2017年4月12日水曜日

粘って3時間

当直明け。さっそく内視鏡室から電話があり「早く降りて来てください。可愛いんだ理事長が待っていますよー」と年1回の定期検診胃カメラのための催促があった。まったくゆっくりもできないわなー。でも後から思えばこれは大したことではなかった。

例の大腸憩室出血患者。病棟から「新鮮血の下血が出ています」との連絡で、「そうか今度こそ出血源を見つけたる」と胃カメラや予定大腸内視鏡が終わった後の15時過ぎから取りかかった。出血部位はS状結腸か上行結腸のいずれか?これはより多く凝血がある上行結腸だと推測できた。それで回盲部から丁寧にスコープを抜きつつ憩室を観察した。しかし憩室は何個もあるけれど一昨日同様やはり見つからない。絶対この中から出血しているはずなのだがー。抜いたり入れたり。1時間過ぎてもまだ見つけられない。ううむ。さすがの私もふと今回はあきらめようかなと弱気になりかけた。しかしやるだけのことはやらねば。

で、いつもはしない右側臥位を患者に取らせた。するとこれが功を奏した。再出血したのだ(させた)。やはり上行結腸からだった。血がいっぱい管腔に付着し普通なら慌てるところ私は「よし!」と声を上げた。これで出血源が見つかる。だがここからがまた大変。今度は血が多すぎてどこが出血源か分からない。副送水や洗浄液で洗い落とすも見つからない。1時間また経過する。ようやくおおよそ出血源らしき部位が分かり出血の勢いを弱めるためにボスミン入り生理食塩水を打った。さらに近辺の粘膜に目印となるクリップを掛けた。血が多くて見極められなかったものの最初のクリップ近くに出血源とほぼ断定でき、そこに追加クリップを掛け、一旦スコープを抜去した。スコープ先端に結紮ゴムを装着し再挿入。そこで先ほどの追加クリップごと一気に吸引しゴムで縛り上げる。これで終わり。最後はあっけない。でももう出血はしない。

おいおい気がつけばちょうど3時間を過ぎているじゃない。1件の内視鏡にこんなに時間をけるなんて過去最長・・かな。もう18時半近かった。19時からボウリング練習の予定でタナカッツMRからメールも届いていた。いやいや練習は無理だ。予定外の3時間のせいでまだ病棟業務を残していた。そこから2時間病棟にいて結局病院を出たのは20時50分になっていた。昨日の朝からずっと仕事でそりゃきつい。でも、一人の憩室出血患者をきちんと治すことが出来た。粘りに粘って・・。疲れてもうまくいけば満足だ。

食事は期限切れでもらった栄養缶とコンビニでのおにぎりとパン。帰宅して5分もしたら床寝、案の定BTQだった。

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