今日の高校野球はなんといっても3回戦横浜対金足農戦がすごかった。ネット動画でチェックしつつ、金足農は横浜相手に2ー4の劣勢でさしもの好投手吉田輝星もここで消えるか、でもまあ妥当な結果かなとも思っていた。奪三振13や14して鹿実や大垣日大には勝てても横浜相手では多少点は取られ逆に味方は点は取れない・・が、なんと8回裏にまさかの逆転3ランが飛び出すとは。しかも公式戦で一度もホームランを打ったことのない6番バッターがねえ。何か大きな力が動いている気がするわ。で、9回は吉田投手がえらい気迫で抜群の投球。150kmも飛び出し三者連続三振でゲームセット。
彼の球はピュンと伸びてまるで江川卓のような球筋でおそらく初速と終速の差が小さく計測以上に打者は速く感じるはずだ。見ていて気持ちがいい。
終了後の校歌斉唱シーンをみて、また驚いた。例の全員えび反りで歌うのがかって?いや違う。校歌の作曲者が「岡野貞一」だったからだ。
岡野貞一さんと言えばこれはもうこの人の作った歌を知らない人は日本人にはいないといってもいいくらいの作曲家だ。え、知らないよという人が大多数かもしれない。でも子どもの頃から知らずみんな歌い、大人になってもたまに歌い、TVでもよく歌われ、中にはその人にとって魂の歌になっていることすらある。唱歌「故郷(ふるさと)」「朧月夜」「紅葉(もみじ)」「春の小川」「春が来た」「日の丸の旗」そして♪もーもたろさん、ももたろさんの「桃太郎」も。私は高校野球オタクでもあるが唱歌オタクも自認している。唱歌のレコード、CD、本は結構そろえている。作詞で高野辰之、作曲で岡野貞一を知らなければ唱歌界ではモグリである。その二つのオタクである私が金足農の校歌作曲者を知らなかったのはうかつだった。
曲を聴くと出だしの「♪可美(うま)しき郷(さと) 我が金足〜」が特にいい。次に「霜しろく 土こそ凍れ」と係り結びが出てくる。おお格調高いぞ。
作詞者は近藤忠義という有数の国文学者だそうで比較的長い詞は農業の尊さを強調し素晴らしい。で、渡辺敏樹著「校歌の大甲子園史」をひもとく。3年前に購入し確か倉敷工の校歌西条八十作詞「♪轟くエンジン飛び散る火花」をネタにしたことがあった。これだけの校歌ならこの本でも紹介されていたのではないか。ぱらぱらめくると第5章名曲校編200ページを越えたあたりにやはりあった。うわ、ちゃんと岡野貞一とあるのに見過ごしていた。著者は最後にこう結んでいる。「・・かなりスローテンポなので、1番しか流れない甲子園でも、2分ほどの演奏時間を擁する長い校歌としても知られている。校歌愛好家でなくても甲子園出場時には必ずチェックしておきたい一曲だ。」ははー、これは失礼しましたぁ。甲子園にはそれぞれ愛好するジャンルがあり、先の渡辺敏樹さんなどはさしずめ甲子園校歌オタク、実に300校以上の校歌を覚え歌うこともできる。最近ではブラスバンドオタクも多く、アメトークでも「よく演奏される曲ランキング」が毎回出てきたりNHKも今年は「甲子園!細かすぎる応援マニュアル」でブラバンの魅力を紹介していた。ブラバンでは梅津有希子さんが有名だ。本も出しており当然私も買った。私は甲子園戦歴&名勝負オタクかな。甲子園優勝校はここ50年くらいなら当然順に言える。今年は朝日新聞が名勝負アンケートなど実施しているが残念に思うのは50年以上前の名勝負がほとんど忘れられビデオ映像が残るここ40年ほどのものばかり紹介されることだ。おっと、話がどんどんそれてくる。ともかく投手もチームも校歌も魅力的な金足農、春夏連覇の大阪桐蔭と並んで大注目校になってきたぞ!
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