2019年11月2日土曜日

ながしま造形美術展の謎

今日、長島で某高齢男性の大腸内視鏡をしたのだが、クリニック職員によるとこの男性、ついこの前のMBC放送「どーんと鹿児島」に出ていたという。「あ、ながしま造形美術展の特集だったね。何かを作っている人だったの?」「そうです。前回、前々回が最優秀作品だったもんだから今回は出品前から取材を受けていたそうで」「ふーん、私もちらっと車中で見かけたがみんな一生懸命に作っていたねぇ」と言いつつ、検査を終えたその男性にいろいろ質問をしてみた。

「鉄工所の社長さんが特に熱心で私は毎回その作品作りを手伝っている。今年はえりまきトカゲを題材に作ったが3位の優良賞で残念だった。テーマは毎回その社長さんが考え、設計図も社長さんの頭の中にあるから自分らはうかがい知ることが出来ない」と笑っていた。TV番組のラストシーンはその社長さんが悔しさを秘め造形会場を立ち去るところで終わっていて、この特集の主人公の趣(おもむ)きがあった。番組では最優秀賞は旧長島町の集落が出した大きな鯨の口をかたどった作品で第17回にして「旧長島町側が1位になったのは初めて」というナレーションがあり、私はそこに敏感に反応した。え、2年に1回の開催で30年以上も経っているのに旧東(あずま)町側がずっと最優秀を取り続けるってそんなに偏りがあるものなの?。

クリニックは旧長島町の町役場があった集落にあり、そこの職員も「えー、何ででしょう。よく知りません」とのこと。ならばとネットで調べてみた。そこですぐに氷解した。1985年が第1回で元々は旧東町の秋のイベントとして始まったものなんだそうだ。2006年に東町と長島町が平成の合併をして2007年以降は両町合わせてこのイベントを行うようになった。20年以上東町しか出品していなかったから最優秀賞の偏りはある意味当然のことだった。そして最近は旧長島町の方が熱心に作るようになってきていてそれが今回の最優秀賞受賞にもつながった。結果、合併後の町全体の盛り上がりにも寄与しているようで、なかなかいいアイデアのイベントだと思う。みんなが協力しないと作品は完成できないからこそ町民としてのつながりが生まれ、1ヶ月展示されるから島外の人たちにもアピールが出来、終わったら作品によっては売られ、店のマスコットや宣伝にも使われることもあるという。

長島には年に10回近く訪れるのにまだ一度も見ていない造形展、いつかきっと見に行こう。

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