2019年11月7日木曜日

「北朝鮮は素晴らしい国」と学校が教えていた

通勤時にたまたま「武田鉄矢の今朝の三枚おろし」を聞いていた。今週が何のテーマは知らない。しかし昭和24年生まれの武田鉄矢が小学5年の時に小学校の講堂で見せられた映画の話が出て来て、これは実に興味深かった。http://www.joqr.co.jp/takeda_pod/
(「今朝の三枚おろし」11月11日分の19分56秒あたりから)

当時の日本の教育の風潮が「あなた方は運が悪くて(日本という)ひどい国に生まれましたね」だったそうだ。それってどういうこと?「アジアの国にいっぱい迷惑をかけて、原爆を二つも落とされて戦争にボロ負けした国」ということだそうだ。その中で見せられた映画が「チョンリマ(千里馬)」だったという。これは昭和30年代から40年代にかけて在日朝鮮人が何万人も北朝鮮に帰国していった「北朝鮮への帰国運動」の一環で日本新聞社の協賛も得て堂々と行われていたそうだ。今ではこんな片寄った思想の映画を見せたら大問題だろう。

映画の内容は「地上の楽園で金日成という素晴らしい指導者がいて科学は進んでいて住宅は完璧、万年豊作で収穫が終わればチマチョゴリを着てダンスを踊る」「私有財産もないんでこのお爺さんの財産はガチョウが3匹、とても愉快なお爺さんです」なんて内容だったとか。こんなのを見せられたら在日の人だけでなく日本人の小学生は洗脳されるかも。昭和45年のよど号ハイジャック事件で犯行グループが北朝鮮へ行けと命じたのもそんな背景があったかもしれない。

アシスタントの水谷加奈もこの話を信じられないと反応していたが現代の日本人もきっとそうだろう。しかし当時の日本の教育が左翼思想中心であったというのは昭和40年代に小中学生だった私も実感する。中学生か高校生だったか「夏休みの友」という夏休み課題用冊子があった(今もあるのかも)。その中に一番違和感を覚えたのが、特集があって「韓国は軍事圧政を敷いて自由もないひどい国だ」とページを割いて書かれていたことだ。実際そのようであったことはいろんな資料から知られてはいる。韓ドラでもその時期がテーマの作品では主人公らがそれに抵抗あるいは不幸な目に遭ってなんてシーンが出て来る。当時の私は「へー、大変だな、韓国に生まれなくてよかった」なんて思った。それからしばらくして新聞だったと思うが、自民党関係者の若手議員(地方議員だったかな)が書いた記事に「韓国の軍事独裁がひどいと言われているが北朝鮮はもっとひどい独裁国家なんです」と反論しているのを目にした。その頃はもう共産主義国家はたいてい独裁国家で大変なんだという知識はあったのでなるほどそういう見方もあるかと思った。

あれから40年以上経過しどっちの国に行けば良かったか、結論は出ている。北から南に逃げる人たちはいてもその逆はほとんどいない。でも一番良かったのはその時は苦しくても日本に残る選択だった、それは間違いないと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿