2023年7月23日日曜日

「アヒル取り競争」反対になぜか居心地悪し

沖縄の糸満市で毎年行われている伝統行事「糸満ハーレー」のイベントの一部のアヒラートゥエー(アヒル取り競争)を動物虐待であるとして、動物愛護団体の「NPO法人のアニマルライツセンター」がイベントの委員長など3人を刑事告発したというニュースがあった。アニマルライツセンターの岡田千尋代表理事は「生きたアヒルを(イベントに)利用することが、例えもし万が一歴史だと、伝統だと言ったとしても、法律、社会通念そして教育上、今の時代には弊害を生む要因になってしまう」と述べたという。

これに沖縄出身のカールは反対意見を言っていた。「私はアヒルを捕まえたいとは思わないが、伝統的に行われているものを部外者の観点からだけで決められて欲しくない」「アヒルのモーター付きおもちゃ代用なんかじゃ済まない」そして「世の中、自分の意見が正しいと思っている人が多すぎる」と突っぱねた。行事委員会の間ではこの件について「動物虐待にならぬよう注意点も喚起している」「続行か反対かで話し合い、続行希望が大半であった」ということだ。行事委員長の東恩納氏は会見で「何百年も続いてる糸満ハーレーの伝統行事。伝統を重んじる旧暦文化重んじる糸満の先輩たちが残してくれたあの歴史をですね、ハーレー行事委員長としては、その重責をですね、全うしていく以外にないなと強く思っております」と言い、カールはこれを見て「こんな批判にすぐに折れず、きちんと説明して続行を決めた態度は立派だ」とも言っていた。
私もほぼカールに同意見だ。日本の捕鯨活動に反対しつづけ暴挙ともでいうべき行動をとっていた環境テロ団体シーシェパードと同じとは言わないが似たようなものを感じる。自分が「正しい」からと考えて、それに基づき全てを判断し行動するのは危ういのだ。動物愛護?その人たちは牛や豚や鶏は食べないのかな。そんなことはあるまい。でも殺された動物にしてみればなんら変わらない。海に放り込まれて捕まえられたアヒルは殺されないだけまだマシかも。

カールは那覇市出身で、糸満ハーレーは一度も見たことがないという。沖縄では他地域では爬龍船競争をハーリーと呼ぶが糸満だけはなぜかハーレーと呼び旧暦に沿って行われる。糸満は漁師町のせいか旧暦での行事が旧正月など今でも多く残っている。那覇ハーリーはずっと規模が大きく、今では新暦の5月3〜5日の3日間行われ参加者も多い。余談だが、カールの祖父は那覇ハーリーの復活に力を注ぎ、長くその実行委員長を務め(糸満は「行事」委員長、那覇は「実行」委員長)、沖縄では「ハーリー男」として有名だった。そんな祖父の血を引いているからというわけではないが、動物愛護団体の一見正しい意見になにやら座り心地の悪いものを感じているようだ。

30年ほど前のことになるが、カールの祖父は那覇ハーリーの参加チームに「米軍の海兵隊チームが参加しているのになぜ日本の自衛隊チームを出さないのか」という意見にこう弁明していた。「無論、自衛隊チームには出て欲しいと思っているが、今の日本や沖縄には自衛隊に反対する勢力がある。その勢力がハーリーへの自衛隊参加をよく思っていない。実行委員会が自衛隊を参加させると妨害行為をする可能性があり、現況では参加を見送っている」ときちんと文書で答えていた。実行委員長には何よりハーリー存続が一番の大事であった。それから10年ほど経ってハーリーを家族で見に行くと、その頃は自衛隊チームも参加するようになっていた。↓は2004年ハーリー船の体験乗船で左セージ、右テル。下はハーリー衣装のチッチ。黒色は本バーリーに参加する那覇、泊、久米(全て那覇市にある地名)のうち泊チームの衣装だ。チッチの祖先は泊だから当然黒色やね。なお、今年は8年ぶりに泊が優勝したそう。

そういえば、似たような問題が1ヶ月以上前にもあった。都市公園のプールでのビキニ水着の撮影会が某政党の「水着姿の女性がわいせつなポーズやわいせつなしぐさで映っており、明らかに『性の商品化』を目的とした興業」という反対意見が出て撮影会が中止に追い込まれたという。おいおい、よせよ、それくらいで。某グラビアモデルは「私たちグラビアアイドルは強制され性被害としてプール撮影会に出演している訳ではありません。好きで水着を着ているし好きで撮影会に出演しています」などと抗議したそうだ。主催者も騒動を恐れて中止とは少し気にしすぎじゃないか。私は某政党が政権を握ることがあってはならないとさえ思ったな。

建前やきれい事が全面に出てみんなそれに従う社会はごめんだぜ。

0 件のコメント:

コメントを投稿