2021年9月12日日曜日

カールはなぜアイリスオーヤマを買ったのか

カールがネット注文した除湿機が届いた。10年くらい前に買ったものがヘタってきていて「そろそろ新しいのを」と検討しアイリスオーヤマ製のにしたのだ。以前は日立製だった。「アイリスオーヤマって何かしらいいのよねぇ」とカールは言う。「LED電球もパナソニック製に比べ性能はほとんど変わらないのに安い」「除湿機も単に乾燥させるだけでなくサーキュレーター(いわゆる扇風機)付きになっていて自分の求めるのと合致した」「炊飯器と電気調理器がいっしょになっているのもあって気になっている」「これがあったらいいなと思うのがよくある」などなど。

アイリスオーヤマでは製品開発がスピーディーでなおかつ生活者のニーズにあった製品が多いという。ホームページを見てみると、「毎週月曜日は新商品開発会議。生活者目線で新商品アイデアを議論します。アイリスオーヤマの扱う15,000商品は全てこの会議から生まれました。機能はSimple、価格はReasonable、品質はGood。3点のバランスのとれた商品だけが市場に送り出されます。会議には商品開発に関わるあらゆる部門の社員が一堂に会し、情報を共有することでスピーディな商品化に繋げています。」とあって、日経ビジネスによると「発売する新商品は年間1000点以上。2万5000点に上る商品の新商品比率は、何と60%超――。手ごろな価格とスピード開発を武器に、2020年12月期決算では、グループ全体で売上高6900億円、経常利益621億円と共に過去最高の数字を記録したのが、アイリスオーヤマだ。スピード開発できる秘密が、毎週月曜にある「新商品開発会議」だ。毎週朝9時ごろから17時すぎまで、昼休憩を挟んでぶっ通し。社長の大山晃弘氏以下、各部門の責任者が参加する中で、新商品案などを抱えた各事業の担当者が次々に登壇し、プレゼンを繰り返していく。」なんだそうだ。

つまりはアイリスオーヤマの力の源泉はこの会議にあるとみた。アイリスオーヤマ代表取締役社長大山晃弘氏は言う。「何を決めるかが明確で、最短時間で議論して結論を出せる会議は、会社の生産性を高める。一概に会議がムダ、というのは表層的な考えだと思います。マーケティングや製造、開発など様々な部門の社員が集まるので、情報共有も進みます。

会議が印象に残っているのは、コロナ禍になる前の19年5月に発売を決め、20年に発売してヒットした「ナノエアーマスク」です。息がしやすいが値段が高くなるということで、そこに価値があるのかと非常に紛糾しました。ただ機能は良いし、「ナノ」とお客様に伝えやすいキーワードもあった。よく分析されたプレゼンだったので、「リスクを冒してでもやろう」と決断を下せました。

構想段階から発売まで、プレゼンの機会を1商品当たり3~4回設けているのもポイントです。一発勝負で企画を通そうとなると、次第にリスクが無い企画ばかりが提案されたり、結局発売されない商品の開発に何カ月も費やしてしまったりする。これでは個人、会社に不利益です。3~4回のチャンスがあるから、それぞれの知見がフィードバックされた、いいアイデアに落ち着くと思っています。
社員は、この会議でどう説得するか、非常に力を注ぎます。その準備が、お客様や関係会社を説得するときに、必ず役に立ちます。

うちのカールは性能、値段にシビアなタイプだ。なんだかアイリスオーヤマと共通点があるよう。カールがアイリスオーヤマを買う、これは必然のことだったかもしれない。

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