2019年5月8日水曜日

また放射線被爆妄想患者

はあ、こうして日記に書くのもしんどいネタである。以前も何回か書いたことがあるのだが、放射線の被害妄想としか思えない30代女性患者のことだ。

最初に診察したのは2008年のことで次診たのが2012年。そしてだいぶ経った今年3月4月と来て、時代は令和になった5月、今度は私を指名して診察に来た。11年前から本人が主張することは変わらない。いくら論理的に「(あなたの言っていることは)おかしい」と言っても、最後は必ず「でも、私、放射線が当たって顔の皮がつるつるになったし口から汁も出たんです。40シーベルトも出ていたんです。意識も失って死にかけたんです」となって話が発展的な方向へと進まない。

「それで結局、何をしてもらいたいの」と突き詰めると、要するにそんなこんなで体の調子が悪いから障害認定をしてもらいたいからそれに協力して欲しいということだ。

誰が協力できるかい!

医師たるもの、医学的根拠ありと納得出来ないのに、患者が要請すれば「はいそうですか」となれる訳がない。そう説明するのだけど頑迷な主張は毎回変わらない。診察を打ち切りたいがこの患者は非常に粘り強いんだ。なかなか帰ろうとはしない。午前の終わり頃いつもやって来るので他の患者診察を済ませてから診ている。30分40分経過しても引き下がる気配がなく、チェリピアNsが「先生、救急車が来ます」と連絡してきて「だからね、私も忙しいの。これ以上お話しても意味がない。放射線の器械を担当していた時の教授に『文書』にしてどのくらいの線量だったか確かめて下さいよ。絶対に40シーベルトじゃないはずだから。だとしたらあなたは確実に死んでいるんだから。(6〜7シーベルトでも人の50%以上が確実に死ぬほどの線量である)」でもいくら言っても無駄。何て言ったって10年以上もの頑固な放射線被害妄想を続けている、たった30分や1時間で考えが変わるはずもない。

私は他にも考えられる病名として(多分違うと思うが)「ナルコレプシー(急な居眠りを来す奇病)」ってのもあるよと教えた。だとしたら放射線被害妄想よりはマシだ、だって先へ進めるもの。この患者、放射線被爆であると思い込むことで自分の置かれている状態がもしかしたら心地よいのかもしれない。そこに安住している。体調が悪かったり社会生活が上手くいかないこと全てを放射線のせいに出来る・・。

今後この患者が診察希望してきても私は診療拒否するつもりである。その理由も全てカルテに書いておいた。

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