2018年9月7日金曜日

3人出血3人止血

金曜日の私の仕事は外来である。基本的に内視鏡はしない。だが3件もカメラを握る羽目になった。

一人目は蒲生のラッキーエンドクリニックからの紹介患者で、「胃カメラ入れたら胃の中が真っ赤だった」からと、即抜いてこっちに救急依頼してきた。内視鏡止血出来る自信がなければそれが正解。私もたいていの止血は行うが胃の静脈瘤出血だけは鹿児島市内の病院に依頼している。予定の胃カメラ患者が多くてこの人は私が担当した。見れば典型的な出血性胃潰瘍だった。高張エピネフリン局注とクリップできれいに止血し入院となった。

二人目はこれもまた蒲生からでイジケ医院から。昨日下血があったということだがヘモグロビンは10.1g/dlと紹介状にあったからまあ大したことないだろうと思っていたら大間違い。採血してみたらなんと4.7g/dlしかなかった。紹介状をよくよくみれば8月半ばのデータだった。内容から肝硬変が考えられる患者で静脈瘤出血も十分に疑われ緊張してカメラを挿入した。食道には静脈瘤はない。がしかし、胃に立派な静脈瘤が・・。こりゃまずいぞと思いつつ観察すると静脈瘤はあるにはあるが出血しているのはその近くのポリープの表面からだった。へー、これは珍しい。ポリープ出血でこんなに貧血を来すのは稀だからだ。(↓上が出血ポリープで下の蛇行しているのが胃静脈瘤)
ただこの人は血液の抗凝固剤を服用していた。それで出血しやすくなった。ある意味薬の副作用といえよう。で、これはポリペクトミー&クリップ縫縮することで止血した。当然入院で輸血も必要だ。

やれやれと思っていたら、今度は下血患者が来たと。もうここは本来の内視鏡担当のピッピDrにでもと思ったがERCPに入っているという。下血はたいてい私の担当だからこの勢いで最後まで面倒みようか。もし憩室出血だったらまた面倒だが・・。でもこの人、普通の痔出血だった。以前も私の治療を受けていて今回も結紮ゴムで止血してあげた。ふう、簡単に済んで良かったぜよ。

3人とも出血のパターンが違い止血法もそれぞれ違った。まあ内視鏡医冥利に尽きるとも言えるが本当は外来担当だったんだよー。

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