2018年10月17日水曜日

「早苗」さんにはヒゲが生えていた

青雲会病院は10年以上前から電子カルテに移行したんだが、完全に紙と縁が切れているわけではなく、事務と外来との橋渡しに患者名や住所のほかメモなど書かれた紙1枚が使われている。で、その紙を手に取り患者名を見てから患者番号を打つかバーコード読み取りで電子カルテを開く。その際、年齢やメモからどんな患者なのかぼんやりと予想をする。でも、ドアが開けられ入ってきた患者をみて面食らうことがある。

「あれ、男だったんだ」

今日の患者さんの名前の場合、「早苗(さなえ)」という名の中年男性だった。うー、性別はその紙に書かれてはいるのだが、これってまず女性でしょ。そう思うからいちいちそこを確かめなかった。この手の勘違いが毎週のようにある。多くは最後に「美」の字が付くケースだ。これがすごく多い。「勝美」は男のことが多くさほど迷わない。「正美」「輝美」「辰美」「豊美」はまあ男もあるかな。でも「清美」「春美」はほとんど女でしょ。でもこれら、この1週間に出合った患者さんばかりで全て50才以上の男性の面々だ。それで「徳美」さんも男性かと思いきやこの人は女性だった。中には「僚美」というのもあってこれは男性。難しい。

先の早苗さんなんか50年以上「いえ、男です」って言い続けて飽き飽きしているはず。親もいくら自由に名付け出来るといっても少しは子どもの人生を考えて欲しい。まあそのおかげでカルテでの名前確認では「美」で終わる時、このところ必ず性別をチェックする習慣がついた。ついでに言わせてもらうと最近の平成キラキラネームは逆に女か男か分からない名前も多くこの手の勘違いは少ない(ていうか、読めない問題の方が大きい)。

ともかく、思い込みは医療ミスの原因の一つ、名前で性別を速断することないようにしよう。

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