2018年6月28日木曜日

勝負師西野

夜、空港にカールを迎えに行って帰宅後、シャワーも浴び、W杯の日本対ポーランドを見る準備をした。試合開始直後、片手にビールと行きたいが気分悪くなりそうでサントリーのノンアルコール「オールフリー」を飲んで観戦した。同時進行のコロンビア対セネガル戦を2画面同時にしてだ。日本は先発を6人も代えて臨んでいた。それには勝算ありなのか?やはり前回までより力、バランスともに劣っている感じがあり前半何回ゴールを脅かされそうになった。そして後半、槇野の反則後のセットプレーから1点決められてしまった。

それ以降はなかなかチャンスが来ない。もう一つの画面のコロンビア、セネガル戦は0ー0だ。このまま終われば日本は決勝トーナメントに行けなくなる。もしここでコロンビアとセネガルが示し合わせて「引き分けで終わろうや」と「談合」すれば二者とも進出できる。これが後半終了頃だったら十分ありうることだった。しかしコロンビアが1点先制する。このまま終われば2勝1敗勝ち点6でコロンビアは文句なく抜け出せる。となると、日本とセネガルは勝ち点も得失点差も総得点も全く同じ。どっちが進出できるんだと思ったらフェアプレーポイントで日本がセネガルを上回り行けるんだと。何それ?イエロカードやレッドカードなどをポイント化し反則がより少ない方を優遇する今大会からの決まりだった。ほほう、日本は伝統的にラフプレーが少ないのでこういう時には有利だ(韓国は逆にラフプレー、反則は一番多い)。しかしまだ10分以上残っている。日本が得点出来ずセネガルが1点でも入れればあっという間に敗退が決まる。1点入れ同点にでもすれば間違いない場面だったが・・。

長谷部を入れる前からあれ?攻めないのという感じになっていた。そして残り10分、0ー1のまま終わらせる作戦を取った。うわー、大丈夫かよー。他力本願を取るとは。場内はブーイングだ。コロンビアにしてみれば同点でも進出OKだから力を抜くかもよ・・いや、やはりそれはあり得ない。引き分けのままではもし日本が同点に追いつけば敗退してしまう。だから必死に守った。最後は日本戦は見ずにコロンビアを応援していた。結果はみんなも承知の通り、0ー1の敗戦を受け入れトーナメント進出を確定させた。私は西野監督は勝負師だなと思った。攻めてカウンターのリスクを負うより攻めず他力を信じる作戦に出るとは、いやはや。

終わって上から目線の他国マスコミはこのプレーを相当非難していたようだ。しかし何を言っているのと思った。似たような行為はこれまでごまんと見てきた。特に予選リーグ第3戦にその手の試合が多いのはお互いが引き分けでよしのケースがあるから。それにこの前の4月にあった女子サッカーでも女子ワールドカップの出場権をかけたなでしこジャパンはオーストラリア戦、1点リードしたが同点に追いつかれた後はなんとセンターライン付近でずっとパスのし通しに徹した。オーストラリアもボールを奪いに行く素振りだけで向かってこない。5分くらいそれを繰り返し試合終了となった。実は日本もオーストラリアも1対1の引き分けならば両者出場権を得られる状況だったのだ。現行のサッカーのルール上、互いにそれに則(のっと)ってした行為で攻められるべきことではないだろう。しかも西野ジャパンは相当なリスクも背負ってのことだ。セネガルが得点していたらほれ見たことか、あるいはポーランドに2点目を取られたらなんでボール回しに徹しないと言うに決まっている。だから上から目線のお気楽講評だって言うんだ。西野監督は失敗したらきちんと自分に責任があるときっと言ったに違いない。周囲の雑音はどうあれ立派な指示だったと私は思うゾ。

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