2016年4月30日土曜日

ある日の当直の真実

1週間前に今日の当直の様子をネタにすると書いた。久しぶりに忙しい当直だったからで、それは午前の外来の時点から始まっていた。

一般外来に混じって緊急で内視鏡をしないといけない患者がいた。S状結腸捻転。これは放置すると最悪腸管壊死を来す可能性がある。だから外来途中にレントゲン室で内視鏡を開始した。いつもの自分ならどうにかしてでも整復できる。しかしこの患者は手強(てごわ)かった。腸管が長く1時間かけても整復出来そうになく、当直業務も控えているし、万一の場合手術もあり得るため、鹿児島市内のプーさん病院に電話し受け入れてもらえた。電話に出たのが2内科出身の知っている「匂う」Drだったので話しやすかった。

昼過ぎにやれやれと引き上げてからがまた患者対応に追われた。だいたい1時間おき、一人を診終わればまた一人がくるというパターン。夕方までに5人来た。

救急車:腹痛の透析→入院
救急車:腰痛→点滴
救急車:めまい→入院
外来:急性腸炎→入院
外来:インフルエンザB型→処方

そろそろ夕食も医局に運ばれて来ているころだが・・

外来:下腿切創(小児)→縫合処置
外来:嘔吐下痢→処方

どうにか夕食を食べて20分少しソファでぐったり・・

救急車:胸痛→診察
救急車:交通事故→診察
外来:先ほどの交通事故の助手席者→診察
二人とも大した怪我でもなかったが交通事故患者は時間がかかる。

日付が変わっても患者はやって来る・・

外来:急性腹症→膵炎を疑い難ガター検査技師まで呼ぶが異常なし、結果オーライ
救急車:癌末期→入院

この辺で午前2時。少し落ち着き私は医局ソファで録りだめビデオを少しだけ見ることにした・・しかし15分で撃沈。1時間は眠れたか・・

救急車:てんかん重積発作→注射、点滴、入院

てんかん患者は専門外なので手間が掛かった。完全には鎮静できずに入院させ、夜が明けてからシマッチ院長に電話連絡したが留守電だった。でもどうにかおとなしくなり午前8時を過ぎあと10分で当直も終わりというときにまたもや救急依頼が・・

救急車:吐血、胃の静脈瘤出血→緊急内視鏡

以前から肝硬変、食道静脈瘤で診ていた人で結局はアルコールを止められずに症状悪化させていた。緊急内視鏡で出血点を確認できたが実はたいがいの消化管出血は私は止血出来るけれど胃の静脈瘤止血だけは出来ない。それで鹿児島市内の病院をあちこちあたってみた。かつて依頼したことのあるかしましい病院は最近は内視鏡スタッフが減り「内視鏡医がつかまるかどうか」という当直者の話しに「わかりました、他を当たります」、そして昔町病院分院は「うちは(胃静脈瘤止血は)やっていません」で、今切る病院にも電話するとスタッフを呼び寄せてからとのことで断念、結局プーさん病院にまた連絡する羽目になった。プーさんには内視鏡当番がいるのは知っているけど、昨日も無理に頼んだので少し遠慮していたのだ。楠岳というDrが出て事情を話すと胃静脈瘤治療はしているがおそらく待機内視鏡治療になるとのこと。ううむ、1日待てるか微妙だが今現在はかろうじて血が止まっている状態で再出血の可能性を考えるとまた頼むしかない。やさしい楠岳Drは受け入れてくれ救急車で転送となった。内視鏡スタッフの服緑Nsが付き添い、後で聞いたところでは何人かいたDrのうち一人が私がプリントした内視鏡写真をみて「あ、これは今日(止血)しないと」と言っていたとか。

ふう・・今年一番忙しい当直だったわ。
思えば専門外の患者ばかり診察していたようだったけど、最初と最後は自分の専門、しかしプーさん病院に助けてもらうという展開に苦笑いだ。で、そのまま帰ったかというと、もともとこの当直をあてに4月分のレセプト業務を済ます予定で12時前まで医局にねばっていた。でも半分ほどしか片付けられずさすがに止めたった。ええい、明日だ明日、明日がある〜。今日は帰って寝よっ!BTQ。

0 件のコメント:

コメントを投稿