2017年7月3日月曜日

え、オスラー?

ふと気がつけば、最近アガサ・クリスティーを読んでいないことに気がついた。いや、前作の「ゴルフ場殺人事件」を読み終えて、次はトミーとタペンスものの代表作「NかMか」を5月5日から読み始めてはいた。でも80ページほどで進みその後どうしても手が伸びない。1月からずっと連続9作も読み込んできてどうやら多少飽いてきたようで、他のこと「ビデオ鑑賞」や「囲碁」などに関心が移っていた。クリスティーは高校時代、大学時代、新婚時代の3つのマイブームがあり今回は4回目だった。現在44作も読み終えた。ミステリー長編にかぎれば2/3ほどを占め有名作、力作はほぼ網羅している。「NM」を読んだらしばらくはお休みとするか。

さて、今日は「オスラー病」という珍しい病気の患者さんを治療することになった。これは「遺伝性出血性末梢血管拡張症」といい1.鼻出血、2.舌・口腔粘膜・指・鼻の末梢血管拡張、3.内臓病変(胃腸末梢血管拡張、肺、肝、脳、脊髄動静脈奇形)、 4.家族歴(遺伝性)を特徴とする病気だ。鼻出血、消化管出血、腹痛、口腔内出血、発熱、全身倦怠感、痙攣、頭痛など多彩な症状を引き起こす。この患者さんは以前から貧血が指摘されていて胃カメラでも小さな毛細血管の拡張所見が確認されていた。しかしオスラー病という病気の概念が私たちになく見過ごされてきた。昨年、鼻血のことで大学病院で「オスラー病では?」と指摘され判明したとのことだ。それを聞き、ながらく原因不明だった貧血が毛細血管拡張の出血によるものであろうと、アルゴンガス止血の治療をすることになった。今日は大腸検査も組まれていて直腸粘膜もじんわり出血していたのでそこもAPC(アルゴンガス凝固止血法)を施した。これで鉄剤を飲まなくても貧血が起きなければ患者にとって朗報だ。手技は簡単だが時間は以外にかかり午後の14時近くまでかかってしまった。

終わってしばらく、ムッちゃんNsが「ええとさっきの患者さんの病気の名前はなんだったっけ、ほら、マイケル・ジャクソンの曲にあったような・・」と聞いてきた。するとすかさず、佳及Nsが「それはスリラー」と冷たく反応すると「そうそう、スリラー」とムッちゃんNs。私が「オスラーだよ」と締めてこれはおしまい。

で、家に帰ってこの病気のことを家事をしているカールに教えると聞き取りにくかったのか、「え、モスラ?」だって。いやはや。

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