2017年6月29日木曜日

病院の午前、ある一コマ

午前は内視鏡担当でドック利用者の胃カメラを主にしていたところ、検査と検査の合間に病棟からピッチに連絡がー。

「XXさんの脈が遅くなっています。呼吸もしていません」なにそれ。

すぐに病棟に向かった。病室に入ると看護師さんが心臓マッサージをしている。気管挿管はまだしていない。しかし私はあえてしなかった。ちょうど家族もいて承諾を得ることもできたのだが。

その患者は昨日施設から救急で入院したばかり。いろんな病状を合併した99才の超高齢者だったのだ。あと2ヶ月くらいで満100才になるとは聞いていた。しかし入院の時点で「これは相当厳しい。治療はもちろんしますが・・」と家族には念を押していたのだった。心臓マッサージ(胸骨圧迫)と強心剤注射は行ったが有効な心拍再開は得られなかった。30分経たずに家族を呼び、「これ以上治療を続けても回復の見込みはない」と告げ、了承してもらい蘇生処置を終えた。

すぐにナースステーションに行き電カルに記録しサマリーも書いた。で、また内視鏡室へ。現在内視鏡担当は午前は3人就かせているからこうした突発的な離脱にもどうにか対応できる。残りの胃カメラをしているとまた病棟から連絡がきた。「先生、(死亡)診断書を書いて下さい」あ、それを書き忘れていた。それがないと亡くなった患者さんは病院を出ることが出来ない。私が病棟に行くべきところ手が離せず看護師に来てもらった。

それからしばらく、午後になって病棟に行くと「あの方はもうお見送りしました」と言われた。あ。私が忙しそうだったので連絡を控えたそうだ。今までだったら必ず打診してきたのだが。うむ、まあいいか。それも大事かもしれないが患者さんには生きているときに最善を尽くすことが一番だからな。

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