2017年7月2日日曜日

「ごめん、愛してる」

来週日曜のTBS日曜劇場で長瀬智也主演の「ごめん、愛してる」が始まる。2ヶ月以上前から製作発表を知りこれは見てみようと思った。元は韓国ドラマで2004年に放送され熱狂的なファンを作り出したことで知られる。韓ドラをくるったように見続けていた10年前に見て衝撃を受けた作品である。原題の「ミアナダ、 サランハンダ」を略してファンは「ミサ」と呼び、この作品世界が抜け出せず浸っている連中は「ミサ廃人」とも呼ばれた。

韓国版の主役は切れ長の眼が特徴のソ・ジソプ。相手役はイム・スジョンでドラマ出演はほぼこれのみでメイン活動は映画のため日本の一般の韓ドラファンにはあまり知られてないはず。しかしこの二人でないと成り立たないと思えるほど内容にマッチしていてそれぞれの代表作になっている。韓ドラらしいパターンがいくつも散見されるのはまあいいだろう。登場人物たちのそれぞれの愛の設定がよく練られていて、それにあのラスト・・これは未見の人が多いだろうからここでは言えないが、しばらくは感動というか衝撃でぼーっとしてしまう。この韓ドラのスタッフが前作のレイン主演「サンドゥ、学校へ行こう(2003)」で今ひとつうまくいかなかったラストを今度こそはと気合いを入れて作ったものと私は推測する。

で、日本版だが、長瀬智也って私はジャニーズ事務所のメンバーだくらいしか知らないが、前宣伝の動画を見ると「ごめん、愛してる」の主人公としてなかなかいい雰囲気を出しているようだ。

ヒロインは吉岡里帆だとか。ピンとこなかったがなんと朝ドラ「あさが来た」で眼鏡をかけた親友役のあの娘か。眼鏡を外すと全く別人だ。うーむ、イム・スジョンと少し雰囲気は似ているかな。それと韓国版の主題歌はあの中島美嘉「雪の華」でこれがじつによかった。韓国では放送時期が晩秋から初冬にかけてでパク・ヒョシンという男性歌手が韓国語で切なく歌いドラマを盛り上げていた。私はこのドラマで「雪の華」が好きになったくらいだ。残念ながら日本版では宇多田ヒカルの新曲「Forevermore」という曲らしい。ま、季節は真夏だから「雪の華」じゃー全く合わないか。

私はこれまで見てきた韓ドラはすべて自分なりの採点をしている。ベストスリーは私自身の好みを反映して「冬のソナタ」「復活」「ファンタスティック・カップル」なんだが「ごめん、愛してる」はベストファイブには入る。ただ前3作と違って二度三度と見ていない。手元にはあるがやはりあのラストが印象強すぎて・・。韓ドラとしては各国でリメイクされていてトルコ、タイ、中国(これは映画)で日本は4番目だという。最近好調のTBS日曜劇場だからいい作品になることを期待しよう。

追記かつての「こてる日記」を調べてみると、2007年8月2日にこのドラマを見た感想をちゃんと書いていた。今回とも一部内容がかぶるが以下に再掲してみる。当時は文字の色を毎日変えていてこの日は赤だったのでそれも当時に従おう。

ミサ廃人 2007/08/02(木)

この前、見終わった韓国ドラマ「ごめん、愛してる」(全16話2004年KBS)は噂に違わないドラマだった。

ネットなどで評判のいい韓ドラを探しているとこのドラマによく出合う。ま、いつか見てやろうとしてしばらく過ぎた。当初、どうも暗い話だろうからと触手を伸ばせなかった。それと写真の主人公がもの凄いボサボサ頭で引いてしまった。だが評判いいので今週頭から見始めた。

孤児となってオーストラリアに預けられたソ・ジソブ扮するチャ・ムヒョクとひょんなことから知り合う女の子が主人公だ。出生の秘密や不治の病、交通事故とお決まりのパターンを踏襲してはいるが何かが違う。主人公ソ・ジソブはいい体格と一重の独特の眼差しが忘れがたい印象を残す。(出だしのボサボサ頭はすぐに普通に戻る)女主人公のソン・ウンチェ役(イム・スギョン)もかわいい顔だけでない悲しみと深みのある眼差しをする。二人とも若いがなかなかの演技力で、これに脚本、演出が実に緻密で味わいがある。

私はこれは放送局の個性とも関係があるのではないかと感じた。何となくKBSっぽいのだ。韓国のTV放送局は3局あり、KBS(韓国放送公社)、そしてMBC(文化放送)、SBS(ソウル放送)がある。私が今まで見たドラマを放送局ごとに列挙してみる。

KBS:冬のソナタ、秋の童話、夏の香り、春のワルツ、復活、ごめん愛してる  
MBC:チャングムの誓い、ホテリアー、ホ・ジュン、私の名前はキムサンスン、宮、火の鳥 
SBS:天国の階段、美しき日々、パリの恋人、オールイン運命の愛

まだこれだけだが、KBSは先ほども書いたようにストーリーに安定感と緻密さがあり余韻の残るものが多い。MBCは時代劇に有名作品が多く、現代劇では都会的で新機軸を見せるものが多い。SBSは一番特徴があって劇画的なストーリー展開、きめの細かさはないが勢いで行っちゃえードラマが多い。

「ごめん、愛してる」は見る人、見るタイミングで気をつける必要がある。「ミサ廃人」になってしまう恐れがあるのだ。「ミサ」とは韓国語の原題である「ミアナダ・サランハンダ」の最初の文字をとってこのドラマをそう呼ぶ。中毒性がありその世界にどっぷり浸かってしまい抜けきれなくなるマニアが多いらしい。(大事な試験前には見ない方がいいぞ)実は冬ソナもその危険性が高い。私も2月から4月まで約3ヶ月冬ソナばかり見ている冬ソナ廃人だった。上に上げた16作品の中では「復活」もその傾向があり、復活パニックと呼ばれるマニア層を生み出した。いずれもKBSがらみで、意外なことに3作品とも大ヒットと言われるが視聴率はせいぜい20~30%ほどなのも興味深い。
逆にSBSの4作品は40%以上の視聴率を取るほどであったが、何度もくり返し見たくなるほどではない。少なくとも私にはケレン味が強く面白いけれど深みがない作品群のように思える。

訪問看護のふっくらナースにも「ごめん、愛してる」はどうだったと聞くと、「うんうん、良かったよ~。最後がねー、今までの韓ドラにないパターンの終わり方だった。それはー」と言ったところで、「ストーップ!!そこは言うな。せっかくの楽しみが半減しちゃう。お前は『復活』でも真の犯人をしゃべっただろ」物語半ばの時でおおよそ展開が読めて来た時だった。今思えば本当に聞かないでよかった。

この物語、最終16話にサプライズが二つもあって特にラスト1分のサプライズは深く心に入り込み、私も危うく廃人になりかけた。後から振り返ればそういう展開になるべき伏線はいくつもあった。それにしても・・ラストの淡々と語るセリフ(もちろん韓国語)は未だに頭から離れない。ストーリーは違うが余韻がこれもまたKBSの「秋の童話」と似た印象を持った。調べると、番組プロデューサー(PD)が「秋の童話」と同じでこの人は「冬のソナタ」の共同PDでもあった。似ていると感じたのもあながち間違いではないな。

あと「ごめん、愛してる」の挿入歌は03年に中島美嘉が歌った「雪の華」で男性韓国歌手が歌っている。頻繁にかかり「ごめ愛」と言えばこの曲というほど密接な関係だ。あのサビの裏声がこれまた頭にこびりつく。おっとっと、これ以上入り込むと「ミサ廃人」になる。

古くは中国古典の「紅楼夢」にはまった人たちを「紅迷」と呼ぶが「ミサ廃人」は規模の小さい「紅迷」みたいなもの。

私は深入りすることなくこうして日記に記すだけにとどめることにしよう。

読み直してみて10年後の今私が言いたかったことはほぼすべて書かれてあった。この時点で韓ドラを16作見終わっていたのか。MBC製作のラブコメ「ファンタスティック・カップル」はまだ見ていない。その後半年以上ずっと見続けて50作ほどになったころようやく飽和状態になりその後は年に数作見ればいい方になった。いわば私の韓ドラ時代である。韓ドラ中毒だったとはいえ、日記に取り上げなかった作品も多く、「ごめん、愛してる」はどうしても取り上げて書きたくなるほどの作品だったというわけだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿