2015年6月2日火曜日

名付けには時代の空気が関わる

読めねえ!「月猛」ってこういうのをキラキラネームっていうのかな?平成生まれの男性の名前だ。何て読む?

答えは「ルミナ」。読めん。

次ぎは73才男性で「昭南」。これはそのまま「ショウナン」って読む。でも初対面のこの人の名前に私はピンと来た。「名前の由来はシンガポールですか?」「ええ、そう聞いています」当たっていた。

まあ近代の歴史を知っていれば推測がつきそんなに難しくはない。73才ということはおおよそ昭和17年の生まれだ。ちなみ3月生まれだった。「昭南島」といえば日本軍が太平洋戦争時にシンガポールを巡ってイギリスと戦いこれに勝利した後、英語名をその日本名に変えたのだった。日本が真珠湾攻撃後まだ勢いに乗っている時分で山下奉文中将(のち大将)のイギリスのパーシバル中将への「イエスかノーか」との文言は有名である。(実際は降伏を迫った際の言葉ではないことは山下本人が語っており一人歩きしたエピソードのようだ)シンガポールを占拠したのが2月半ばでその人が生まれたのが1ヶ月ほど後、つまり親か祖父かは知らないが戦勝気分に浸っての名付けだったに違いない。まさに時代を映しているねえ。

前にも書いたことがあるが、「五十六」という名前の患者さんがいて生まれたのが昭和18年の5月21日でこれは戦死した山本五十六の死が新聞などで公になった日だった。その日に生まれた男子に親は五十六と名付けたわけだ。当時連合艦隊司令長官だった山本の死は国民にものすごい衝撃を与えたらしく、ショックのあまり長官の遺徳を継ぐ意味で我が子に名付けたのだろうか。いずれにせよ、軍国主義時代の雰囲気は名付けにまで影響を与えていたということである。

案の定、今日から梅雨入りした。しばらくはじめじめしとしとが続くよなー。

1 件のコメント:

  1. 「月猛 るみな」で検索しても、このブログしかヒットしないよ(汗) 寝太郎

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