2019年7月22日月曜日

抗生剤でショック

脳外科のカワゼンDrがしばらく休みを取るため当番でない救急外来業務がこのところ多い。

夕方近く来院した50代女性、喉が痛くで同僚にもらった抗生剤を内服した10分後くらいから全身の痒み、腹痛、発赤、息苦しさなど起きた。血圧も低下しておりこれって薬剤によるアナフィラキシーショックの症状そのもの。急いで酸素吸入、点滴、ステロイド剤など投与し様子をみた。小1時間で症状は安定に向かい、昇圧剤は使わずにすんだが「念のため入院して一晩は様子見ましょう」と話した。

患者の職場は老人の介護施設でもしかしたら日頃薬剤を気軽にやり取りすることがあるのかもしれない。しかし特に抗生剤はこのような急なアレルギー反応から意識血圧低下などショック症状を起こし、場合によっては命に関わることもある。同僚の女性職員は顔が青ざめていた。薬って気をつけなくてはいけないものなのだ。今後この患者は同種の抗生剤は禁忌扱いだ。アナフィラキシーショックはソバなどの食物、ハチ刺傷、薬の三つが原因になることが多い。今回は自らスズメバチに刺されに行ったようなものでいかに危険な行為か分かろうというものだ。

青雲会病院でも同様のケースが起きないよう、直後の所属長会議で注意喚起するよう各所属長に伝えた。それと我々医師も単なる風邪で抗生剤をこれまで出し過ぎのきらいがあった。もって他山の石としよう。

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