2017年11月19日日曜日

ゆるキャラブームもそろそろ

投票でご当地キャラクター日本一を決めるゆるキャラグランプリが18 、19の両日、三重県桑名市で開かれ、千葉県成田市のウナギと成田空港にちなんだ「うなりくん」が今年のグランプリに選ばれたとのニュースがあった。うなりくん?へー、全然知らんわ。実は日本一になるために成田市が必死になってキャンペーンを施し念願の1位になったようで、この間グラビアで話題にした週刊現代11/4号の69ページに10月17日時点での様子が出ていた。

「得票数をかさ上げするために、成田市が市職員に対し、一人で大量のメルアドを取得させ、何票もの投票を行わせているのです(成田市職員)」との発言もあり、そこまでするかという意見にはルール違反ではないと悪びれる様子はない。そこまでこだわるのは第2回ゆるキャラグランプリで一躍有名になったくまモンのもたらした熊本県への経済効果が2年間で1244億円にもなったという事例があり、「うなりくんが市のキャラクターとして知名度を上げ大活躍するためにもグランプリで1位を獲ることがぜひとも必要(成田市観光プロモーション課)」「ゆるキャラの笑顔の裏には、まったくゆるくない大人の事情があった」(週刊現代11/4号)

別の報道記事によると、うなりくんは10月30日まで暫定1位だったが、翌31日に愛知県知立市の「ちりゅっぴ」に追い抜かれたという。今回はこの2体が3位以下を大きく引き離し事実上のマッチレースだった。そこで「2位じゃダメなんですか? ダメなんです!」とネット投票期間の“ラストサンデー”となった11月5日、成田市内のショッピングセンターで開かれた防災関係のイベントであいさつに立った小泉一成市長は、うなりくんへの投票を来場者に呼びかけ、会場には「必勝」の鉢巻きを締めたうなりくんも駆けつけた。
今回の“出馬”に向けて市は9月に「選挙対策本部」を立ち上げ、小泉市長が本部長に就任。市長自ら企業回りやイベントの場でアピールを積み重ねるなど、必勝態勢を敷いたんだそうだ。いやはや。

ところで、このゆるキャラグランプリイベントは再来年の東京オリンピックの年には終了の予定との情報もある。ま、それも当然だろう。ちなみに歴代のチャンピオンたちを列挙すると、第1回2010年「ひこにゃん」、11年「くまモン」、12年「バリィさん」、13年「さのまる」、14年「ぐんまちゃん」、15年「出世大名家康くん」、16年「しんじょう君」、そして今年の「うなりくん」、私は2年前に鹿児島にゆるキャラが集まってカールと見に行った時に「さのまる」を見て知っているが14年以降のキャラは知らない。全部知っているとしたらそれは相当なオタクだけだろう。

あるエンタメ誌ライターはこう語る。「非公認とはいえ、年収7億円ともいわれたふなっしーの凋落が象徴するように、ゆるキャラは完全に飽きられました。一時は地方自治体でも人気キャラクターを作ることが町おこしの一番の近道とも言われましたが、庶民をゆる~く楽しませるためのものが、いつの間にか職員の組織票やゴリ押しが取り沙汰されたり、さらに各業界でもキャラクターの乱立が起こり、世間が食傷気味になってしまったんですね。結局、ほとんどが淘汰され、国民も『ゆるキャラは“くまモン”だけでいいのでは?』という気持ちになったことは否めません」確かにねえ。ここ数年の受賞史を振り返るだけで、いまやオワコンと言われるのも確かにうなずける。

一般のヤフーコメントで「あからさまな組織票で決まるようになったら芸能人もゆるキャラも終わりだと思う」「ゆるキャラの役目は終わったよね。ご苦労さまでした」とい言われており、特に反論する気は起こらない。ま、地方自治体ってこの手のブームによく乗っかかる。今から3、40年前には「ミニ独立国」ブームがあった。岩手の「吉里吉里国」あたりから盛り上がり、各地でミニ独立国の建国が相次ぐミニ独立国ブームが起こり、最盛期には200カ国を数えTVにも紹介されるなどした。で、どうなったかというとWikipediaによれば「しかし、乱立によりインパクトが無くなったこと、後発国の無計画性などで飽きられ、ブームは沈静化した」んだそうだ。あは、今回のゆるキャラブームも同じ末路を歩むのはほぼ間違いない。ただ、エンタメ誌ライターが書いているように、少なくともくまモンだけは残るだろう。造形の出来の良さに加え、県の管理がしっかりしているし、熊本地震でもそのキャラが県民に潤いを与えていた。ゆるキャラはこうでなくちゃいけないナ。

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