2022年3月12日土曜日

「調査官ク・ギョンイ」は型にはまらないサスペンス物

韓ドラは犯罪・サスペンス物の「調査官ク・ギョンイ」(2021年JTBC)全12話をNetflix配信で6日間で見終わった。主役がなんとあの「チャングムの誓い(2003年MBC)」のイ・ヨンエなのだ。イ・ヨンエはチャングムの後はドラマにはほとんど出ていなかった。映画がメインでその後が結婚出産もあり、ほぼ休養状態だったのが、「師任堂(サイムダン)、色の日記」(2017年SBS)でドラマ復帰した。「ク・ギョンイ」はそれ以来のドラマ出演作である。まあ、俳優女優に誰が出ているかでその作品のどのクラスかは判断できるので「ク・ギョンイ」はAクラスって分かる。

もう50歳が近いイ・ヨンエがチャングムなどとはまったく違うキャラで縦横無尽に活躍する。ただ、いきなり引きこもりの廃人として描かれ、物語り途中も何度かゴミ処理施設に放り込まれるなどの汚れ役を体当たりで演じていた。しかしそんな役でもキリリとした美しさがさすがににじみ出るんだよねえ。↓のように元刑事の調査官役だがボサボサの髪なんだ。
このドラマ、イ・ヨンエたちのク・ギョンイ調査官チームと女子大生の連続殺人鬼とその協力者、財団理事長とその関係者の3者が組んず解(ほぐ)れつの頭脳戦や犯罪(犯罪もどき)や裏切り行為を繰り広げるが、基本みんなワルいことをしている。特に後2者は人殺しも厭(いと)わない。ナイフや鉄砲も爆弾もどんどん出てくるので、登場人物みんなが怪我を負う始末だ。本作が「斬新な作品」と視聴者から言われているのは、犯人が誰か推理し、捕まえるという典型的な型にはまらず、ドラマの物語や展開方式、キャラクターに至るまで固定観念を揺さぶる果敢な挑戦をしているからとのことで、イ・ジョンフム監督は「『こうするだろう』と思った瞬間に違う行動をするようなストーリーで、初めて見た時は当惑するかもしれないと語っている。確かに。

一つだけ指摘すると、普通とは明らかに違う点があり、これはネタバレになるのでこれから見ようと思う人は読まない方がいいかも。→一見空白のようだがマウスかパッドで選択操作すれば読めるはず。

最終回になって登場人物たちがどうなったか・・こんなにバイオレンスたっぷりだったのに、驚いたことに「主要な登場人物全員が最終回まで生きている」のだ。ある者は病院のベッドで気管挿管されたり、ある者は留置所にぶち込まれてたり、ある者は社会的制裁を受けたりしてはいるのだが、通常のサスペンスドラマなら敵役はほとんどが死ぬパターンなのに下手すると主人公が死ぬものさえあるのに」このドラマはそうしなかった。ま、制作者の新機軸を打ち出そうという意欲は買うね。イ・ヨンエもこの作品を選んだのはありきたりの役じゃつまらないと思ったからではないか。(その後、雑誌「もっと知りたい! 韓国TVドラマ」でのインタビューを見ると「(良い意味で)変なドラマだからです」と答えていた)

韓国の反日行為には辟易としているが、韓ドラはなかなかにいい。次は何を見ようかとすでに考えている。だからといってまだ青春ロマンスものには触手する気になれず、サスペンス&恋愛ものの「嘘の嘘」(2020年チャンネルA)を選んでみた。復讐、ドロドロ系の主役や悪役で有名なイ・ユリが主人公のドラマでたまにはこんなのも面白いかも〜。

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