2016年12月12日月曜日

命は一つ

相変わらず内視鏡検査が多い日々だ。その分後日病理結果説明に来られる患者も多い。

今日私が説明したのは、先週他Drが検査、生検した40才代の男性患者だった。結果は癌で検査の時にも手術が必要かもと言われていたようなのだが、告知したところ「えっ」という表情だった。よく聞くと記憶がおぼろで「15cm・・」という数字だけは覚えているも他は曖昧なままだった。15cmはある部位から癌までの距離の数字だった。手術が必要なのは明白なので外科に先生に今から説明してもらうようお話しをした。本人には青天の霹靂だったかもしれないが側に付いていた奥さんは事前にネットで調べていた形跡があり夫の口ぶりからもしやと思っていたいたようだ。こういうときには家族いっしょがいい。

この患者さんで少し残念だったのは、今年4月、去年4月にも検診で内視鏡検査を受けるように指導されていたことだ。1年8ヶ月も病気が放置されていた可能性が高い。「去年、受けていればこれはまだ小さかったのですか」と聞かれ「そうだったと思う」と答えると、じっとして返事はなかった。何にも症状がないし、まだ若いし、いずれ受ければいいさ、検査は面倒・・などなど言い訳はたくさん言える。でも命は一つ。今となっては助かる道は手術を受けることだけ。

後でカルテで確かめると今年中には手術を受けることになっていた。

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