2023年8月19日土曜日

「ホストが愛を語り粉を売る」薬の名前とは

昨日の夕方のこと。外来診療も終わり、そろそろ帰ろうとも思っていた。そこにタクミDrからピッチで「衛材薬品のMRが面会希望ありますけど会われます?」との連絡があった。仕事が残っていたり疲れていたらおそらく断ったかもしれない。でも特に断る理由もなかったので少々面倒と思いつつもOKした。

外来診察室に入ってきたのは衛材のミノリンMRだった。初対面じゃないけれどまともに話をしたことはないかな。で、彼女が製品アピールする前に「ちょっと待って。この間確か薬品説明会があったよね」と確かめ、「いい。ドクターってあなた方が一生懸命アピールしても数日でそのほとんどを忘れているものなんだ。まだ言わないでよ。あなたが話したい薬品はねー」と言って、できる限り説明会で披露された薬品名、いやどのような薬効の薬だったかなどを思い出そうとした。「糖尿病の薬だったっけ?」「いえ、違います」「あー、貧血の治療薬か」「いいえ」「げー、やっぱり思い出せないよー」「これです」とパンフレットを出されて、ようやくそうだったと分かったのが爪水虫(爪白癬)の内服薬だった。「あーー、だったよねー(ほら、やっぱり、思い出せなかった)」

ちょうど1ヶ月ほど前に説明会があった薬品で、まあ忘れごろの薬品だわ。それで、いつもならさらさらとMRの説明を聞いて、軽く質問などしてハイお終いになるはずだった。しかしこの薬品「ネイリン」という商品名なんだが、一般名が「ホスラブコナゾール」という名前だったのに私の言葉遊び心がいたく刺激された。

「へーえ、ホスラブコナゾールって面白いネーミングだねぇ」「え、どこが?」と怪訝そうなミノリンMRに「だってさ、『ホス』を『ホスト』と呼んでみると、その後が『ラブ』と「コナ」だよ。なんだか怪しいよね。『ホストが女性客にラブを語ってコナを売るみたいなー』なんだか危ないシーンを連想しちゃうわぁ(笑)」と突拍子もないことを私は語った。そして「いや、この薬の名前、もう私は忘れないよ」と一人で盛り上がり、「ミノリンさん、あなたがそんなことをPRで言うわけにはいかないが『ある先生がこんなことを言っていました』とは言えるんじゃない。そしたらすごく印象に残るよねぇ」ともアドバイス(?)もした。

そもそも、MRは薬品の素晴らしい薬効をアピールしたいのだろうが、その前にもっと大事なことがある。それはまずは薬品名を覚えてもらうことだ。医師も膨大な薬の中から水虫に効く薬を出したい、そういえば最近もっとよく効く薬があったと説明会で聞いたことは思い出しても、いざ処方箋に書こうとしてもなかなかその薬品名を思い出せないものなんだ。そんな時、どうするかというと、これまで使って来た覚えている薬を結局出しちゃうんだ。薬剤師に尋ねたり自分で本やネットで調べればたぶん薬品名にはたどり着けるが、次から次にやって来る外来患者を診ないといけない。検索する数分の時間も惜しいのよ。

「このホスラブコナゾールは一般名だから先発商品名のネイリンを覚えてもらうには・・そうだねぇ」まあ、もともと爪=ネイルから取ったネーミングで比較的覚えやすい。しかし1ヶ月も経てば私のように忘れているかも。「そうだ、インリンって芸能人がいたよな確か。インリンが水虫になったネイリンを使っているという連想はどうだろう」私は記憶法の一つ、連想法が好きなんだ。でもインリンそのものの印象が私には薄い。やっぱりホストが愛を語って麻薬の粉を売るぞうのイメージがばっちし合うぜー。

そんなこんなで盛り上がってついでにミノリンMRともいっしょに写真を撮った。衛剤といえば6、7年前まで長くスリウェルMRと親しくしていた。私がスリウェルMRらとボウリングしている写真を彼女に見せると「あ、スリウェルさん」と、会社の研修会で合ったことがあると言い、スリウェル君は彼女にとって大先輩だから気安く声を掛けられなかったがお顔は見知っていたようだ。そこでLINEを使って今は横浜にいるスリウェル君に久しぶりにメールを送った。すると「お久しぶりです!今度、鹿児島行こうと思っていまして、こてる先生のところへ突撃しようと思っていました(笑)」と来た。そして串木野ゴールデンボウルが今年6月に閉鎖になったことを教えると「え!無くなっちゃったんですか・・コロナの影響ですかね。なんか悲しいですね、ああいう楽しみがなくなるのは」と返信してきた。2016年に私がパーフェクト達成した時はスリウェル君が全部動画に撮ってくれていて本当に助かったものだ。後、2017年3月のこれが串木野での最後のリーグ戦参加だったスリウェル君は、屋上駐車場でたまたま長電話していたら、終了時間の23時が過ぎてしまい門のロックがかかり脱出出来ず、明け方までションベン我慢しながら車中泊を無理強いされたのも今となっては懐かしいエピソードだ。↓最初と違ってとっても楽しい表情になっていたミノリンMR。

おお、もう30分も経ったの。(私にとっては)面白い名前の薬のおかげで楽しい時間が過ごせたわ。そうそう、MRにとって薬品名もだが自身の名前も覚えてもらうことも大事だ。DrはMR名まではなかなか覚えないものだから。今日は薬品名もMR名も覚えた。実に貴重でラッキーな面会だったねー、ミノリンMR。

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