからんでいた。老練の棋士、藤沢秀行から逆転4連勝で最高タイトルの棋聖を取ったと思ったら、本因坊戦では林海峯に3連勝4連敗でタイトルを奪われしてしまう。しかし現名人戦(朝日新聞主催)では大竹英雄に3連敗4連勝でタイトル保持と、彼の連勝連敗癖のせいか、3連敗4連勝って珍しくもなんともないって感じになった。趙治勲は1992年にも本因坊戦でライバルの小林光一名人を同様に逆転でやっつけた。
かように3連敗4連勝は個人の勝負資質が相当関与する傾向があると思われ、それと台湾(林海峯)、韓国(趙治勲)という外国籍の棋士が異国(日本)で生き抜くためには簡単に勝負をあきらめるわけにはいかないという事情もあるように思えた。6回中5回が外国籍の棋士によって達成されているのも偶然ではない気がする。大相撲でモンゴル出身の相撲取りがぎりぎりのところで優勝をかっさらうのも勝ちにこだわらないとその世界で生きていけないという点が若干の甘さ、ぬるさが残る日本人よりも勝っているからではないか。
ついでに将棋界での3連敗4連勝はどうだろう。↓の図のように囲碁界に比べこのケースは少ないのが分かる。
私は将棋を指さないのであんまり講釈垂れる身分ではないが、一つには将棋の先手後手の勝率の差が少し影響しているのではないかな?そもそも実力が全く五分だとしても3連敗や4連勝は確率上一定数あることが分かっている。将棋の場合、先手勝率が明らかに高い(といってもプロ同士だと52〜53%程度)ため先手後手を交代で戦う7番勝負では連勝が難しいのだろう。その点囲碁は明らかに先手有利のため終局時の獲得目数に黒に6目半というハンディを与え(黒は7目以上勝たないと勝ちにはならない)勝負が拮抗するように設定され先手後手の差が極めて少ない。そのあたりが囲碁にこのような連敗連勝が多い理由がありそうだ。ワールドシリーズでは3連敗チームで1勝を返したケースはいくつかあるがその後2勝したチームは皆無だという。それもある意味すごい。前にも書いたが日本シリーズでは3連敗後3連勝するも結局勝てなかったチームもあり(巨人)、アメリカのチームってなぜかあきらめが早い。いまだになぜこんなにも3連敗後の逆転4連勝がほとんどないのか、私には説明がつかないでいる。
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