2021年9月9日木曜日

日本には国枝がいるじゃないか

昨日の当直は深夜に救急患者搬入と超高齢女性患者の状態悪化で午前2時、午前4時の2回仕事しないといけない羽目になった。まあどちらも応急処置がうまくいって一応落ち着いてくれ医者冥利に尽きるわけだったが、その反動で昼の早帰りはしたもののそのまま布団にまっすぐ約4時間は寝込んでしまった。

そうそう、帰る直前に薩摩郡の某クリニックから腹痛の患者の診察依頼を受けた。そこのサイゴノトキ院長は20年以上前に鹿児島市内の病院(そこの院長先生は私とほぼ同期だが最近コロナがらみでマスコミによく登場する)でいっしょに仕事をした先生だったので、最後に「トキちゃん頑張ってますねぇ」と気楽に声を掛けたのだけれど、今ひとつピンと来ていないようだった。う〜む、残念。その患者さんの診察は東洋Drにお願いして帰ったのだった(「虫垂炎かどうか少し怪しい」とのことだったが実は婦人科系の疾患だったらしい)。

車椅子テニス東京オリンピック金メダルの国枝慎吾へユニクロが特別報奨金1億円を贈呈すると発表したという。うわー、すごいと確かに思うのだが、これまでの国枝慎吾の業績を思えば驚くほどのことではないかもしれない。2007年当時のまだ錦織圭が台頭していない頃、日本人のインタビュアーがロジャー・フェデラーに「なぜ日本のテニス界には世界的な選手が出てこないのか?」と質問をした際、「何を言っているんだ君は。日本には国枝慎吾がいるじゃないか!」と言ったエピソードはあまりにも有名だ。もう今では彼を語るときに「枕詞」として使われるほど。その彼が大学職員を辞めてプロになると決意したのが2009年のことで「全大会で優勝するくらいでないと収入的には厳しい」ほどだったが、プロになって活躍することで「障害者スポーツ界に携わる方々に夢を与えられる」という決意が背景にあったという。

今度のパラリンピックは私はあまり中継は見ていなかったが、国枝の決勝戦は見ていた。相手選手エフベリンクはビッグサーバーで何度かエースを決めるも、終わってみると国枝が6ー1、6ー2で圧勝した。すごいと思ったよ。
4大大会優勝は数えきれず、パラリンピック金メダルも東京で3個目だ。今週の全米オープンでも決勝進出を果たしている。どんだけすごいんだ。でもフェデラーには感謝しきれない。「日本には国枝がいるじゃないか」・・この言葉は、それら国枝の実績に匹敵するくらいの名言で、優勝回数は知らなくてもこの言葉は永遠に残るだろうから。

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