2024年10月24日木曜日

雨中の空港訓練

今日は珍しく天気予報が気になった。というのは、午後から鹿児島空港の防災訓練に参加する予定だったからだ。大雨だと訓練自体が中止になる。ただし「少雨決行」と予定表には書かれてあり、「午後からは雨の」予報が果たしてどうなるか、だった。姶良郡医師会はこの訓練には毎回参加しており、私も青雲会病院代表として看護師ら2人と3人1組で2015年からこれまで4、5回参加している。今年は外来のホットウォーターNs、エンドグッドNsと参加の予定だった。

午前10時過ぎに訓練本部から「本日の訓練は決行」との連絡が入った。やっぱりねー。ちょっとミスったかなと思ったのが、いつもの出勤と同じ皮靴しか持って来ていなかったこと。足元が悪いからこれは濡れるなぁ。それに雨合羽も私はもっていない。でもそれは病院が貸し出してくれた。それで12時20分過ぎに私の車に看護師2人を乗せて病院を出た。

13時が集合時間でちょいと早めに出たかなと思ったが、空港入口で私はヘマをやった。空港敷地内に車を乗り入れられると勘違いしていてそっちに向かってしまっていた。事前ガイドを見ていたホットウォーターNsが「こっちですかねえ」と疑問を呈するも「いやーこっちだろう」と間違いの方を私は選択していた。後で振り返ると、以前は確かに空港内へ車を入れていたが、コロナ直前の2019年以降は空港近くの草むら駐車場に駐めて徒歩で空港敷地内に入る方式に変更になっていた。それをすっかり忘れ、昔のパターンとばかり勘違いしていたのだ。ホットウォーター看護師らの「院長、大丈夫?」てな視線を感じました、ハイ。

雨の中、集合場所に着いたのは13時ほぼちょうどだった。姶良郡医師会の車のバックドアを雨よけにして合羽を着て、医師会の医療用ベストや腕章を付け、傘を差して訓練用の大きなテントに向かった。テントは「赤」基調で、これは事故のトリアージ(治療の優先順位を決めること)された傷病者の中で最優先の症例を示し、緊急治療もしくは直ちに病院搬送が望ましい状態の患者を診ることを意味する。我々、姶良郡医師会のメンバーはまずはここで訓練開始だそうだ。隣の黄色テントはまだ設営されていなかったが、消防隊が設営訓練用にそのままにしてしていたのだった。しかし雨は本降りでテント内も床はびちょびちょ、靴はどんどん濡れてしかも靴下まで濡れてきていた。あーあ。↓赤テントとホットウォーター&エンドグッドNs。
しばらくは事故場所への消防車の放水訓練などあり、黄色テントの造設も始まった。飛行機の発着もすぐ近くであり飛行機好きにたまらないシチュエーションだったかもしれない。しかし訓練中はその音が大きくて連絡会話がよく聞こえないことも多かった。そろそろ龍桜高校の看護学生らが事故傷病者役で運ばれて来るころだ。実はこれまでは黄色タグの担当が多かったが今回は赤宅担当とは初めてのことだった。診察して迅速にトリアージをし、赤タグ相当の傷病者ならば救急車を呼んで搬送を指示する。しかし医師会の立場では本格的な救助隊である災害派遣医療チーム(DMAT)が到着したらそこに直ぐに引き継がねばならない。そこで訓練では引き継ぎ後、すぐに黄色テントでのトリアージをすることになった。やれやれ。
外を見ると、看護学生らは緑タグの学生は歩いていてテントには入らず、黄色タグの学生は「歩けない」という設定のため雨にうたれながらテントに運ばれて来た。毛布もなくちょっとかわいそうだったね。後で本当に「寒い」というのでトランシーバーを使って「こちら黄色テント、毛布が必要です」と言うと、まもなく段ボールに入った毛布がちゃんと持ち運ばれて来た。
模擬傷病者の学生さんらはそれぞれ病状の書かれたカードがあり、私たちはそれを見てどういう傷病なのかを判断する。黄色タグの傷病者は実は救急車で運んだ方がいい人やその後自力で歩けそうなら帰宅させてもいい人もいる。5人運ばれ、一応の指示を出したが、本部から「現状報告をして下さい」とか後からまたDMATの人たちが来て、指示の変更をしたりとこれまでの訓練になく本格的なものだった。うちの看護師二人もよく動いてくれた。さすが青雲の救急外来を10年以上も経験してきただけのことはある。↓左が私、右がDMAT。
↓トランシーバーで本部に連絡している私。右にちょこっと消防のニシナオさん(青雲のニッシNsの夫)も写っていた。(実は今回トランシーバーを生まれて初めて使ったが、これに子どもの頃憧れていた時期があり、昔のこてる日記にそのネタを書いたことがある。今は読むことが出来ず、いずれまた書こう)
いや〜、久々に良い訓練だったねぇー。ただ、雨中ゆえに靴と靴下はもうぐちゃぐちゃ。おーい病院から毎回参加の泣かん薗Drなどちゃんと雨靴を用意していて足元は何の問題もなかった。「家を出る前に女房がこれを絶対持っていって」と渡されたんだと。うむ、参った。私なんぞ「もしかしたら中止?」なんて甘いこと考えていたからなんだ。猛省。
今年は正月早々、羽田で大きな事故があったり、隣の宮崎で不発弾が爆発したりと、空港でいつ何時事故が起きるか分かったもんじゃない。起きなければいいがそれこそ万一起きた時のためにこうした訓練は大事だ。

約2時間の訓練が終わり、足元を濡らしながらプリウスのいる駐車場までまた歩いた。一刻も早く靴を脱ぎたいがそうもいかない。高速の桜島スマートインターを出て、病院に帰る前に「ケーキでも食べよう」と近くのシャトレーゼに寄ることにした。「二人は何が良いかな。自分で選ぼうか」と提案したら「だめ、私たちこんな格好なのよ」とスクラブ姿のホットウォーターNsが自らの服装を指さした。あは、そうだねー。ならば普段着の私がみんなの分まで買ってあげようと店に入った。見れば国産和栗のモンブランというのがあり、そうだカールはモンブランが好きだと、これを3人分プラス1人分購入した。
で、車中で「ケーキ食べ」だ。みんな頑張った、これくらいはOKやね。

病院に帰ったらすぐに靴を脱ぎ、クロックスサンダルに履き替え乾かそうとしたがすぐには無理。帰宅したらカールが「こういう時は新聞紙よ」とさっそく靴濡れ対策を施してくれた。モンブランも喜んでくれ、なかなかに良い訓練でありやしたー。
↓は翌日の靴の様子。かなり湿気が取れてきています。

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