2017年6月13日火曜日

アルファ碁ショック

今夜は当直。医局にある碁盤を取り出して側にパソコンを置き、私が並べた打ち碁は最近公開されたアルファ碁同士の対戦50局のうち第42局。もう、このAI同士の打ち碁は驚きの連続だ。これまでプロ同士の碁には見られない打ち方があっちこっち出てくる。これまでの常識を打ち破るといっていい。戦いの途中での手抜き、星への超早期三々打ち込みなど、並べれば並べるほど「へー」「え、ここでこう打つ?!」あきれるばかり。実際に碁盤の前で並べてその感を強くした。第42局はまだわかりやすい方で、今後この50局はプロによって研究され新しい打ち方がどんどん出てくるだろう。新聞によると「世界戦制覇の実績を持つ中国の時越(じえつ)九段は「遠い未来で行われている対局のようだ」。AIは人間が相手だと早々にリードして堅実な手を選ぶが、抜きんでた棋力を持つAI同士では双方が踏み込んだ手を放つため、超絶の棋譜が生まれたとみられている。囲碁AIに詳しい大橋拓文六段は「わけがわからない。人間が打つ囲碁と同じ競技とは思えない」。今後の棋士像を「強さが棋士の絶対的な価値ではなくなり、囲碁の魅力を伝えるなど他の役割の比重が高まるのでは」と予想している」とのこと。碁界に与えたショックは想像以上のようだ。
https://deepmind.com/research/alphago/alphago-vs-alphago-self-play-games/

かつて昭和の初めに木谷実と呉清源によって提唱された「新布石」法が熱狂的に迎えられたように既成概念を打ち破るものだ。それがコンピューター=AIによって示されたというのがいかにも現代的。すでに韓国のイ・セドル、中国の柯潔(かけつ)、日本の井山裕太など世界のトップ棋士を破っているゆえにいわば碁の神様同士の碁はこうなるのかも。50局のうち後手の白番勝率が76%と異常に高いが、これはコミが中国ルールの7目半になっているためやや白有利といわれているから仕方ないか。日本ルールだと6目半だからきっと五分に近くなるだろう。

碁盤を前にそんな思いを巡らせていると救急ピッチが鳴った。やれやれ、どんな患者さんかな?

何これ?へー、夜釣りを友人をしていたら投げられた擬餌釣り針が頭に刺さったって。擬餌の小魚が邪魔だったけど局麻してペンチとカッターで取って上げた。これなんかは麻酔を使わなければ誰でもできる。大工さんの領域やね。終わってカルテ記載は私にしてはきれいに図が描けたわ。(⌒о⌒)

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