2017年5月16日火曜日

脈が速かろうが

入院中のオマルさんと昨日、今日と碁を打った。私が5子ハンディをもらっての対局だ。昨日は大石の攻め合いとなり私が負けて投了した。しかしオマルさん曰く「この攻め合いネ、先生が勝っても勝負はこっちのものだった」と。そう、攻め合いに勝っても石の回りを取り囲まれ、さらに自陣に侵入されて地合いでも負けていたようだ。私はそれに気付かず攻め合いで勝てば勝負も勝ちと思い込んでいた。序盤は優勢だったはずだが無理攻めをかわされておかしくした。高齢で病人でもさすがは高段者だ。

この勝負の時に、準夜帯のタキマナNsが病室に飛び込んできた。「オマルさん大丈夫ですか?」「うん?どうした」「脈拍が110くらいだったのが170まで上昇しているんです」あはー、心不全があり頻脈もあるため心電図モニターを付けナースステーションでモニター管理中だったのだ。それが急に頻脈悪化したので駆けつけたってこと。当のオマルさんはウーン、ウム、ウーンとうなり続けて碁盤を見つめている。私が脈をとっても無視してひたすら碁盤に視線を落とし続けていた。「ま、大丈夫じゃないか」結局その後勝負にも勝って終わってみると脈拍は元の110前後に落ち着いていた。

タキマナNsは病室に来た時に「ああ、囲碁をやっているんですか。私も少しは出来ますよ」というのでこっちがびっくりした。30才代の女性、看護師で碁を打てるなんて滅多にいない。勝負が終わって改めて尋ねると、彼女「あれ、これは白と黒が反転しない・・」と怪訝そうな顔をした。「あほっ!お前の言うのはオセロじゃんか」「あ、そうですそうです」がくっ。

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