2018年7月11日水曜日

㊙な事情

いやー、今日は午後から救急ピッチ当番で夕方からは当直というハードな設定になっていた。そしてひっきりなしに患者や救急がやってきて夜の23時ごろに落ち着くまでバタバタし通しだった。胆管にドレナージの管(ERBD)が入っているご老人は元々の主治医であるクニンダDrに明日診てもらうことにし、カジキマグロ病院からの紹介で急性の胆管炎疑いの患者はピッピDrに譲った。彼はそのせいで外科Drも交え緊急胆嚢ドレナージをやり19時過ぎまで居残る羽目になった。

私はアルコール依存の女性老人の入院の他、外来では熱中症と思われる若者、中年も多かった。でも一番のハイライトは左半身麻痺で救急車で加治木から運ばれて来た初老男性だろう。脳卒中は間違いないが梗塞か出血かはCTを撮らないと分からない。すぐにCT指示したところ右半球に出血所見があった。被核出血という一番多い出血部位だ。患者は会話はしっかりし意識はあるが出血の径が5cmを越えているのが問題だ。緊急手術もありうるからで、今日の脳外オンコールのシマッチ院長に電話しどうすべきかを伺わねば・・。
(↓は右被核出血の一例でネットのものだが今夜のケースもこれとそっくりだった)

実はこの男性の背後事情がいわく付きだった。自宅は鹿児島市内で当院は全くの初めての受診、妻に連絡がつくと「鹿児島市内の病院に転送できないか」と依頼された。渡りに舟とはこのこと、シマッチ院長にもそのことを伝えると「市内で手術も出来そうなあっちっち脳外科か一律病院あたりに紹介してはどうか」とのこと、ガッテン承知の助で最初に連絡したあっちっち病院に転送と相成った。救急車に同乗した本日当直のカッコちゃんNsを見送った直後に慌てて駆けつけた息子夫婦が玄関に来た。「あ、たった今、救急車で鹿児島市内に向かいました」と教えると、そうか、では追いかけねばという様子のあと、「でも、なんで(親父は)加治木になんかいたんですかねぇ」と尋ねて来た。私は事情を知ってはいるのだが「さあ、何か集まりがあったんでしょうか」ととぼけて曖昧に返事した。

カッコちゃんNsならあっちっち病院への伝達でもその辺はきちんとそつなくこなしてくれるだろう。なんでもかんでも人に伝えればいいというものではないのだ。㊙うふふ・・。

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