2024年3月18日月曜日

ERCPマイナスワン

今日は内視鏡検査予定が多かった。ERCPが2件あるのはこの病院では珍しく、大腸内視鏡も私の患者で数名組まれていた。で、残りERCP1件大腸内視鏡1件となった時間がもう16時を過ぎていた。17時前には所属長会議もある。いや、こりゃ会議には絶対間に合わない。で、大腸内視鏡はタクミDrにお願いし2件目のERCPに向かった。

で、ERCPってうまくいくときはあっという間に終わってしかも効果絶大の検査なんだけど、特に総胆管にカニューレが入らない時は大変だ。イライラして徒労感が残るだけではない。もし総胆管造影がうまくいかず検査が終わった場合、何も結果が得られなかっただけならまだましで、検査後の急性膵炎が起きてその治療に難渋した場合、ゼロではなくマイナスにさえなる。「やらん方がマシだった」てね。まさにゴジラー1.0ならぬERCPー1.0(マイナスワン)だ。

今回は実際そうなりそうな感じだった。膵管にはカニュレーション出来るがなかなか総胆管には入っていかない。カニューレを変え、ガイドワイヤーを変え、しまいには新型の内視鏡を旧式の内視鏡に変えるなどして検査時間は開始から1時間半以上経過していた。使ってみて意外に新型のオリンパス290シリーズの側視鏡(TJF-Q290V)より260シリーズの方がしっくりくる。うーん、これはまあ慣れによるものなんだろう。途中、タクミDrの大腸内視鏡の結果説明をしたりでもうバタバタ。そして、2時間を経とうかというころようやく総胆管にカニューレが入り造影成功、そしてERBDという黄疸を改善するバイパスチューブを留置出来て手技を終えられた。やれやれ。
実は30分以上前にすでに総胆管に入っていたのに、途中の胆管閉塞がひどくてガイドワイヤーが深部挿入出来ずに「実は総胆管には入っていない」と判断ミスをしていたのだ。途中まで膵管と管の走行がほぼいっしょだったのも判断を迷わせた。しかし、まあ結果オーライ。総胆管の溜まっていた汚い胆汁がチューブから出てきた時は「はあ、良かった」となった。そして19時過ぎまで付き合ってくれたスタッフに感謝感謝だ。「ありがとう」より「ごめんなさいね」が先に出た。

うまくいけばマイナスにならずに大いにプラスになる検査手技だよなERCPって。ふう・・。

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