2019年8月7日水曜日

妖怪を出せるだ

外来で他院からの処方を今後当院から出して欲しいという要望の高齢御婦人がいた。紹介状はなく何かと言いにくそうな表情であった。何の薬かとみれば血栓の予防に使うバイアスピリン(アスピリン100mg)とその胃粘膜保護薬のタケプロンとの合剤で武田薬品のタケルダだった。そんなに難しいことではないので「出来ますよ」と言うと「そうですか、良かったぁ」と喜んでくれた。そこで一言。

「タケルダは出せるだ」

いやー、珍しく患者さん本人が笑ってくれたよー。私はよく診察中にだじゃれを混ぜて話すが大抵は気付いてくれない。患者さんは緊張もしているしまさか先生が冗談を言っているとは思わないようでいつもはほとんどスルーされる。。背後の看護師だけがクスクスかぐっと笑いをこらえているくらい。「るだ」だけが同じ韻を踏んでいるだけなんだが今回はうまくいったぜ。ハハ。

次いで7才の女児。診察に持って来ていたのが図書館で借りた「日本妖怪大百科」という本だった。表紙は漫画で妖怪たちが描かれ「こわくて楽しい妖怪たちのすべてがわかる!」とあった。それこそ水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくるような妖怪からカッパ、奄美のケンムン、座敷わらしなどいろいろ取り上げていた。鬼太郎にも出てくる一反木綿(もめん)は鹿児島の大隅地方の妖怪と聞いているがそれもしっかり出ていた。かつては全くといっていいほど知られていなかったのに、鬼太郎に登場してからは広く知られたばかりでなく人気(?)も高く、2007年の水木しげるさんの出身地、鳥取県境港市の観光協会が主催した「第1回妖怪人気投票」の第1位に選ばれたくらいだった。ちなみに2位は目玉おやじで当の鬼太郎は4位。で、3位はどの妖怪だったのか?それが何と「水木しげる」先生本人!笑っちゃうネ。(↓。ついでに子どもをのっぺらぼうにしちゃいました)

本来妖怪というのは怖くて怪しいもの。でもそこに子どもは自身の不安感といったものを投影させ、本の中で安心して読むことでうまく折り合いを付けているのかも。子どもの頃こんな本があったら私もきっと読んでいただろう。

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