2017年9月2日土曜日

チャンドラ・ボース

ビデオでNHKBS映像の世紀プレミアム第6集「自由への戦い」を見た。フランスの銀行家アルベール・カーンが残した100年近い前のアジアでの映像から始まる。まるで奴隷か動物にエサをやるようなアジア人への偏見もしっかり残されていた。

インド、中国、朝鮮、香港、ベトナム、サウジアラビア・・。私は世界史を習わなかったのでインドの歴史はあまり知らず今回インド独立運動に奔走したチャンドラ・ボースという人物を初めて知った。インドからイギリスのケンブリッジ大を出た後、マトハマ・ガンジーの独立運動に身を投じるが非暴力主義には反対の立場をとり、自ら独立のために武器を持つべきとしてその路線を推し進めていった。この人、ファシズムに興味をもってナチスドイツに取り入ったり共産主義にも賛同したり第二次世界大戦中は来日し日本の協力を得てインド独立を画策した。無定見にも思えるが、インド独立を成し遂げたいというその姿勢が一貫している。そのためにはナチスだろうがソビエトだろうが日本だろうが構わなかったのだ。敵の敵は友を地で行った。最期は終戦直後の1945年8月18日、台湾からソビエトへ向かおうとした飛行機のプロペラが外れ事故死した。インドではボースの人気は高くその死を信じようとしない人々が旧ソ連やヒマラヤ山中で生存しているとの説が依然あるという。遺骨は日本の東京杉並の蓮光寺に保管されていてかつてインド要人、ネール首相やインディラ・ガンジーなども訪問したそうだ。寺には銅像も立てられている。

イデオロギーは民族愛にかなわない。そんなことを私は感じたのだった。

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