今日の外来に付いたのは和墨玉Nsだった。三十代後半で三児のママさんナースだ。
ある高齢の患者さんの他医からの処方薬をいっしょに調べている時に「リオナ」という名前の薬があった。「おや、女性の名前にもありそうな薬品名だね」と私がつぶやき、薬効を調べると・・慢性腎臓病(CKD)に伴う高リン血症の治療薬で腎機能が低下すると体にリンがたまりやすくなるため、それを下げる薬で、リオナは一般名が「クエン酸第二鉄」といって水和物体内のリンと結合して、便として排出を促す働きがあり、鉄分も含んでいるため、鉄欠乏性貧血の改善効果も期待されるってことだった。実際、鉄欠乏性貧血があって処方されていた。でも私が一番に上げたいのは一般によく使われる薬で30年以上前に発売開始された「クラリス」だ。一般名もほぼいっしょでクラリスロマイシンである。別会社が「クラリシッド」の名前で発売していたけれど私の思い入れと書きやすさでクラリスの方をよく処方していた。このクラリス、私の偏愛するアニメ映画の傑作「ルパン三世カリオストロの城(1979年:宮崎駿の初監督作品)」に登場するヒロインのお姫様の名前である。「カリオストロの城」はこれまでこてる日記で何度も取り上げてきているが、Wikipediaで概要を紹介すると「『ルパン三世』シリーズの中でも、屈指の人気を誇る作品として知られる。公開当時の興行収入は低かったものの、評論家や関係者の中では高く評価され、その後はテレビ放送や上映会等が繰り返された事もあって人気が高まっていった。また、本作での宮崎の演出やレイアウト手法は、後世のアニメ業界に影響を与える事となった。現在では日本アニメーション史に燦然と輝く名作として評価が定着している」とあり、実際、キネマ旬報の2010年にあった「オールタイム・ベスト 映画遺産 アニメーション篇」で1位を取っている。同じ宮崎駿の「天空の城ラピュタ」「風の谷のナウシカ」「千と千尋の神隠し」などより評価が高いのだ。これはそれらのアニメを実際に見た私の感想とも一致する。はるかに面白いのだ。
そこで子どもの一番上が小学校高学年という和墨玉Nsに「ぜひ『カリオストロの城』を見せてやってくれ。お勧めだから」と強調した。ルパン三世もその年くらいになると十分に堪能出来るだろう。「カリオストロ」とか「クラリス」という名前はモーリス・ルブランの「アルセーヌ・ルパン」シリーズの一冊「カリオストロ伯爵夫人」に登場する名前でそれを宮崎駿が拝借したものだ。小学5年生の私はホームズやルパンシリーズに夢中になってそれらの本を読んでいた。だからクラリスやオルタンスなどフランス風女性名をよく覚えていて、名前を映画で知った時に「あ、ルブランから取ったな」とすぐにピンと来たものだった。
女性風薬品名という話題から始まったよもやま話も、結局は自分の好きなアニメ映画に帰結するのであった。(今年6月27日の日本テレビ系『金曜ロードショー』でノーカット放送されるらしいので見たことない人はぜひ!)
女性風薬品名という話題から始まったよもやま話も、結局は自分の好きなアニメ映画に帰結するのであった。(今年6月27日の日本テレビ系『金曜ロードショー』でノーカット放送されるらしいので見たことない人はぜひ!)
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