2022年3月28日月曜日

護送車は必ずぶつけられる

韓ドラのサスペンス物で、犯人もしくは容疑者が護送バスで留置所や刑務所に護送されるシーンがあったとしよう。そのシーンが詳細に描写されているならば、その次のシーンはたいてい決まっている。人通りの全くない交差点でほらやっぱりやって来た。暴走トラックか暴走乗用車か暴走バイクだ。はい、必ず護送車にぶつかります。そして護送車は横転し、中にいた怪しき犯人もしくは容疑者は死んだり怪我することもなく脱出するのだ。運転手や他の護送要員は怪我や死亡してしまい脱出出来ないのに・・。

このパターンが今年に入って見たサスペンスもので3度も出てきた。「ドクタープリズナー (2019/KBS)」「リセット~運命をさかのぼる1年~ (2020/MBC)」そして今見ている「神様がくれた14日間 (2014/SBS)」だ。とくにどの放送局特有とかではなく、韓国の3大放送局が仲良く同じ手法でサスペンスを煽っている。確か以前見た「被告人 (2017/SBS)」でも同じような場面があった気がする。「被告人」ではとにかく暴走トラックが暴れ回った。善良な人を引いて殺しまくるんだ。そこまでひどくないにしても韓ドラでは交通事故は必須だ。偶然の事故だったり、意図的な殺人事故だったりはあるが、特にサスペンスもので出て来ないことはない。まあ、警察がからむのに護送車がやられまくるのはいかがなものかで、警察も国民に軽く見られているということもかもしれない。↓は実際の韓国での交通事故。
交通事故に話を戻せば、実際、韓国では交通事故死者数は日本と同じくらいだ。え?そんなに多くはないのというのは間違いで、人口が半分以下だから倍は多い計算になる。韓国は2010年のデータだが経済協力開発機構(OECD)加盟国で交通事故死亡率1位だったのだ。普通の接触交通事故くらいなら韓国人は警察には連絡せずお互いの保険会社への連絡で済ませることが多いという。道路事情も悪い上に、運転免許は簡単に撮れる上に10年に1回更新、せっかちで譲り合いの精神もあまりないときているから事故がなかなか減らないのだ。

そんな交通事故大国の韓国、そのせいでもあるまいがドラマでの交通事故シーンはなかなか迫真に満ち素晴らしいものが多い。古いドラマだが、あのクォン・サンウ、チェ・ジウ主演「天国の階段(2004SBS)」でのチェ・ジウが車に跳ね飛ばされる場面は日本では余りお目にかかれないリアルな描写で当時びっくりした記憶がある。ま、そのせいでチェ・ジウは記憶喪失になり・・とお決まりの状況になっていく。「冬のソナタ(2002KBS)」でもご丁寧に2回も出てきて主人公たちの運命を大きく左右する。ただ冬ソナでは事故の瞬間は直接描写ではなく日本とほぼ同様で視聴者のイメージに任される。それはあの物語なら当然の手法だったろう。

ドラマでは交通事故はそれこそドラマチックな展開を起こす便利なイベント(?)ゆえ多用したくなるし、日常茶飯事だから視聴者にも納得してもらいやすいと韓ドラ制作者側は思っているのかもしれない。だが、比較的短期間に同じような手法を見せられると辟易もする。私も10年前韓国に行ってバスやタクシーに乗ったりしたが、無事生きて帰れたことを神様に感謝しなくては・・。

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