2019年6月28日金曜日

あらなんともなや

朝から大雨で7時15分からのNHKBSの「おしん」が途中から見られなくなった。BSはこれがあるかなあ。7時30分からの「なつぞら」も当然似たような状況だったが地上波で録画をしているので大丈夫。「おしん」はその時間1回だけの放送なので少し困ったが、幸い土曜から日曜にかけて1週間分を一挙放送してくれているのですぐに録画予約をした。そしていつもより早めに家を出た。運転もゆっくり慎重にしなくちゃな。

すごい雨だったけど高速道路は閉鎖もなく普通に運転できた。病院には早く着いたので「なつぞら」を見終わってから院内に入った。

外来ではある女性患者が胆嚢のポリープのフォローアップで来ていて腹部エコーをすると特に変化無く問題ないと診断しそのことを伝えた。無論ほっとし喜んでくれさえした。それで彼女の帰り際に「『あらなんともなや』でしたね」と言った。「ああ、なんともなかった」という意味で、私の中では有名な松尾芭蕉の俳句「あらなんともなや 昨日は過ぎて ふく(ふぐ)と汁」から取ったものだ。現代語訳すれば「ああ、なんともなかったよ 昨日が過ぎてみればこわごわ食べたフグの汁も問題なかったことだ」である。実は「あらなんともなや」の中に彼女の名前がすべて含まれていたからだ。カルテを見て私はすぐに連想したよ。

「ええーそうですか。知りませんでした。今度ネットで調べてみますぅ〜」と明るく帰っていった。そばに付いていた看護師が「先生、そんな俳句まで知っているんですか。詳しいですねえ」と感心していたが、何のことはない、確か高校の国語で芭蕉の初期の句として習っただけのこと。後のわびさびとは違う句調が印象的だった。まさかこんなシチュエーションのために覚えていたわけでもあるまいが・・。

でもこうした教養って知っていて損はない。人生が豊かになる気がする。どうかな?

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