2014年8月24日日曜日

高校野球雑感

夏の甲子園も準決勝が行われ大阪桐蔭高と三重高が決勝に進んだ。東北北信越が大活躍し今年はこの地域からの初優勝かと思われたが結局は甲子園優勝経験のある2校が残った。三重は私には思い出がある。昭和44年センバツで初優勝をやってのけた1ヶ月後、第1回南日本招待野球にゲスト校として鹿児島に来て私は市民球場に観戦に行き生まれ初めて高校野球を生で見たのだった。センターフライを捕球した三重の選手の髪の毛が丸刈りではなかったことだけを覚えている。そして翌日の南日本新聞に「やはり三重は王者」とのタイトル記事が載ったことも。その後三重は甲子園には出てくるが1、2回戦で姿を消すことが多い普通の常連校になってしまっていた。今度の1回戦も相手は広陵で劣勢だったが9回に2点差を追いつき延長で逆転勝ち出来たのが大きくやっと壁を乗り越えた感がある。大阪桐蔭やや有利だろうが頑張ってほしい。

ある記事で東北、北信越などの躍進分析が載っていてそれによると室内練習場の充実や中学生のリーグ増加やその強化策が実っていることの他にやはり特待生問題が背景にあるそうだ。08年に私学の特待生は『各学年5人以下』というルールができて、公立高校の授業料が無償化されたことで、『他の私立からも特待生で誘われている』とか、『特待生じゃないなら公立に行かせる』と条件を出す親が増え生徒の分散化が起きかつての強豪校に好選手が集まりにくくなった。地域格差がなくなったためこれらの地域も十分勝負できるようになったと思われる。

それに2004、05年の駒大苫小牧の優勝が意識も変えた。なんだ北海道が出来るならーと。人間そんなに差はないのに最初からどうせおれたちには出来ないと無意識に思っているうちは力があっても結果は残せない。かつての沖縄がそうだったが一度沖縄尚学がセンバツで優勝するとその後の高校も活躍し2010は興南が春夏連続優勝をするまでになった。これを思えば日本サッカーもW杯で優勝するのもあり得ないことでない、本田圭佑じゃないけど本当にそう思う。体格的にはさほど変わらないスペインができるのだから100年後くらには全く不思議じゃないよ。

おっと話は野球だった。最近は生徒の気質も変わりスパルタではまず集まりにくくなり甲子園に行ける学校よりレギュラーになれる学校を選ぶことが多くなっているという。今夏は出場出来なかったが日大三の小倉全由(まさよし)監督は怒らないことをモットーに選手を選手を部屋に呼んでケーキを食べながら話をすることがあり、グラウンドでガミガミ言っても腐ってしまう子が多いからだとか。笑ってしまったのが、あまりに強くて1回戦の対樟南での試合解説であの是枝昭男さんが「うんにゃ、こんしはつえど!(ううむ、こいつらは強いぞ!)」と唸った2001年優勝した時の小倉監督は「『仁義なき戦い』のビデオを見てからグラウンドへ飛び出し広島弁で厳しい指導をしていたといいます。最近の選手に合わせ10年間で指導法を百八十度変えたそうです」だって、あはは。『仁義なき戦い』かぁー、当時、映画館から出てきた男性観客らはみんな目つきが鋭くなっていたとの伝説がある。あまりに殺伐としていて私は子どもらにはビデオを見ないようにしていたほどだ。

時代や制度が変われば高校野球も勢力図は変わる。そこをうまく乗り切れないと強豪校と生き残れない。鹿児島の樟南や鹿実ですら大変な時代になったのだ。今年は第96回で4年後は第100回の記念大会か。出版、映像も記念版が出るだろうし、実施の大会も盛り上がるはずだ。高校野球オタクの私には毎年の春夏は今後も楽しみであり続けてくれることだろう。

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