2015年11月10日火曜日

NSAIDs潰瘍を語る

医局会で久しぶりにレクチャーをした。お題は「NSAIDs潰瘍」。NSAIDs潰瘍とは消炎鎮痛剤を飲み続けることで起こる胃潰瘍などのことだ。これをテーマにしたのはここ2ヶ月やたらとこの手の潰瘍患者がいたからで、出血を来たし相当ひどい貧血の人もいた。うち2人はHbが3台だった。ちょっとでも医療をかじったことのある人ならこの数値がどんなにひどいか分かるはず。私と同じ年の男性はあまりに低いHbで低酸素脳症を起こし数日意識が戻らなかったくらい。潰瘍もつくるが痛み止めでもあるためその痛みを訴えずに症状増悪してしまうんである。

一般的なピロリ菌がらみの潰瘍は青雲会病院は積極的に推し進めてきたので最近はあまり見ない。2ヶ月でNSAIDs5人に対しピロリ菌潰瘍は2人で、時代は変わるものだ、私が内視鏡室にいたころは9割がピロリ菌がらみだった。そもそもこの20年で潰瘍患者は全国で4割以上減った。ピロリ菌治療が浸透したおかげである。高齢者が増え、膝や腰が痛い、痛み止め(NSAIDs)を飲む、潰瘍が出来るパターンだ。おまけに予防薬としては胃炎には効くが潰瘍にはさほどの効果のない粘膜防御剤が出されている。そこはDrに認識を改めて欲しいとの思いもあった。可能な限りPPI(プロトンポンプインヒビター)を使うべきだ。タケプロン、パリエットなどである。

スライドが終わって理事長は軽く拍手し他Drの質問も結構あり、準備期間がさほど長くなかった割にはまずまずの発表だった。以前は直前までスライド作りにバタバタしていたが今回は数日前にはほぼ終わっていたし、だいぶスライド慣れしてきている。前にも書いたがMicrosoftのPowerPointをやめてMacintoshのKeyNoteにしたおかげだな、きっと。

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