2022年3月6日日曜日

専制主義VS自由民主主義

もうここ最近のニュースはロシアのウクライナ侵略ばかりだ。この事態はどのように収束するのか・・アナリストがいろいろ予想しているが、どうもロシアにとっては悪い結果になりそうでその点は少し安堵する。どう見たって力を背景によその国を我が物しようという行為は許してはいけない。これは専制主義と自由民主主義の戦いだと見ることができる。故にロシアが勝利することがあってはならない。よしんば一時の勝利、侵略が上手く行っても長続きさせてはならない。まあ、ウクライナの抵抗のしぶとさや一部専制主義の国以外は反ロシアを表明しておりいずれロシアは撤退せざるを得なくなるはずだ。

立命館大学政策科学部の上久保誠人教授の分析では、プーチンの誤算は緒戦の電撃的な攻撃でウクライナが降伏しなかったことだったそうだ。ウクライナが徹底抗戦できたのは、ウクライナで自由民主主義が着実に根付いてきていたからだという。

2014年のロシアによるクリミア半島併合後、ウクライナでは汚職防止や銀行セクター、公共調達、医療、警察などの制度改革が実施されてきた。そして、民主的な選挙が実施され、政権交代で3人の大統領が誕生した。政権交代が頻繁にあり、ゼレンスキー大統領の支持率は約30%という状況をプーチン大統領は、ウクライナの政情が不安定と捉えていた。ロシアのような権威主義(専制主義)の国ならば、指導者への支持率は80%を超えたりする(住民に対面でプーチンを指示するかと聞いてくるらしい。そりゃ「指示します」って言うわな)。ゼレンスキー大統領の権力基盤は脆弱だと判断した。だが、言論、報道、学問、思想信条の自由がある自由民主主義では、国民の考えは多様だ。野党が存在し、指導者への対立候補が多数存在するものだ。指導者の支持率が約30%というのは、低いわけではない。むしろ、ウクライナでの自由民主主義の浸透を示すものだ。自由民主主義を一度知った人々は、それを抑えようとするものに決して屈しない

それが自ら銃を取って民兵となったウクライナ国民だ。

ロシア軍は約90万人(旧ソ連時代の5分の1の規模)で、ウクライナに展開しているのは15万~20万人だとされる。一方、キエフは人口約250万人の都市だ。徴兵制で、成人男性は皆、銃を扱える。彼らが民兵になれば、ロシア軍の数的不利は明らかだ。キエフの制圧は相当に困難だ。地上戦ではロシア軍は大苦戦し、士気が落ちているという。

これに加え他国のロシア離れと制裁はたとえウクライナがロシアの手に落ちても確実にロシアを苦しめ、弱体化させることになるだろうという。そうなれば国民は苦しくなりいずれプーチンは支持を失い失脚するはずだ。ただ、その際、さらに専制主義を強くした独裁的な指導者が現れることを憂慮しておかなねばならない。そもそもロシア国民が強い指導者を求めがちな傾向があり、プーチンのような独裁的な指導者を生んだのだ。その国政権はアメリカのようにせめて8年程度に抑えておかないと。中国も習近平が何年も政権を牛耳っているのを許しているならいずれ衰退するだろう。70年も一つのファミリーが牛耳っている北朝鮮など衰退どころか絶対に破滅へと向かうはずだし、そうならなければならない。

専制主義が発露しているロシアの弱体化を望む。そして国家破綻するようなことがあれば北方領土を返してもらうように政府は動くべきだ。ウクライナ国民には悪いけれどこの侵略戦争、日本にとって漁夫の利があるかも。そして、中国、北朝鮮など専制主義の隣国が日本に対して悪さをするなら、ウクライナの大統領のように日本の指導者は決して屈しない姿勢で臨んで欲しいと思うばかりだ。

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