2023年2月7日火曜日

歯磨剤と歯磨き粉

今日朝の医局会でのレクチャー担当は歯科口腔外科の山守先生だった。お題は「歯磨剤(しまざい)」についてだった。シマザイって普通は歯磨き粉って呼ぶ。で、冒頭に山守先生「ずっと昔は本当に歯磨き『粉』だったのですが、今は練り成分でチューブに入ったものがほとんどです」と言っていた。

それを聞いて私ははるか60年近く前、田舎にいた頃、缶に入った歯磨き粉を家族みんなで使い回していたのを思いだした。そのことを後でカールに言うと「え、そんなの知らない」と。ふむ、私も小学校に入った頃からはそんな粉の歯磨きは使ったことなかったし見たこともなかった。だから私より年下のカールが知らないのも当然かも。みんなで使うので、今考えると不潔だし、ばい菌もうつるかもしれない。ピロリ菌感染なんてこんなのも影響あったかも。本当の意味での歯磨き粉は↓こんなもので、まさに粉だった。
今では粉の歯磨き剤はほとんど無く、実際に粉を使っていないので、製品が市場シェアで上位を占めるサンスター、ライオン、花王はいずれも「ハミガキ」と呼び、日本歯磨工業会では「歯磨剤」を使用している。製品の性質を分かりやすく伝える必要があるメーカー側としては、粉でないものに「粉」を付けるわけにはいかないのだろう。実際には「歯磨き粉」と言う人が7割以上で、これはゲタや筆を使わなくても「ゲタ箱」「筆入れ」と使うように物が名称と呼応していなくても使われ続けている問題ない言い回しと言える。

山守先生のレクチャーは主にフッ素剤の話だったが、1970年に花王のフッ素入りの「ガードハロー」が発売されている。こてる家で長らく愛用してきた製品だが昨年秋に販売終了となったことを受け、日記ネタにした。先生によると、歯磨き粉には虫歯予防や歯周炎予防、知覚過敏改善など謳っているが「はっきりとエビデンスがあるのはフッ素の虫歯予防効果だけです」とのこと。そして歯磨剤の種類よりも丁寧に磨くことのほうが大事であると。

そして歯磨剤の値段の違いはフッ素含量などで決まり「必ずしも高いものがいいとは・・」とのことで先生は「クリニカ」を使っているという。ふふ、それよりも安くていいのが「ガードハロー」なんだがな・・。しかし安すぎてペイしないと判断されたか、花王は「事業上の判断により、廃止いたします」となった。20個ほど買いあさったガードハロー、1人1本で2ヶ月ほど持つのであと2年ほどでなくなってしまう。今日の話で今度買うブランドもまずは安いのから・・でOK、と確信したのだった。

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