今日は連休が明けて久々の勤務で外来担当である。連休中の病院の状況を聞くと、カワゼンDrが体調の問題で5月5日は日当直出来ず、ポンシンDrと信号Drが代わりにやってくれたそうだ。ありがたや。
重症患者のケースで目を引いたのは50歳代の女性が某日夜間急患で来て、急な頭痛と背部痛が訴えなのだが血圧がなんと230もあった。これはただ事じゃない。CTで詳しく調べると胸部大動脈瘤解離だった。未明に鹿児島市内の循環器専門病院に救急転送となったそうだ。日頃、他医で血圧の治療は受けていたそうだが、効果不十分だったのかもしれない。このところ、塩分や血圧に敏感になっているだけに高血圧の怖さを実感する症例だった。
あと新聞記事で目を引いたのが「高千穂峰 1m低かった」というやつ。国土地理院が人工衛星を使って高精度迅速に標高が測定が出来るようになったところ、有名無名の山79座に変更があったという。鹿児島がらみではなんといっても霊峰高千穂峰が1574mから1m低い1573mが正しかったということだそうだ。もっとも実際に1mも違っていたわけではなく、山の高さっていうのは1573m51cmなら四捨五入で1574mに表記される。だから数cmから数十cm程度の誤差だったのだ。ちなみに私が小学校低学年の頃は高千穂峰と並び称される韓国岳は地図帳には1699mとあった。それが50年くらい前には1700mになってすっきりとした。実際1,700.3mで割増しの表記ではないということだ。日本百名山がらみでは青森の岩木山が1625mから1624mに縮んでしまった。同じ青森の百名山の八甲田山も1585mから1584mに低くなった。北海道の羅臼岳も1661mから1660mになった。羅臼岳は2008年に1660mから1661mになっていたがまたもや元に戻された格好だ。北アルプスの笠ヶ岳も2898mから2897mに低くなった。
山ってその標高が一種のアイコンのようになっていて、静岡山梨あたりでは富士山の3776の車のナンバープレート希望者が多く抽選になるって聞いた。高千穂峰はそれほどでもないと思うが、近隣住民にはその番号を取得している人がきっといるに違いない。標高で言えば、2014年に南アルプスの間ノ岳(あいのだけ)が2190mになりそれまで第3位だった北アルプスの奥穂高岳と並んで標高日本第3位になった。でも実際は2189.50mなんだ。四捨五入して2190mで同率3位ということなんだが、どうもねえ。私は奥穂高岳も測定し直して白黒はっきりすべきと思っていたら、ある人が最新の計測システム・GNSS(全球測位衛星システム)で調べると3191.099mとなりこれまでよりぴったし1mも高いと出たそうだ。おお。たぶん、国土地理院にまた測定をしっかりしてもらって、いずれ奥穂高が単独の日本第3位を取り戻す日が近いだろう。ちなみに日本第2位は間ノ岳のすぐ近く北岳3193mである。それにしても知名度で1位と2位の差がこれだけあるのもすごい。それだけ富士山が日本人にとってただの山ではないってことなんだ。日本百名山の著者深田久弥も冒頭「この日本一の山について今さら何を言う必要があろう」と言っている。富士は残り99の名山を足したよりも語られまだ語り尽くせぬほどの山だ。標高が圧倒的に1位というだけの山ではない。ある人は「富士山は実は山ではない」という言い方で富士を端的に言い表していた。高さを超越している山でもあった。
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