2018年10月24日水曜日

「美しきチャレンジャー」の楽しみ方

昨日のボウリング練習が終わった後、エリックMRが私によければ見て欲しいと昔のボウリングTVドラマ「美しきチャレンジャー」のDVD第1巻を貸してくれた。新藤恵美主演で昭和46年のTBS日曜ドラマである。実は「美しきチャレンジャー」のビデオは25年ほど前にCSで放送された時録画して私は持っているのだが悲しいかな第1話だけは録り損ねていた。で、それを見直したいかというとそれほどでもなくせっかく貸してくれるというので見てみた。

まずオープニングの主題歌が筒美京平作曲でなかなかに素晴らしい。さすがの出来映えだ。新藤恵美自身が歌っているがなぜか競作になっていて堀江美都子バージョンもあり歌自体はそっちがやはりいい。https://www.youtube.com/watch?v=EeYcMeeE7nsドラマが始まるとナレーションで毎回「現代のスポーツボウリングは今やオリンピック種目に加えられようする動きすらある。このボウリングに青春を賭け、厳しさと孤独に打ちかち・・・一人の少女がいた」と流れるのだが、オリンピックに加えられようとするその動きはずっと50年経とうとする現代もまだ続いていて未だにかなえられてはいない(笑)。

主人公「小鹿みどり」役の新藤恵美はロングヘアサラサラでいかにも美形女優の趣きだがやや目がつり上がっていてややキツさも感じられる。
後にいじわるな年増役がハマっていたがその片鱗はすでにこのドラマでも出ているねえ。しかしこのドラマでは逆にイジメを受けるはずで以前見ていた時はそれがひどくてイヤになるほどだった。それに現代ではあり得ないシーンもいくつもある。ボウリングコーチ役にあのウルトラセブンの主人公「モロボシダン」の森次浩司(晃次)が出ているのはよく知られているが、挨拶の次にタバコを吹かすのは今じゃまずないわ。とそれに主人公が彼の居所をしるために雑誌社に「高峰プロ(ボウラー)の住所を知りたいんですけど」と電話を掛けるのには「え?」と思った。絶対教えないでしょ。でも雑誌社の人は「(教えてもいいけど)担当者が出かけているから」と断るのだ。今なら「そんなの個人情報だから教えられません」と一蹴するに決まっている。

それと今のドラマと決定的に違うのはやたらナレーションで語ること。女性主人公の心情からライバルの気持ちまで男性ナレーターの石原良がおどろおどろしい効果音を背景に「こんなはずではない・・みどりはそう思うのだった」「茜の投げたあの変化球、それがどのようにビッグフォーを倒すのか、みどりには分からなかった」などと語りまくるのだ。そんな言わなくても見ていれば分かるだろってツッコミを入れたくなる。また第7話でライバルの茜がビッグフォーを倒す魔球に挑む話が出てくる。確か主人公もやがて7-10スプリットを攻略する魔球を投げると記憶している。でもボウリングをする人なら分かるはずだが「そんな滅多に出ないスプリットの練習をするよりまずストライクをたくさん取る練習が優先でしょ」となぜ言ってやらない。ま、魔球はスポーツドラマのお約束だから仕方ないか(ここでも(笑))。

当時のプロボウラーのゲスト出演も多く、第1話ではやはり中山律子が出てくる。左利きの石井利枝も出てきてつい最近のラウンドワンカップにも出場していたのにはうれしくなった。男性ではやはり矢島純一が第2話冒頭できれいなショートフックを投げるシーンがあり、一度いっしょに投げたことがある身としては、いや涙ものだ。さらに物語中盤では鹿児島ロケがあった(はず)。ボウリング部のメンバーが霧島の林田ホテルにやって来てそこでボウリング練習をするのだ。ずっと後に一度だけ私もそこでボウリングをしたことがある。去年休館となってもうそれを拝むことは出来なくなった。今じゃ当時の鹿児島の様子が見られる貴重なフィルムといっていいのではないか。あまり期待しなかったDVDではあったが意外に面白さがあるナってのが感想だ。

そうそう、言い忘れていた。新藤恵美って言えばこのドラマの放送年、実はあの火野正平と付き合っていたのだ。正平は当時すでに一般人と結婚していて未だにその人との籍は続いている。今だったら相当なバッシングを受けるだろう。ドラマを見ていて「ああこの撮影が終わったあと彼女は正平のところに行っていたのかー」と今NHKBSで「日本列島こころ旅」で自転車こいでいるはげ頭のおっさんの姿が連想され妙に複雑な気持ちになるのだった。

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