2021年8月1日日曜日

数字で語ろう

南日本新聞の論説投稿に藻谷浩介(もたにこうすけ)氏なるエコノミストが東京オリンピックとコロナについて「数字では日本は安全」と意見を述べていた。これが私が言いたいことをまさにズバリ指摘してくれていて南日本新聞もやるときはやるじゃんって思った。↓拡大してぜひ読んで欲しい。

キモの部分を羅列する。
「引き受けた以上は世界中のスポーツ選手に対する責任がある」
「それでも日本の日々の感染拡大は、最新1週間の数字を人口当たりで見て、ワクチン接種の進んだ欧米の数分の1なのである」
「7月下旬の陽性判明者の急増は、五輪関係者の来日ラッシュ前の、日本人の間での感染急拡大によるものである」
など、きちんとした事実と統計に基づいて意見を述べている点が当たり前だが素晴らしい。そしてその次に私が7月29日に書いたコロナ感染者と死亡者の数のギャップについて統計の点からきちんと指摘しており、
「それにしても、こうした明確な数字を国民に説明し、過度の不安を鎮めつつ、五輪を言い訳にせず自重しようと説得できる政治家が、なぜ日本にいないのか」「政界にも、数字を見ずにぶれる言論界にも・・世代交代が必要だ」と結んでいる。

この人は東大法学部卒とのことだが理系の心得もあるようだ。エコノミストだから当然か。東大財務省出身の髙橋洋一氏は東大数学科と経済学部も出ておりやはり数字と統計をしっかり理解した上でコロナとオリンピックについて意見を述べており、現在の感染状況でオリンピックを中止するなどはもってのほかと二人の意見はほぼ同じだ。医療崩壊?バカなことを言っている。こんなに新規感染者が増えても重症者は今年初めのピーク時の半分以下にしかなっていない。あの時医療崩壊していないのになんで今、医療崩壊するの。おかしいことを言っている輩が多いんだよ。

イギリスは7月19日にロックダウンを解除した。ワクチン接種の普及ぶりと経済のことなどを考えてのジョンソン首相の判断らしいが、日本より人口が少ないにも関わらず1日4、5万人もコロナ感染者が発生しているのにこの大英断はさすが大英帝国・・すごいとしか言いようがない。実は6月の段階で発生者数は3万人弱なのだが↓のグラフを見ても分かるように入院患者や死者数は激減しているのだ。

首相の判断には専門家も意見が二分されているというが「(ロックダウン解除は)今やらないでいつやる?冬になればもっと解除しづらくなる」とジョンソン首相は腹を決めた。日本は憲法に規定されていないためロックダウンは出来ない。だから、だらだらと非常事態宣言をくり返している。イギリスよりも数分の1の患者数発生でしかない日本ならばオリンピックはおろか非常事態宣言すらしなくても乗り切れるかもしれない。してみると、まともな政治家ならばきちんと数字をもって説明し多少の反対意見があろうとも信念をもってやるべき時はやるべきで、藻谷浩介氏が言うように日本は政治家も世代交代が必要だろう。

それと・・あまり話題になっていないが、昨年から始まったコロナ禍で日本の平均寿命はどうなったかご存じかな?なんと伸びているのだ。7月30日に2020年の日本人の平均寿命は女性が87.74歳、男性が81.64歳で、いずれも過去最高を更新したことが厚生労働省の集計で判明した。こんなだったら「コロナのおかげ」と言いだしそうな人が出てくるかも。このことについて厚労省は「インフルエンザでの死者がほとんど出なかったから」と説明しているらしいが、少なくともコロナ禍で日本や日本人は非常にうまく対処してきているとだけは言える。イギリスではインフルエンザの死亡は例年1、2万人だが、コロナではこれまでに15万人が亡くなっていて平均寿命は下がったはず。日本のコロナ者数は1万人5千人ほどでイギリスの1/10だ。マスク装着を守り、衛生観念が強い国民性だからこそだろう。この時期オリンピックを開催できたのは日本だけだったかもしれない。開催できたことを誇りにしていいくらいだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿