2021年8月24日火曜日

腹痛の原因が意外なところに

外科の東洋Drから「センセ、ちょっとこの患者さんの件ですが」と言われて電カルを見せられた。

うん?名前は見たことがある。あ、最近2回ほど外来で診た患者さんだ。70代後半の女性で若干認知症があった人だ。腹痛で来たがいまいちその原因がはっきりしなかった。それがどうかした?

「実は3日前に路上で酩酊状態で倒れていたところを発見され隣の市の某病院に運ばれたんです」「ほう」「その時に胸部CTで肺腫瘍が発見され、今日うちに紹介されたんですが・・」「え?」「確かに大きな腫瘍が右肺にあり肺癌と診断して国立サンキュー病院に紹介転院することになりました」その画像を見れば私でも一発で肺癌と分かるほどの所見だった。倒れる10日ほど前に私は診察し採血や腹部CTも撮っていた。というのも症状がほぼ腹部メインだったからだ。でもどうもはっきりした所見が得られず、放射線科の読影までお願いしていたが、はっきりとは分からないままだった。点滴や処方で様子見としたのだが・・。

「さらに骨のCTまで撮ってみたら・・骨転移が腰にあったんです。それが腹部の痛みの原因だったようです」「げ・・」それは気づきにくい。東洋Dr曰く「腹部CTを撮るのは当然だと思いますがその際一部肺の下の部分も写りますよね。でもこの腫瘍は肺の中部にあって、これだけ大きいのにぎりぎり写っていないんですよ」はあ、そう言われても痛みの元々野原因が胸にあるとは思っていないのでねえ。こういう場合全身CTを撮るべきという意見もあろう。しかし保険で診療を行う場合、検査をしまくるのはちょっとなあ。

ただ、この女性、実はタバコを60年間吸っていたというのを私は確かめていなかった。東洋Drは胸の所見を知ってそこを確かめたらしい。その点はうかつだった。ならば胸部レントゲンか胸部CTを指示していたかも。ううむ、忙しい外来の中で問診や主訴からきちんとした診断に至らせるには基本的な問診やあらゆる可能性を考えなければと反省した次第だ。

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