2019年6月24日月曜日

マスクばばあと呼ばないで

青雲会内視鏡室の助手は4月から、ウラコさんという還暦を迎えた女性が内視鏡の洗浄など行っている。ただ一人ではとてもこなせないので新人の臨床工学技士二人も手伝っている。そのウラコさんだが、朝、私が仕事をしようとすると必ず、「先生、これ」とマスクを手渡すのだ。「うん、ありがとう」と着けるのだが、それは1ヶ月ほど前風邪ひいて咳コンコンが続いているからだと思っていた。だから「今はもう咳はしてないんで」と断るも「イヤそう言わずに」とマスクを差し出す。まあ、検査にはしていたほうが無難だしそのまま受け入れていた。

しかし、急いで検査に入る時など、ちょいと面倒になってそのまま検査台に直行しても終わる頃にはきちんとマスクが置かれている。これは何が何でもマスクを着けて欲しいとの執念だな。で、「どうしてもマスクを着けさせたいんだな」と言うと「ですよ。私は外に出る時はいつもマスクをしてますし、人混みに入る時は2枚重ねにしています」とのことだ。それで「私、風邪は引いたことないです」「インフルエンザも?」「ええ、引いたことないです」とキリッだ。「へーえ、マスク・・ウーマン、いやレディか」と言うと「いいえ、マスクばばあでいいですよ」と照れなのか謙遜していた。

それ以降、そんなウラコさんなので次にマスクを出されても素直に受け取るようにしている。それが今日も素早く仕事始めにマスクが出されたので私はつい言ってしまったのだ。

「さすが『マスクばばあ』だねえ」

と、「何ですって?!」とお顔が曇り少し険が立ったのだ。「え、だって昨日は『マスクばばあ』でいいって・・」いかんまずかった。そんなのを真に受けた私がアホだった。「あはは、マスクレディだよねぇ、すまんすまん」と平に謝ったのだった。

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