2017年5月12日金曜日

救急搬送けいれん患者、実は・・

また同時多発だ。救急車が昼前に立て続けに2台入った。1人目は妊娠初期の女性で歯科医院で麻酔を打たれた直後に体がけいれんし始め1時間以上経っても収まらないという。そしてすぐに意識レベル低下の高齢男性も運ばれて来た。こちらはどうにか私でも診られるが、最初の女性はあまり見たことない手足のぴくつきだったので、脳外科のポンシンDrにお願いすることにした。するとポンシンDrは問診の後、「右手3本出してー、左手5本」などと命令を矢継ぎ早にしていた。患者の女性もそれに応えようと震える手で従っていた。見れば手足は震えているが指示通りに動かすことは出来ていた。

いつまでも見学しているわけにいかないので2人目の男性の診察、検査などし、後でポンシンDrにいったいどういう疾患なのか尋ねた。彼は断定はしなかったけれど心因性由来の筋肉の動きではないかとのだった。というのも、左だ右だ、やれ手だ足だと指示していると命令を止めた手や足には震えやけいれんといった症状がふっと消えていたんだと。これが本物のけいれん発作だと止まることはない。もう一つ、命令を繰り返しているうちにその人はピタッと震えが止まった。普通の患者さんは「あ、止まった」と安堵するものなのに彼女にはそのような表情はなかった。麻酔注射が引き金で不安などの心の状態が引き起こした症状であろうとの断だった。特に処方もなく帰宅させたという。

うーん、さすが専門家だねえ。いったいなんであんな質問を繰り返しているんだろうと思っていたよ。患者も周囲も大変な事態に陥ったと思われた状況が一転たいしたことないってなった。あれが過換気だったら私も同じように判断できるのだがー。いや、勉強になったわ。(その様子はデジカメ動画に収めているがここでは見せられないのが残念だ)

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