2015年7月27日月曜日

「伝え方が9割」

コピーライター佐々木圭一の本「伝え方が9割」という本が68万部のベストセラーらしい。夕方、タナカッツMRが「先生がこの前スピーチされたと聞きこの本も参考になるかと・・」と持って来た。「社員向けに東京でこのコピーライターさんの講演があった」そうだ。ただ「最初の15分は彼の自慢話」でまあそれも「この人の話なら聞いてみようか」という気にさせるテクなのかもしれない。

そこでパラパラめくってみた。この本には大きく二つの内容があって「ノーをイエスに変えるお願いコトバの作り方」と「強いコトバをつくる技術」に分かれる。特に前者は薬の宣伝をするMRにとっては大事な内容だ。

前者には3つのステップと7つの切り口の例が提示されているので列挙してみる。

3つのステップ
【1】自分の頭の中をそのまま言葉にしない。
【2】相手の頭の中を想像する。
【3】相手のメリットと一致するお願いをつくる
例えば、「デートしてほしい」と思っているなら、そのまま「デートして」ではまず断られる。そこで相手がイタリアンを好きなことを考え、「驚くほど旨いパスタの店があるんだけど、行かない?」と誘う。結局は「デート」と同じことだが、伝え方はまったく異なっている。

7つの切り口
①は先の例のように「相手の好きなこと」を想像すること。
X「デートして下さい」→〇「驚くほど旨いパスタどう?」
②は逆に「嫌いなこと」を想像し、それを回避するように言葉をつくる。
X「芝生に入らないで」→〇「芝生に入ると、農薬の臭いがつきます」
③は「選択の自由」を与えること。多くの人は決断するのが苦手と思え。
X「デートして下さい」→〇「驚くほど旨いパスタの店と、石窯フォカッチャの店どちらがいい?」
④は、相手の「認められたい欲」を刺激すること。
X「残業お願いできる?」→〇「きみの企画書が刺さるんだよ。お願いできない?」
⑤は「あなた限定」という伝え方で、
X「自治会のミーティングに来てほしい」→〇「他の人が来なくても、〇〇さんだけは来てほしいんです」
⑥は「チームワーク化」すること。
X「勉強しなさい」→〇「いっしょに勉強しよう」
⑦最終手段にして最大の方法が「感謝」だ。感謝から入ると、人は心理的に「ノー」と言いにくくなる
X「領収書をおとしてください」→〇「いつもありがとうございます。領収書お願いできますか」

ふうむ、なるほど。
例えば②ではX「院内を走らないで」(こちらの要望)→〇「院内を走ると、ぶつかって怪我をすることがあります」なんて言い換えた方が効き目ありそうだ。
X「明日までに報告書お願いできる?」は上司のメリットだが→〇「あなたの報告書すっごい分かりやすいんだよ。お願いしてもいい?」は相手は承認欲求を満たせるので、引き受けても良いなかって気持ちになる。
⑤もX「明日の飲み会来てね」は幹事側のメリットだが→〇「あなたが来ないと盛り上がらないんだよ」と言えば必要とされていると思ってもらえ、心を満たせ行ってみようかなとなる。
⑥もX「リハビリ頑張ってますか?」(あなたのメリット)より→〇「一緒にリハビリ頑張りましょう」の方が仲間がいると行動しやすくなる。
ふふ、次回の朝礼ネタに使えそう・・。

そして後者の「強いコトバをつくる技術」は5つのテクが披露されている。その基本となるのが言葉に高低差をつけることで例えば「あなたが好き」より「あなたが好き!」の方が強いし、さらに「嫌いになりたいのに、あなたが好き!」がさらに強くなる。別の方法では「くちびるがふるえている。あなたが好き」が印象に残る。

①サプライズ法 超カンタンだけど、プロも使っている技術
「京都に行こう」→「そうだ 京都 行こう」
「小林製薬」→「あ、小林製薬」
②ギャップ法 反対の言葉を前半に入れ、オバマ氏も使う心を動かす技術
「これはあなたの勝利だ」→「これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ」
「事件は現場で起きている」→「事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!!」
③赤裸々法 あなたのコトバを、プロが書いたように変える技術、身体の一部を使って感覚に訴える
「お腹が空いた」→「何も考えられない。お腹が空いた」
「感動の映画でした」→「のどがカラカラ、感動の映画でした」
④リピート法 相手の記憶にすりこみ、感情をのせる技術
「うまい」→「うまい、うまい」
「チューリップの花がさいた」→「さいた さいた チューリップの花が」
⑤クライマックス法 寝ている人も目をさます、強烈なメッセージ技術
「これだけは覚えてほしいのですが〜」
「ワンポイントアドバイスですが〜」
などを伝えたいことの前に言う。

これを読んでハタと思った。つい先ほど所属長会議で可愛いんだ理事長に「副院長は何か一言ないか」と発言を求められ今朝の理事長の朝礼の感想を言った中に私は「ギャップ法」を使っていたのだ。理事長が新病院をつくるにあたって如何に細かなことにまで気を配っていたかに感心したことを言ったのだが、「失礼な言い方かもしれないが、(理事長は)身体は大きいのに細かなところまで気がつく」とまさにそれ。これはどっと受けた。なにせ可愛いんだ理事長は187cmの巨漢だからネー。私がなぜギャップ法を使ったかというとこれは高校時代に生物の福晴先生が何かの際に「昔、風邪薬で『名前は長いが効き目は早い』という宣伝文句があった」と言ったのが面白いと印象に残っていたからだ。この言葉には論理的には意味をなさないけれど納得させる力がある。

ここだけの話、ギャップ法という言葉は知りもしなかったけれど実に実に効果的!というのは肌にしみいるほどよく分かった。
↑5つの強い言葉のテクを使ってみたが、これはーちいとやり過ぎでしょ、佐々木圭一さん。

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