2023年7月21日金曜日

出没、放射線女

霧島市の某知り合いのDrから電話があった。「こんな患者が来たのだが」と言われ、どういう患者か聞いて「げっ!」と反応してしまった。

「40歳くらいの女性が外来に来て」「放射線のせいで体調が悪いと言っていて」

こてる日記の愛読者なら思い出す人がいるかもしれない。過去何度も話題にした「放射線被害妄想」女のことだったのだ。患者名を聞き、やはり間違いなかった。その患者は「あちこち病状の相談をしたがなかなかよく聞いてもらえない」とこぼしていたとか。姶良市内の医療機関では埒があかず、霧島市の病院にまで脚を伸ばしていたのか・・。しかしそこの病院、車で行っても少し遠いぞ。

「右の腕は少し黒いが、左の腕は白い。これは放射線の影響だ」「実は私の親は亡くなってしまっているが、肌の色が黒ずんでいた。私が放射能を出しているから、その影響だろうか」「そもそも私は学生時代に放射線発生装置を実験で扱った際に被爆した。専門的に治療出来るところに紹介して欲しい」と訴えたそうだが、診察しておかしさを感じた某Drは「それはできない」と断ったそうだ。正解だ。彼女の言い分をそのまま紹介状に書いたら医者としての良識を疑われる。「もう10年以上も前から青雲会病院に来て放射線被害妄想の訴えを言い続けている。他病院に紹介状を書いたこともあるし、いろんなアドバイスをしたこともある。しかし意固地な自説を曲げないため『当院ではもう診察は受けられない』と突っぱね、受診不可にしている」と教えてやった。

そもそも何で私と関係があるとそのDrは分かったのか。それは彼女が差し出したこれまでの経緯を書いたメモ紙にあった。その中に「青雲会病院 こてる医師」の名前があったからだと。うえー!よしてくれよー。いちいち経緯を説明するのももどかしく、過去のこてる日記を要約したものをLINEでそのDrに送った。(2022/6/24「放射線女」https://koteru-nikki-2015.blogspot.com/2022/06/blog-post_24.htmlと2019/5/8「また放射線被爆妄想患者」https://koteru-nikki-2015.blogspot.com/2019/05/blog-post_8.htmlすると返信が「あとでゆっくり読みます🙋‍♂️」だった。はは、そうだろうて。

以前、県の保健科だったかな、「患者さんからの抗議で青雲会病院は『受診拒否』をしているそうだが」と確認の電話があった。抗議したのはその女性患者だった。それに対しては、当院ではきちんと診察もし、検査もし、場合によっては紹介状も書き、当院の病状に対する見解も何度も何度も彼女に説明をしてきた。実に2008年から何人もの担当医が(主に私であったが)対応してきたが、彼女は自説を曲げず1時間以上も診察をねばり、他の患者の診察にも支障を来すようになった、警察を呼ばざるを得ないこともあり、受付の段階で診療を拒否するようになったことなどを弁明し、納得してもらったのだった。去年など、こてる医師を病院の外で待ち伏せしているという情報が入り、病院内に緊張が走ったこともある。「こてる日記」を読んだそのDrからの返信には「まさに(こてる先生のケースと)同じことを言っていました。わたしももう関わらないないようにします👿」とあった。

頑迷な妄想を持つ患者さんを治療するにはいったいどうすればいいんでしょうねえ。

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