2016年8月6日土曜日

「赤ひげ診療譚」

リオ・オリンピックも開会式があって競技もいよいよ本格的に始まった。私は主に柔道を見ていた。4、5分の短い試合時間で一瞬で勝負が決まり見ていてスカッとするからね。

男子60kg級の高藤直寿は目つきが鋭いなァ。順調に勝ち進むかと思われたが準々決勝で相手に一瞬の隙を突かれ隅返しで一本負けをしてしまった。あー・・。実はこの前に水球予選でギリシャ相手に7−4でリードしていたのに最終第4ピリオドでまさかの4点入れられ7−8で負け五輪初勝利を逃していた。結局いつもの日本選手で期待しても思い通り行きかけても結局負けてしまうパターンかよと少々くらい気持ちになった。

そんな五輪チラ見の今日から山本周五郎の「赤ひげ診療譚」を読み始めた。この前の「青べか物語」が面白かったのでようやく同時に買っていた「赤ひげ」も読む気になったのだ。「赤ひげ」に手が伸びなかったのは黒澤明の「赤ひげ」を既に見ていたからというのもある。エピソードがおおよそ同じだから新鮮味に欠けるしー。しかし思っていたより面白く、出だしの狂女の話しも映画と違い小説的技法が用いられ意外性もあった。それに医学的にも納得いく説明がなされ作者がきちんと取材して上で書いているのもよく分かった。この他人情味あふれる江戸期の民衆の生態や機微が描かれじわーんときた。赤ひげは主人公扱いではなく弟子にあたる若手医師保本登が主人公だ。映画では加山雄三が演じている。しかし真の主人公は江戸の庶民だ。これに赤ひげのヒューマニティと保本の成長が加わる物語で小説離れしていた私に「お、小説ってやっぱり面白な」と思わせてくれた。今度、別の周五郎作品を読んでみよっか!

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